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根掘り・葉掘り・茶堀りー紅茶探訪ー

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現在は主に、シンガポールの紅茶ブランドTWGの紅茶を取り上げています。 10の倍数に当たる回では、スーパーにも卸しているブランドも含めて飲み比べなど、普段とは異なる記事を掲載して…
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#紅茶

今更聞けない!?でも気にはなる!! 紅茶の2煎目って本当にダメなのか検証してみた

今更聞けない!?でも気にはなる!! 紅茶の2煎目って本当にダメなのか検証してみた

1. はじめに

 そもそもは、毎回帰国の度に祖母から紅茶の2煎目を頼まれることが発端だった。個人的には絶対に1煎目が良いと思っているので、祖母には何度も止めた方がいいと伝えたものの、頑として聞いてくれない。ただこの時点で、1煎目と2煎目を同時に比較したことはなかったため、2煎目がおいしくないと思うのは、自分の先入観という可能性は否めなかった。
 ある日親戚で集まった際、1人が急須に1回目のお茶が

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Race Day Tea(レース デー ティー) ―夜道を駆けるスポーツになぞらえた限定紅茶

Race Day Tea(レース デー ティー) ―夜道を駆けるスポーツになぞらえた限定紅茶

 いつの頃からか、紅茶ブランドTWGでは、モータースポーツのF1が開催される時期になると、期間限定の紅茶を発売している。昨年は気付いたら売り切れており、店頭でもオンラインでも入手できなかった。しかし今年は発売開始のメールを受信した翌日にサロンへ赴いたお陰で、無事購入できたのだ。今回はRace Day Teaを紹介する。ちなみに、TWGには通年で販売されている同名の紅茶がもう1つあるが、店員に尋ねた

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Chittagong Hill Tea(チッタゴン ヒル ティー)―紹介したような気がしていた穏やかな紅茶

Chittagong Hill Tea(チッタゴン ヒル ティー)―紹介したような気がしていた穏やかな紅茶

 少し前になるが、今まで記事にした紅茶を1つずつ確認した。その際に母も私も絶対に飲んだという記憶があるのに、記事が見つからないという茶葉がいくつか見つかった。今回のChittagong Hill Teaはその1つだ。いくら検索をかけても見つからなかったので、記事はないはずだが、もしも重複していてもご了承をお願いしたい。

 記憶では素直な香りと味わいの紅茶で、茶葉の形状はアフリカ大陸でよく見る物

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Amber Rose Tea(アンバー ローズ ティー) ―中秋の名月限定の紅茶が登場。

Amber Rose Tea(アンバー ローズ ティー) ―中秋の名月限定の紅茶が登場。

 毎年、紅茶ブランドTWGでは中秋の名月の頃になると、限定のお茶が発売になる。ここ数年はフレーバーが付いた緑茶だったが、今年は紅茶だ。早速買おうと思ったのだが、店員に尋ねたところ「茶葉のみの販売はしておりません」とのこと。どうやら、月餅2つとセットではないと購入できないらしい。
 TWGに限らず月餅のサイズは結構大きいし、値段もそれなりにする。加えて個人的に、月餅をおいしいと感じることは少ない。今

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Mist of Milanje Tea(ミスト オブ ミランジェ ティー) ―モザンビークからやってきた茶葉はミルクと相性抜群

Mist of Milanje Tea(ミスト オブ ミランジェ ティー) ―モザンビークからやってきた茶葉はミルクと相性抜群

 前回に引き続き、アフリカの紅茶を紹介する。今回はモザンビークにある特定の農園でのみ収穫されたMist of Milanje Teaを取り上げる。

 袋を開けると、結構細かい茶葉が顔を覗かせる。穴が大きめの茶こしだと、通り抜けてしまう可能性があるレベルだ。香りは落ち着いており、ミルクティーにすると良さそうに見える。抽出してみてもその印象は変わらず、優しい味わいや香りが広がる。前述の通り細かい茶葉

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Morning Storm Tea(モーニング ストーム ティー) ―朝嵐の名前を持つのに穏やかな矛盾を秘めた紅茶

Morning Storm Tea(モーニング ストーム ティー) ―朝嵐の名前を持つのに穏やかな矛盾を秘めた紅茶

 購入した直後に2024年のダージリンファーストフラッシュが発売となり、紹介が遅れている紅茶がいくつかある。今回はその中から、Morning Storm Teaを紹介する。

 袋を開けると、結構細かい茶葉が顔を出す。よく見ると、粉に近い細かさのものと小さな葉が混在しているようだ。香りは穏やかで、ミルクティーにも合いそうだ。抽出してみると、穏やかな味わいではありつつも、深みも兼ね備えている。飲ん

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Number 6 Tea(ナンバー シックス ティー) ーミルクにも合うフレーバーティー

Number 6 Tea(ナンバー シックス ティー) ーミルクにも合うフレーバーティー

 既に「Number(ナンバー)」が付いたお茶で、紅茶が配合されているものは、全て紹介したと思っていたのだが、先日見返してみると勘違いだったらしい。今回は、Number 6 Tea(を取り上げる。
 
