篠崎

本が好きです。綺麗な文字の溢れる世界で生きていきたい。読書日記。 ※日記の中で読んだ…

篠崎

本が好きです。綺麗な文字の溢れる世界で生きていきたい。読書日記。 ※日記の中で読んだ本の内容に触れることがあります。

最近の記事

読めども読めども飢える【読書日記】

4月1日(Monday) 4月が始まった。エイプリルフールだけど、この日の楽しみ方がアプリゲームのイベントくらいしかよく分からないなって毎年思っている気がする。 ちまちま読んでいたSFマガジンを読み終わった。特に面白かったのは榎田尤利『聖域』と尾上与一『テセウスを殺す』。すごく好んでそればかりを読むというわけではないのだけど、時折ふとBL作品を読みたくなるときがある。ただ、ジェンダー的な問題に大きく重点を置くものよりも、自由な恋愛の形として異性愛も同性愛も受け入れられてい

    • 自由になるためにさらけ出す【読書日記】

      3月25日(Monday) ペク・セヒ『死にたいけどトッポギは食べたい』(訳:山口ミル)を読み終える。気分変調性障害の女性の医師とのカウンセリングの様子を文字に起こしたもの。話題になっていたころにタイトルに惹かれはしたものの読んでいなかった。 読みながら彼女の生きにくさをひしひしと感じ、それが医師との会話によって少しずつ言語化、そして自己分析されていく姿にさらけ出すことの許しみたいなものを感じた。 私自身はここまで生きることを容易いとは思っていないけど、膝を付いて動けな

      • 働いて、悩んで、読む。【読書日記】

        3月18日(Monday) 明後日の春分の日に出勤の夫が代休で家にいる。嬉しいので少し遠くまで買い物にいくことにした。 昨日から無性にスシローに行きたくて仕方がなかったので食べる。我が家はもっぱらかっぱ寿司ばかりに行くのだけど、たまに他のお寿司屋さんに行くといつもと違ってまた楽しい。えんがわが美味しかった。 そのまま買い物をして帰宅。帰ってきてから米澤穂信『追想五断章』を読み終えた。父が書いたという五つの小説。それを探していくうちに知ることになる家族の物語。現在の物語と父

        • 音楽を聴きながら本が読めないので【読書日記】

          3月11日(Monday) 円城塔『Self-Reference ENGINE』を読み終えた。分かったと言い切れるほど理解は出来ていないけど、分からないものが分からないまま繋がって物語となっていく感じがとても楽しかった。 様々な宇宙の彼女/彼ら。宇宙と宇宙の大戦争。私たちを構成物のひとつとする生物。とにかく様々な宇宙が重なり合って物語は複雑で難解で、その間を引きずり回される。だけど、その物語を挟んでいるのは、かつてこめかみに弾丸が埋まっていた発砲狂の少女リタと、かつて弾丸

        読めども読めども飢える【読書日記】

          手を繋いだままでは自由になれない【読書日記】

          3月4日(Monday) 昨夜のおでんの残りを朝ご飯にする。練り物ばかり食べて少し気分が悪くなった。 昨夜、桜庭一樹『私の男』を読み終えた。やっぱり、どうしようもなく好きだと思ってしまう。 「私の」という所有格。所有するということは、同時に所有されることでもあるのだ。手を繋いでいる時は繋がれてもいて、そのままでは自由に生きられない。 父と娘。近親相姦を美化するのではなく、そこにはやはり嫌悪と生々しいグロテスクさがあって、もっと真っ当な他の道があったのではないかと思わない

          手を繋いだままでは自由になれない【読書日記】

          愛も憎しみも知ってしまった【読書日記】

          2月26日(Monday) 高里椎奈『うちの執事に願ったならば5』を読了。「理想」という言葉を考えさせられる。 ヴァズのセリフなのだけど、その通りだと思うし、その難しさもよく分かる。理想の自分を持つことは大事だけど、それをまわりの環境、人にまで求めるのは違う。だからといって、理想の自分になれば必ずしもまわりがついてくるわけでもない。 同じことを「期待」に対しても思う。スポーツなどの場面でよく耳にする「期待に応えられなくて申し訳ない」という言葉を聞くたびに、誰に対して謝っ

          愛も憎しみも知ってしまった【読書日記】

          2月に読んだ本

          2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:19冊 読んだページ数:5867ページ ■戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫) 読了日:02月29日 著者:斎藤 環 https://bookmeter.com/books/516842 ■うちの執事に願ったならば 5 (角川文庫) 読了日:02月27日 著者:高里 椎奈 https://bookmeter.com/books/13005692 ■嵐が丘 (新潮文庫) 読了日:02月27日 著者:エミリー・ブロンテ https

          2月に読んだ本

          好きな人の隣で今日も別の世界を見ている【読書日記】

          2月19日(Monday) 昨夜、少し読み始めようかなと思って開いた万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』の読み心地がよくて、結局そのまま読み切ってしまった。 夫である老犬の言葉が分かるアカトラ猫のマドレーヌ夫人。なんて素敵な夫婦だろう。そして、かのこちゃんとすずちゃんの友情。ふんけーの友である二人の友情と「ござる」口調には思わず笑ってしまいながら温かな気持ちになった。だけど、年老いた愛犬の残された時間と両親の庇護下でなければ生きていけない子供の運命は薄々と予期できてし

