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心が疲れた時に手を伸ばす本。こんな場所があったなら。

ここではないどこかに行きたい。

緑に囲まれて、川か海があって、星が綺麗で、
静かだけど寂しくない、そこにいるだけで満たされるようなどこか。

でもそれがどこか分からない。

長野も青森も高知も、忘れがたい素晴らしい景色を見たけれど、
一人で行くにはぴんとこない。

運転できないし、時刻表や地図を読むのも苦手だし、
グーグルマップと格闘して疲弊するだけの自分が目に浮かぶ。

一人が好きなのに、一人旅はいつもうまくいかなくて、
ちっともいい思い出がない。


西加奈子さんの「うつくしい人」という小説。

この小説の舞台はどこだろう?
筆者あとがきでは''ある島''とだけ書かれているけれど、
ネットで知らべると小豆島なのでは?という意見も。

会社をやめ、発作的に旅立った離島のホテル。
青い海が見えるバルコニー付きの部屋。
主人公が窓を開け、コナコーヒーをひく。

私もこんなところに行きたい。
でも実際は、奮発していいホテルをとったって、一人じゃちっとも楽しめやしない。
ご飯も美味しく食べられないし、素晴らしいアメニティも持て余す。
わざわざこんなところ来るんじゃなかった、こんなことにお金使ったってしょうがない。

後悔する自分が目に浮かぶから(実際後悔したいくつかのシーンを思い出すし)、結局どこにも行けないでいる。


本の中には私が行きたい、理想の風景があるのになぁ。
本で楽しむにとどめておくのがいいのか、
それともこの先、現実でしっくりくる場所に出会えるのか。


逃げたい、というわけではなく、
まぁいろいろあるけどもうちょっと、好きに生きてみよう。
私はきっと大丈夫。
いい本を読んだ後みたいに、そういう気持ちが自然に湧き起こる場所に行きたいなぁと思う。

そういう場所を作りたいな、と思う。


ゴールがどこか分からないと、進むべき道が分からなくて、
どこまでも深い暗闇が続いているように思えるから、
自分で決めたゴールに旗を立てて、そこに向かって進んでいくしかない。

このnoteも一つの足跡として、ゆっくり足を進めていく。


心が疲れた時に手を伸ばす本。

私の、好きな本の一つです🤝











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