 公式の説明によると、オレンジの花やルバーブの香りと書かれていたが、個人的には袋を開けるとバニラのような香りに思えた。茶葉は茶色で細かくはなく、5mm程度の長さがある。抽出してみても、やはり香りの印

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Honde Valley Tea(ホンデ バレー ティー)

Honde Valley Tea(ホンデ バレー ティー)

 もうかなり前になってしまったが、2024年のダージリンファーストフラッシュが発売されるまでは、TWGから販売されている色々な産地の紅茶を紹介してきた。今回はその流れに戻り、ジンバブエのモザンビークとの国境付近に位置するホンデバレーで収穫された紅茶を取り上げる。
 
 袋を開けると、非常に細かい茶葉が顔を覗かせた。名前に茶葉のサイズを示すアルファベットは付いていないものの、BPやBOPが近いと推測

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Manjhee Valley SFTGFOP1(マンジー バレー エスエフティージーエフオーピー1) ―ダージリンとはご近所さん

Manjhee Valley SFTGFOP1(マンジー バレー エスエフティージーエフオーピー1) ―ダージリンとはご近所さん

 前回紹介したImmortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー)と一緒に、もう1つ関心のあった茶葉を購入した。それが、今回紹介するManjhee Valley SFTGFOP1だ。


 袋を開けてみると、少し茶葉は緑がかった色味で、最近まで飲んでいたダージリンファーストフラッシュを思い出す。春摘みのダージリンほど緑茶を彷彿するものではないものの、爽やかな香りが鼻をくすぐ

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Immortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー) ―不滅の時間は難解過ぎる

Immortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー) ―不滅の時間は難解過ぎる

 前々回でダージリンファーストフラッシュに一区切りを付け、今回は久々に風味を後から付けたフレーバーティーのImmortal Moment Teaを取り上げる。既に家で試したが、正直未だに掴み切れていないので、一緒にその辺りを体感していただけると幸いだ。ちなみに、Immortal Moment Teaを直訳すると「不滅の時間のお茶」という意味になる。

 少し話は遡るが、ダージリンファーストフラッシ

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今年も行ってきました!ダージリンファーストフラッシュのイベント

今年も行ってきました!ダージリンファーストフラッシュのイベント

 以前、日々更新している連載にも少し書いたが、今年も昨年と同様に紅茶ブランドTWGが主催するダージリンファーストフラッシュのイベントに参加してきた。今回は、そのときのことをレポートできればと思う。写真は撮影したものの、私の顔が映り込でしまったものも多く、あまり掲載できない点だけご了承いただければ幸いだ。
 
 今年も、前年と同様に3種の飲み比べとなっていた。ただ、昨年は1つ夏に摘まれたダージリンセ

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Namuring Upper FTGFOP1(ナムリン アッパー エフティージーエフオーピー1)※2024 ―今年は少し大人しめのお気に入り

Namuring Upper FTGFOP1(ナムリン アッパー エフティージーエフオーピー1)※2024 ―今年は少し大人しめのお気に入り

 今まで何回かにわたって、紅茶ブランドTWGから発売されている今年のダージリンファーストフラッシュを紹介してきた。全部を取り上げた訳ではないが、恐らく今回が最後になる。有終の美を飾るのは、ナムリン農園で採られた茶葉のみを使用したNamuring Upper FTGFOP1だ。

 個人的には好きな紅茶で、ダージリンファーストフラッシュを毎年のように飲むようになってからは、欠かさず試している。今年も

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Okayti Excellence SFTGFOP1(オカイティ エクセレンス エスエフティージーエフオーピー1)※2024 ―去年のテイスティングイベントに登場した紅茶

Okayti Excellence SFTGFOP1(オカイティ エクセレンス エスエフティージーエフオーピー1)※2024 ―去年のテイスティングイベントに登場した紅茶

 毎回ダージリンのファーストフラッシュを紹介してばかりで申し訳ないが、今回も引き続き取り上げる。今回は、オカイティ農園の茶葉だ。余談だが、英語の発音はオキャティの方が近い。ちなみに、記事とは直接関係がないが、Okayti Excellence SFTGFOP1は2023年に開催されたTWGのダージリンの会で提供されていた茶葉でもある。

 袋を開けると、大きめの茶葉が顔を出す所は他のダージリンと

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Phuguri FTGFOP1(ピュグリ エフティージーエフオーピー1)※2024年 ーオーナーのお気に入りも今年は控えめ

Phuguri FTGFOP1(ピュグリ エフティージーエフオーピー1)※2024年 ーオーナーのお気に入りも今年は控えめ

 2024年に摘まれたダージリンファーストフラッシュを既に5週に渡って紹介してきたが、今回も同様に取り上げていく。今年の春摘み全てを紹介するつもりではないものの、今日もお付き合いいただけると幸いだ。今回はピュグリ農園で採られたPhuguri FTGFOP1に焦点を当てる。

 袋を開けると、緑色の大きめの茶葉が入っている。爽やかな香りが漂ってくるが、他の茶葉同様、例年と比べて大人しい印象はある。抽

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