          好きな人の隣で今日も別の世界を見ている【読書日記】

          いつか悲しみになる喜びだと知っている【読書日記】

          2月12日(Monday) 夫の誕生日。前日から明日は誕生日だね!!と言いまくっていたのに朝一で祝うのを忘れた。一緒に朝ごはんを食べ終わってから思い出して慌てて全力で祝う。 特に特別なことはしなくていいと言われていたので普通に過ごしたけれど、夕ご飯は夫の好きな手巻き寿司にした。たいした具材ではないのだけど特別感があって好き。 1日ふたりでぐだぐだと過ごし、一緒にゲームもする。夫はハリーポッターを映画も原作も観ている人なので色々と教わりつつホグワーツ内を走り回る。キャラク

          いつか悲しみになる喜びだと知っている【読書日記】

          夢の話ばかりしている【読書日記】

          2月5日(Monday) 朝、夫が高校野球で158-10で負ける夢を見たと言う。バスケかな。オーバーキルにも程があるなと笑う。5回の表で150点取られたらしい。 昼頃から雪が降り始める。降ってきたなぁ、と思っていたら、あっという間に辺り一面が白銀に染め上げられる。積もるのが早かったからか道路の除雪が間に合っておらず運転が怖かった。どの車もゆるゆると走っていく。 中田永一『吉祥寺の朝比奈くん』を読み終えた。乙一作品はいくつか読んでいるけど、中田永一作品は初めて。収録されて

          夢の話ばかりしている【読書日記】

          変化を許す【読書日記】

          1月29日(Monday) 新しい仕事の準備などを進めつつ、東雅夫編『ゴシック文学入門』を読み終わった。自分がゴシックな世界が好きだと自覚したのはわりと最近で、『オトラント城奇譚』はじめ『フランケンシュタイン』も『吸血鬼』も未読たったりする。なので「ゴシック文学好きです!」とはとてもじゃないけど胸を張っては言えない。だけど、城館、ゴースト、魔女……それらが作り出すオドロオドロとした世界にはどしようもない期待と夢を抱いてしまう。だから結局、好きなジャンルを一言でと思うとゴシッ

          変化を許す【読書日記】

          1月に読んだ本

          2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:25冊 読んだページ数:7096ページ ■アラジンと魔法のお買物 (ダ・ヴィンチブックス) 読了日:01月02日 著者:嶽本野ばら https://bookmeter.com/books/8794 ■麦の海に沈む果実 (講談社文庫) 読了日:01月04日 著者:恩田 陸 https://bookmeter.com/books/576991 ■あしながおじさん (新潮文庫) 読了日:01月06日 著者:ジーン ウェブスター ht

          1月に読んだ本

          夢の中に閉じ込められた冬眠者の夢をみる【読書日記】

          1月22日(Monday) 呼吸器内科の受診日。比較的落ち着いた日も多いけど、月に数日は一日中息苦しい話をする。そうした発作が出るのはあまり良くなく、今より薬の量を増やすか別の薬に変えることも検討した方がいいということになった。とりあえず2ヶ月分は今の薬で様子を見つつ、発作時のための吸入薬を貰う。これで落ち着いてきたら量を減らしたり、薬を止めることも出来るようになるかもしれないと言われながら、もう半年の付き合いになる呼吸苦にしょんぼりする。 待合室で読んだのは、東雅夫編『

          夢の中に閉じ込められた冬眠者の夢をみる【読書日記】

          息継ぎの瞬間に「おかえり」と迎えて欲しい【読書日記】

          1月15日(Monday) 今日は一日出かける予定がないのでひたすら家で好きに過ごす日とする。まとめてやってしまいたかった掃除を済ませて読書の時間。 まずは有栖川有栖『ミステリ国の人々』を読み終えてしまう。ミステリに疎い私には本当に一部の人物たちしか名前は知らなかったのだけど、最近うずうずと私の中に蠢き始めたミステリへの欲求が膨らんでいく。あと「ミステリ国」という響きがとてもいい。謎めいた予感。 そのままの勢いでエラリー・クイーン『ローマ帽子の秘密』を読み始める。エラリー

          息継ぎの瞬間に「おかえり」と迎えて欲しい【読書日記】

          青い世界と白銀の景色【読書日記】

          1月8日(Monday) 夫の冬休み最終日。もう働き方を忘れたという夫と一緒にユニクロへ出かけ、帰りに少し離れた激安スーパーで買い物をした。もっと近所にあればいいんだけどなぁ。 今読んでいるのは、皆川博子『彗星図書館』、市川拓司『こんなにも優しい、世界の終わりかた』。ふと読みたくなった宮沢賢治『チュウリップの幻術』と江戸川乱歩『何者』も読んだ。最近またウズウズと乱歩ブームが来ている。 最近読んだ本の中で久しぶりに、私には合わなかったな、と思った本があった。それをきっかけ

          青い世界と白銀の景色【読書日記】

          12月に読んだ本

          2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:22冊 読んだページ数:5187ページ ■クローディアの秘密 (岩波少年文庫 50) 読了日:12月01日 著者:E.L.カニグズバーグ https://bookmeter.com/books/552726 ■ここじゃない世界に行きたかった 読了日:12月03日 著者:塩谷 舞 https://bookmeter.com/books/17493991 ■作家の収支 (幻冬舎新書) 読了日:12月04日 著者:森 博嗣 htt

          12月に読んだ本