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#3 暇だからアメリカ横断する―テキサス脱出、Jazzの街へ



はい、こんばんは。

クリスマスはいかがだったでしょうか。
彼女とまったり楽しくすごしたよ!」っていうやつ……。

そのまま孫の顔を見て死んでください

本日の目的地:ニューオーリンズ

今日はサンアントニオを出て、ニューオーリンズへ向かいます。

ニューオーリンズ

やっと大陸半分超えてきました。そして、やっとテキサスを出られます。テキサスの端から端まで走るのに10時間以上かかりました。昔のカウボーイはここを走り回ってたのか……? そりゃ、ワイルドにもなるわな。

ただ、ルイジアナ州のニューオーリンズに向かう前にはヒューストンというアメリカ4番目に人口の多い町が控えています。これは「宇宙兄弟」ファンとしても見過ごすことは出来ない街であります。

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■めちゃくちゃ大都会ヒューストン

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まだ日が上がる前のサンアントニオのDaysInnで簡易的な朝食をとったあと、駐車料金が別であることにしてやられて、20ドルほど単価が上がったのに驚いたのはもう随分前のこと。Downtownの近くでしたし、思ったより綺麗だったので文句はありません。

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(泊まったモーテル。最小レベルの部屋です。これで部屋代$60+駐車場代$20です。シーズンがシーズンなので高かったです。とはいえ二人で泊まれれば一人$30なのでリーズナブルです)

サンアントニオからヒューストンまでは200miles(320km)と比較的近いです。すでに距離感がおかしくなっていることは分かっていますが、日本より曲がりくねっていませんし、制限速度も高い(約120km/時)ぶん、所要時間が少なくて済むので、数字より近く感じます。まぁ、毎日8時間以上運転しているので、それがしんどくないかと言われれば嘘です。でも、楽しいので何とかなっちゃうんですよね。

それは良いとして、ヒューストン!!

NASAの宇宙センターがあることで有名ですよね。
もちろん、行きませんでした

だって、オーランド(フロリダ)で行く予定ですもの。

見比べろよ!!
という非難の声は甘んじて受け入れましょう。でもね、2時間くらいしか時間無かったし、急いで見て回るより良いと判断しました。旅には取捨選択が不可欠ですよね。NASAは切り捨てられました。すまんな、NASAよ

・スルーされるNASA、足を延ばした美術館

その代わりに、The Museum of Fine Arts Houston(美術館)へ行きました。アメリカは素晴らしいですね。都市を代表する観光名所の美術館なのに、入館料が無料!!催事の展示は別途料金がかかりますが、常設展示は無料で覗き放題です。太っ腹ですね。

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僕はいつもこのような美術館の中に、日本の鎧等々が展示されていることに驚きます。NYCのメトロポリタン美術館でもそうでしたし、ミネアポリス美術館でも豪奢な屏風がありましたね。しかも、そこも無料だった気がする。

どうしても日本のものを海外で見ると感慨深くなります。どうしてでしょうか。文化が似ている韓国や中国は、ものによっては見分けがつかないほど酷似しているのに、日本のものだけに関心が寄るのですよね。不思議です。

これが愛国心というものでしょうか。
 
「日本人って凄い!!」というテレビ番組は総じて「何だかうさんくさいなぁ」と感じていたのですが、それでもアメリカの美術館に誰かの作品が展示されていると言うのは、嬉しくなります。僕には全く関係が無いのにね。
ちなみにですが、醤油を生み出した日本人は天才だと思います。ワサビなんてつけちゃう所は最高です。

美術館は結構すっきりしていて、すぐに見て回れました。

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(なんらかの仮面たち、こういう顔を模したものってなんだかまじまじ見たくなる)

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(武器はいつみてもテンション上がります)

美術館って特に美術にも詳しくならないし、何もわかってないんですけど、面白いですよね。無心で見て回れます。あの迷路みたいな構造が良いよね。僕はRPGではマップを全部埋めたいタイプです。ゼルダの伝説とかで顕著だけど、入ったらマップが更新されるタイプのゲームだと、とりあえず部屋に入ってマッピングしながら進めたいです。ぶった切れてる地図見ると気持ち悪くないですか?
全然気にならないという人は、とても効率の良い時間の使い方をしていると思いますので、そのまま突き進んでください。

さて、美術館を十分に堪能したあと、ふらふらと近くの公園へと足を伸ばすとヒューストンさんの銅像が飾られていました。

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このくらいで時間も頃合いが良くなってきたので、Zazaというホテルのレストランで昼食を取ることにしました。
 
すごいです。
ホテルの送迎者の車の頭にバッファロー(?)の骸骨がついていました。さすがテキサス。期待通りのホスピタリティですね。

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レストランは程よく落ち着いていて、でも、雰囲気はリッチで、外から見るとまるでお金持ちの若者が一人で旅行しに来たようなオーラを醸し出せていたに違いありません。それ以上は聞くな。テラス席で食べる昼食は非常に美味でした。

