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根掘り・葉掘り・茶堀りー紅茶探訪ー

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現在は主に、シンガポールの紅茶ブランドTWGの紅茶を取り上げています。 10の倍数に当たる回では、スーパーにも卸しているブランドも含めて飲み比べなど、普段とは異なる記事を掲載して…
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#紅茶

English Earl Grey(イングリッシュ アールグレイ) ―今更ながらのアールグレイはマイルド

English Earl Grey(イングリッシュ アールグレイ) ―今更ながらのアールグレイはマイルド

 アールグレイは紅茶が本格的に好きになる前から、かなり気に入っており、多くは連載の初期に取り上げた。紅茶が配合されているタイプは全部記事にして久しいと思っていたのだが、先日改めて見返してみると、English Earl Greyが抜けている。どうやら、飲み比べで触れて、そのままになっていたようだ。今回は改めて、商店を当てていく。

 袋を開けると、アールグレイらしい柑橘系の果物の香りが漂ってくる

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Sun Moon Lake Superior(サン ムーン レイク スーペリア) ―日月潭で収穫されるもう1つの高級紅茶

Sun Moon Lake Superior(サン ムーン レイク スーペリア) ―日月潭で収穫されるもう1つの高級紅茶

 結構前にもなるが、台湾で採れた紅茶Sun Moon Lake Imperial(サン ムーン レイク インペリアル)を紹介した。ただ紅茶ブランドTWGは、台湾の日月潭で採れた茶葉は2種ある。今回はもう1つの方である、Sun Moon Lake Superiorを紹介する。
 取り上げるのが遅くなったのは、はっきり言ってかなり高価だからだ。私は少し前にセールで少し安くなった状態で購入できたが、簡単

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Ceylon Leopard Tea(セイロン レオパード ティー) ―秋にこそペアリングが光るスリランカの紅茶

Ceylon Leopard Tea(セイロン レオパード ティー) ―秋にこそペアリングが光るスリランカの紅茶

 かなり初期の頃、紅茶の有名な産地であるスリランカのセイロン島の名前が付いたこの紅茶を試したくて紅茶ブランドTWGの公式ウェブサイトで注文しようとした。しかし、在庫切れだったので、結局そのときは違う茶葉を購入した。それ以後も何度かチェックしたものの、戻ってこない。次第に忘れていき、気づけばかなりの月日が経過していた。
 先日改めてサイトをチェックするとストックができたらしく、なんと注文できるように

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Russian Earl Grey(ロシアン アールグレイ) ―案外紹介していなかったもう1つの燻製風味のアールグレイ

Russian Earl Grey(ロシアン アールグレイ) ―案外紹介していなかったもう1つの燻製風味のアールグレイ

 かなり初期に飲んで紹介したと思っていたが、どうやら複数の紅茶の風味を比較した記事の中で取り上げただけで、単体では記事にしていなかったらしい。今回は、その際に取り上げた茶葉の1つであるRussian Earl Greyを紹介する。

 公式の説明文を見ると、紅茶に白茶を混ぜ合わせているらしい。個人的に白茶単体を楽しんだことがないためこの点に関して言及はできないものの、アールグレイらしい爽やかな柑橘

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今更聞けない!?でも気にはなる!! 紅茶の2煎目って本当にダメなのか検証してみた

今更聞けない!?でも気にはなる!! 紅茶の2煎目って本当にダメなのか検証してみた

1. はじめに

 そもそもは、毎回帰国の度に祖母から紅茶の2煎目を頼まれることが発端だった。個人的には絶対に1煎目が良いと思っているので、祖母には何度も止めた方がいいと伝えたものの、頑として聞いてくれない。ただこの時点で、1煎目と2煎目を同時に比較したことはなかったため、2煎目がおいしくないと思うのは、自分の先入観という可能性は否めなかった。
 ある日親戚で集まった際、1人が急須に1回目のお茶が

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Race Day Tea(レース デー ティー) ―夜道を駆けるスポーツになぞらえた限定紅茶

Race Day Tea(レース デー ティー) ―夜道を駆けるスポーツになぞらえた限定紅茶

 いつの頃からか、紅茶ブランドTWGでは、モータースポーツのF1が開催される時期になると、期間限定の紅茶を発売している。昨年は気付いたら売り切れており、店頭でもオンラインでも入手できなかった。しかし今年は発売開始のメールを受信した翌日にサロンへ赴いたお陰で、無事購入できたのだ。今回はRace Day Teaを紹介する。ちなみに、TWGには通年で販売されている同名の紅茶がもう1つあるが、店員に尋ねた

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Chittagong Hill Tea(チッタゴン ヒル ティー)―紹介したような気がしていた穏やかな紅茶

Chittagong Hill Tea(チッタゴン ヒル ティー)―紹介したような気がしていた穏やかな紅茶

 少し前になるが、今まで記事にした紅茶を1つずつ確認した。その際に母も私も絶対に飲んだという記憶があるのに、記事が見つからないという茶葉がいくつか見つかった。今回のChittagong Hill Teaはその1つだ。いくら検索をかけても見つからなかったので、記事はないはずだが、もしも重複していてもご了承をお願いしたい。

