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根掘り・葉掘り・茶堀りー紅茶探訪ー

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現在は主に、シンガポールの紅茶ブランドTWGの紅茶を取り上げています。 10の倍数に当たる回では、スーパーにも卸しているブランドも含めて飲み比べなど、普段とは異なる記事を掲載して… もっと読む
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記事一覧

Bond Street Tea(ボンド ストリート ティー) ―ロンドンの有名な通りの名が付いた紅茶

Bond Street Tea(ボンド ストリート ティー) ―ロンドンの有名な通りの名が付いた紅茶

 以前、オンラインショップで注文した際に無料で入手したDarjeeling Britannia(ダージリン ブリタニア)を紹介した。今回も、同じ方法で手に入れたBond Street Teaを取り上げる。

 紺色の缶にはイギリスの旗と建物、それに赤い電話ボックスが描かれていて非常にかわいい。蓋を開けると大き目の茶葉が入っており、少し甘い香りが漂ってくる。湯を注いで抽出してみると、先ほどの甘さが

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Oud Night Tea(ウード ナイト ティー)と和解せよ! ~Oud Night Teaにふさわしいマリアージュを考えてみた~

Oud Night Tea(ウード ナイト ティー)と和解せよ! ~Oud Night Teaにふさわしいマリアージュを考えてみた~

1. はじめに
 先日Oud Night Teaを記事で取り上げたが、アジアン雑貨店を彷彿とさせるような香りで癖が非常に強く、あれから続きが飲めないでいた。ただ、ずっと残しておく訳にもいかない。そこで、今回は一体どういった料理ならOud Night Teaが合うのか、検証してみることにした。

 マリアージュを考えるといっても、全く方向性が決まっていなかった訳ではない。少し前に、いろは紅茶紳士さん

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Yalangi Rain Tea(ヤランギ レイン ティー) ー目に浮かぶのはエアーズロック。

Yalangi Rain Tea(ヤランギ レイン ティー) ー目に浮かぶのはエアーズロック。

 最近、飲んで既に紹介していた気がする紅茶をよく取り上げている。今回も、その内の1つであるYalangi Rain Teaを紹介する。ちなみに、産地はオーストラリアだ。

 袋を開けてみると、茶葉が非常に細かい。葉の形状だけでいえば、前々回のAdawatte FBOP1(アダワッテ エフビーオーピー1)に似ている。ただ、それ以上にすっきりとした飲み心地であり、あっさりした味わいだ。
飲み方としては

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Taloon OP(タルーン オーピー) ―インドネシアから来た控えめな紅茶

Taloon OP(タルーン オーピー) ―インドネシアから来た控えめな紅茶

 前回に引き続き、インドネシアの紅茶を紹介する。私が暮らすシンガポールから見て近い地理関係にある国だが、個人的にはあまりよく知らない。そもそも、茶葉が栽培されていることすら、最近までよく知らなかった。前回と今回の記事で、有名なスリランカやインド以外の国にもあることを知ってもらえたら幸いだ。ちなみに今日取り上げる茶葉は、Taloon OP(タルーン オーピー)だ。

 前回の茶葉は粉のように細かい

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Malabar OP(マラバール オーピー) ーインド産ではなくインドネシア産

Malabar OP(マラバール オーピー) ーインド産ではなくインドネシア産

 最近、既に連載で取り上げたと思っていた紅茶を記事にしてきたが、今回は久々に試した覚えのない茶葉だ。インドネシアのMalabar OPを紹介する。ちなみに、Malabar(マラバール)はインドにある海岸の名前だそうだが、この茶葉の産地はインドネシアだそうだ。

 袋を開けると、細かい茶葉が顔を覗かせる。見た目だけで言えば、前回の記事にしたセイロンの、Adawatte FBOP1(アダワッテ エフビ

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Adawatte FBOP1(アダワッテ エフビーオーピー1) ―濃いミルクティーが好きなら1度は試したいウバの紅茶

Adawatte FBOP1(アダワッテ エフビーオーピー1) ―濃いミルクティーが好きなら1度は試したいウバの紅茶

 ここ最近、既に紹介したと思っていたのに、実際は記事にしていなかった紅葉を取り上げている。今回もその1つであるAdawatte FBOP1に焦点を当てる。

 名前にも入っているアダワッテとは、インドのウバにある農園の名前だ。袋を開けてみると、非常に茶葉が細かい。香りとしては、落ち着いた印象だ。抽出して飲んでみると、非常にどっしりとしている。

 飲み方としてはウバという名前から、ある程度想像がで

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Smoky Russian Tea(スモーキー ロシアン) ―実は取り上げていなかった燻製風味の紅茶

Smoky Russian Tea(スモーキー ロシアン) ―実は取り上げていなかった燻製風味の紅茶

 前回に引き続き、既に記事にした気がするのに、まだ紹介していなかった茶葉を取り上げる。今回の紅茶は、かなり初期の第10回のスモーキーフレーバー飲み比べにも登場したSmoky Russian Teaだ。正直なところ、私は本当に書いた錯覚に陥っていたので、読者の中にも同じように感じる方がいらっしゃるかもしれない。しかし、やはり記事になっていないので、改めてどのような紅茶なのか、ご一読いただけると幸いだ