頼んだのはCrispy Buttermilk-Dipped Chicken Breastという料理。サクサクに揚げられた鶏むね肉の下にインゲンとマッシュポテトが敷かれ、甘いバターミルクがたっぷり掛かっています。
「これは体に毒だな」と思いつつも、ナイフとフォークが止まりません。サクッとした衣の感触。後から来るバターミルクの甘味。ほくほくとしたマッシュポテトに、しゃきっとしたインゲン豆の感触。これらが合わさって人を駄目にさせようと企んでいるかのようでした。ウェイターの方が「テキサスの伝統的な料理です。気に入ると思いますよ」と仰っていましたが、その通りでした。

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一人でぺろりと平らげた後、車に戻って15分ほど仮眠を取りました。あぁ、なんて幸せな昼食なのでしょうか……。この二日間は昼食も取らずに走り続けてきたので、ちゃんとしたご飯を食べたのはこれが最初ですね。
 
ヒューストン。
NASAはスルーしましたが、芸術と食事を楽しめる人を駄目にさせそうな都市でした。

――このままここに一泊しようかな

と、邪念が一瞬浮かびましたが、振り切って車を出します。

――何言ってんだ。お前が目指すのはニューオーリンズだろう。しっかりしろ。

自分に言い聞かせます。

その叱咤が正解だと知ったのは、それから8時間もあとのことです。

■Jazzの街 ニューオーリンズは自由だった

今、ニューオーリンズのホステルの一角で真っ暗の中、キーボードを打ち込んでいます。タッチ音が響かないタイプのラップトップで良かったです。

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この歳(28歳)になって初めてホステルと言うものに泊まりましたが、存外快適ですね。このホステルは一つの区切られた部屋に二段ベッドが四つ。計8人が入る造りになっていますが、全然気になりません。

むしろ、下着姿のような女性が部屋の中でくつろいでいるので、ぎょっとしながらも眼福でした。この国の風紀はどうなっているんだ! と日本の風紀委員会は鼻息を荒くして、何故か右手を掲げているでしょう。
「How are you doing?」と一応僕の下のベッドにいるタトゥー入りまくりの(恐らく)ティーンエイジャーに挨拶しましたが、和やかに挨拶を返してくれたので、素直な子なんだと思います。挨拶は大事ね。ピアス一杯でも印象が変わるから。

さて、ヒューストンから六時間ほど掛けて夜7時にたどり着きましたニューオーリンズ。

僕はずっと来たかったんですよ。
何故なら、Jazzの街だから。

いや、ごめんなさい。嘘つきました。

Jazz全然詳しくないです。坂道のアポロンをちょっと見て、Rasmus Faberとか聞いてるくらいで、王道どころは全然知りません。でも、来たかったんですよ。菌(キノコ)が好きになった原因である「もやしもん」という漫画にも出て来て、「絶対、一度は行ってみたい!!」と赴任前から願っていた場所でした。

結果から言いましょう。
「音楽好きのんべぇには最高の街」です。

アメリカという国は基本公共の場での飲酒は禁じられています。日本みたいにワンカップを開けて、ふらふら歩くご老体がいれば一瞬でしょっぴかれます。お酒はお店の中で。それがアメリカの基本です。

でも、ニューオーリンズのフレンチクォーター(という地区)は別。ラスベガスと同じく公共の場での歩き飲みOKです。この時点で既に嬉しいのに、有名な目抜き通りの名前はバーボンストリートですからね。こりゃ、酒好きにを落としに来てるな。と思って僕も気を付けていたんですよ。

ほら、初対面の男を落とそうとする子って基本お金目当てじゃないですか。僕の経験上、やっぱり、男をやたら褒めたり、ボディタッチしたりする子は裏に何か秘められた想いを持っていますから。こちらのストリップで「良い事してあげる」と言われてウキウキしながらVIPルームに行った僕には分かるんです。女の子はずるい。ということが。

何だか物凄く話題がそれた気がします。なんの話でしたっけ。あぁ、吞兵衛の話でしたね。話を戻しますが、こうして大手を振って飲み歩ける場所ってアメリカは少ないんです。車社会なのでどうしても飲みづらいですし、酔いつぶれるのは「大人の恥」という考えですから。
自分の許容範囲を守って飲むのが社会人としてのマナーなので、酔いつぶれて道で寝ているなんて考えられません。断言しますが、アメリカ人の(大人の)飲み方はスマートです。日本みたいに「(大人が大人を)潰すまで飲ませる」と言うのは僕は見たことがありません。学生や友達との飲みは別でしょうけどね。

また、話が逸れた……。
明日は車を全く走らせずにニューオーリンズでもう一泊するのでもう明日でいっか。素晴らしいニューオーリンズのお話をまた楽しみにして下さい。

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本日の走行距離は大体550miles(880km)。昨日は岡山から仙台まで行きましたが、今日で仙台から北海道の小平町まで走りました。3日で鹿児島から宗谷岬の眼と鼻の先まで来たと考えると、凄い走ったなぁ、と思います。

今日は初めて夜のフリーウェイを走りましたが、こんな時は宇多田ヒカルや、Awesome City Club、きのこ帝国とかが似合いますね。流れてきた時、めちゃくちゃテンションが上がりました。くるりとかも良いね。

宇多田ヒカル / Traveling
Awesome City Club / ネオンチェイサー
きのこ帝国 / クロノスタシス
くるり / ワールズエンドスーパーノヴァ

もう1時なのでもう寝ます。

また明日。おやすみなさい。



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