 記憶では素直な香りと味わいの紅茶で、茶葉の形状はアフリカ大陸でよく見る物

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Amber Rose Tea(アンバー ローズ ティー) ―中秋の名月限定の紅茶が登場。

Amber Rose Tea(アンバー ローズ ティー) ―中秋の名月限定の紅茶が登場。

 毎年、紅茶ブランドTWGでは中秋の名月の頃になると、限定のお茶が発売になる。ここ数年はフレーバーが付いた緑茶だったが、今年は紅茶だ。早速買おうと思ったのだが、店員に尋ねたところ「茶葉のみの販売はしておりません」とのこと。どうやら、月餅2つとセットではないと購入できないらしい。
 TWGに限らず月餅のサイズは結構大きいし、値段もそれなりにする。加えて個人的に、月餅をおいしいと感じることは少ない。今

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Mist of Milanje Tea(ミスト オブ ミランジェ ティー) ―モザンビークからやってきた茶葉はミルクと相性抜群

Mist of Milanje Tea(ミスト オブ ミランジェ ティー) ―モザンビークからやってきた茶葉はミルクと相性抜群

 前回に引き続き、アフリカの紅茶を紹介する。今回はモザンビークにある特定の農園でのみ収穫されたMist of Milanje Teaを取り上げる。

 袋を開けると、結構細かい茶葉が顔を覗かせる。穴が大きめの茶こしだと、通り抜けてしまう可能性があるレベルだ。香りは落ち着いており、ミルクティーにすると良さそうに見える。抽出してみてもその印象は変わらず、優しい味わいや香りが広がる。前述の通り細かい茶葉

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Morning Storm Tea(モーニング ストーム ティー) ―朝嵐の名前を持つのに穏やかな矛盾を秘めた紅茶

Morning Storm Tea(モーニング ストーム ティー) ―朝嵐の名前を持つのに穏やかな矛盾を秘めた紅茶

 購入した直後に2024年のダージリンファーストフラッシュが発売となり、紹介が遅れている紅茶がいくつかある。今回はその中から、Morning Storm Teaを紹介する。

 袋を開けると、結構細かい茶葉が顔を出す。よく見ると、粉に近い細かさのものと小さな葉が混在しているようだ。香りは穏やかで、ミルクティーにも合いそうだ。抽出してみると、穏やかな味わいではありつつも、深みも兼ね備えている。飲ん

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Number 6 Tea(ナンバー シックス ティー) ーミルクにも合うフレーバーティー

Number 6 Tea(ナンバー シックス ティー) ーミルクにも合うフレーバーティー

 既に「Number(ナンバー)」が付いたお茶で、紅茶が配合されているものは、全て紹介したと思っていたのだが、先日見返してみると勘違いだったらしい。今回は、Number 6 Tea(を取り上げる。
 
 公式の説明によると、オレンジの花やルバーブの香りと書かれていたが、個人的には袋を開けるとバニラのような香りに思えた。茶葉は茶色で細かくはなく、5mm程度の長さがある。抽出してみても、やはり香りの印

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Honde Valley Tea(ホンデ バレー ティー)

Honde Valley Tea(ホンデ バレー ティー)

 もうかなり前になってしまったが、2024年のダージリンファーストフラッシュが発売されるまでは、TWGから販売されている色々な産地の紅茶を紹介してきた。今回はその流れに戻り、ジンバブエのモザンビークとの国境付近に位置するホンデバレーで収穫された紅茶を取り上げる。
 
 袋を開けると、非常に細かい茶葉が顔を覗かせた。名前に茶葉のサイズを示すアルファベットは付いていないものの、BPやBOPが近いと推測

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Manjhee Valley SFTGFOP1(マンジー バレー エスエフティージーエフオーピー1) ―ダージリンとはご近所さん

Manjhee Valley SFTGFOP1(マンジー バレー エスエフティージーエフオーピー1) ―ダージリンとはご近所さん

 前回紹介したImmortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー)と一緒に、もう1つ関心のあった茶葉を購入した。それが、今回紹介するManjhee Valley SFTGFOP1だ。


 袋を開けてみると、少し茶葉は緑がかった色味で、最近まで飲んでいたダージリンファーストフラッシュを思い出す。春摘みのダージリンほど緑茶を彷彿するものではないものの、爽やかな香りが鼻をくすぐ

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Immortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー) ―不滅の時間は難解過ぎる

Immortal Moment Tea(インモータル モーメント ティー) ―不滅の時間は難解過ぎる

 前々回でダージリンファーストフラッシュに一区切りを付け、今回は久々に風味を後から付けたフレーバーティーのImmortal Moment Teaを取り上げる。既に家で試したが、正直未だに掴み切れていないので、一緒にその辺りを体感していただけると幸いだ。ちなみに、Immortal Moment Teaを直訳すると「不滅の時間のお茶」という意味になる。

 少し話は遡るが、ダージリンファーストフラッシ

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