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Breakfast Earl Grey(ブレックファスト アールグレイ) ―イングリッシュブレックファストとアールグレイが中間地点で待ち合わせてみた

Breakfast Earl Grey(ブレックファスト アールグレイ) ―イングリッシュブレックファストとアールグレイが中間地点で待ち合わせてみた

 今までに飲んできた紅茶ブランドTWGの紅茶を見返すと、既に書いたと思っていたら、実は記事にしていなかった茶葉が複数見つかった。信じられなくて何度か確認したものの、やはり見当たらない。今回はその中の1つであるBreakfast Earl Greyを紹介する。

 袋を開けると、茶葉が非常に細かい。後から香り付けをした紅茶ということもあり、名前に茶葉の等級は書かれていないが、BOPが近そうだ。今まで

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Grand Wedding Tea(グランド ウェディング ティー) ―結婚と関係なく試したいパイナップル風味の紅茶

Grand Wedding Tea(グランド ウェディング ティー) ―結婚と関係なく試したいパイナップル風味の紅茶

 紅茶ブランドTWGのティーサロンに行き、店員に「1837 Black Tea(ブラック ティー)以外におすすめのフレーバーティーはありますか?」と尋ねると、おすすめとして提案されるであろう紅茶の1つに、今回取り上げるGrand Wedding Teaがある。この記事を読んでくださっている方の中に、恐らく試したことがある人も居るだろう。
 それにもかかわらず紹介するのが遅くなったのは、名前の影響だ

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Darjeeling Britannia Tea(ダージリン ブリタニア ティー) ―廃盤になったと思われるダージリンのブレンドティー

Darjeeling Britannia Tea(ダージリン ブリタニア ティー) ―廃盤になったと思われるダージリンのブレンドティー

 結構前になるが、紅茶ブランドTWGのオンラインストアで「S$200(約20,000円)以上の購入で、小さなお茶缶をプレゼント!」というキャンペーンが実施されていた。ウェブサイトに掲載されている写真を見るに、まだ試していない紅茶のようだった。そこで、ここぞとばかりにちょっと二の足を踏みたくなる高価な茶葉を買い、その小さなお茶缶を入手した。今回はそうやって入手したDarjeeling Britann

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Oud Night Tea(ウード ナイト ティー) ―名前に滲み出る超個性派紅茶

Oud Night Tea(ウード ナイト ティー) ―名前に滲み出る超個性派紅茶

 結構前になるが、燻製のような香りがするスモーキーフレーバーの紅茶にハマった。既に全部試したはずとは思いながら、紅茶ブランドTWGのウェブサイトで調べると、1つだけ飲んだ覚えのない紅茶がヒットした。それが、今回紹介するOud Night Teaだ。

 袋を開けてみると、確かに少しスモーキーと言えるが、今までとは少し違うようにも感じる。少し違和感を持つも抽出した方が香りは強くなるため、そのまま淹

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ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルって、結局どこまで違うの?? 3つの時期を同じ農園で飲み比べてみた

ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルって、結局どこまで違うの?? 3つの時期を同じ農園で飲み比べてみた

 今まで、ダージリンは色々なものを紹介してきた。ただ、個々に記事で取り上げただけで、3つのシーズンを全て1度に比較したことはない。今回は、改めて試すことで、個々の特性を再確認する。

 TWGで茶葉を探したところ、マーガレッツホープなら3つが揃うと分かった。ダージリンの多くはファーストフラッシュしかないもの、セカンドフラッシュだけのものなので、同じように試したい場合は注意して欲しい。
 また、テ

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Tea 380(ティー 380) ー3種の茶葉が織りなす妙味

Tea 380(ティー 380) ー3種の茶葉が織りなす妙味

 紅茶ブランドTWGのティーサロンで茶葉の量り売りを頼むと、本棚のようにズラリと並んだ棚から、該当の紅茶が入っている缶を取り出してくれる。用意してもらう間暇なので、棚を眺めていると、えらく名前が短いラベルを見つけた。それが、今回のTea 380だ。

 今まで取り上げてきたものの多くは、基本的に誰かからのおすすめや気になった地域で栽培されたものを選択してきたが、今回は違う。一応買う前に公式の本で中

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Marinyn GFBOP1(マリニン ジーエフビーオーピー1) ―ケニアの紅茶はミルクと共に。

Marinyn GFBOP1(マリニン ジーエフビーオーピー1) ―ケニアの紅茶はミルクと共に。

 あまり記事で具体的に言及したことはなかったが、濃いめのミルクティーが好きだ。逆に言うと、牛乳に負ける茶葉ならストレートで楽しみたい。日本の滞在中、ルピシアで購入した期間限定のアッサムのティーバッグがおいしくて、非常に気に入っていた。ダージリンのような紅茶ももちろん良いが、やはり濃厚なミルクティーにしかない楽しみもある。
 そういった経緯が理由という訳ではないが、今回は紅茶ブランドTWGが牛乳を入

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