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未婚の人の幼さと「発達障害」

 最近、特定のインフルエンサーさんが音声配信で、「未婚の人に情緒的な幼さ」を感じるといった発信をしていました。
 補足で「全員がそういう訳でない」とも言っていましたが、過去に発達障害の幼さについて記事を書いたこともあり、改めて未婚の人の幼さと発達障害について考えてみます。

 発達障害の人はなぜ脳内の世界が幼いのか、年齢にそぐわないのかというと、まず1つは感覚が違うんです。
受け取る感覚が違います。
 感覚過敏と言ったりしますけれど、大多数の定型の人に比べて、すごく繊細だったり、違う受け取り方をするんです。
 それがその人の個性だったり、世界観だったりするんですが、記憶と配線が違うので結果的にマジョリティの人から見ると変わっている、幼い、みたいな見え方をするようです。

 あともう一個は、記憶していく知識の整理の仕方が下手なんです。
具体的なものは覚えておけるんだけれども、具体的なものを合わせて抽象的な概念にしていく、応用させるようなものに変えていくというのは苦手なんです。
 写真を見た通りに覚えたりするのは得意なんだけれども、それをまとめて応用したり、自分から作って作文にしてみるような能力は苦手だったりするみたいです。
これを「中枢結合能力の欠如」と言ったりするんです。
 脳内に個々にある記憶をまとめて一個にして他のことを忘れる、ということができず、常に具体的な情報を覚えているという感じです。
 整理ができてないというか、まとめられてないという感じです。

 あとは他者視点が苦手です。
別の角度から物事を見る、他のアプローチから見ていくということが苦手だったりします。
 そういう点で、今までの経験をそのまま活かしきれない。
 それを応用していくということができない。
 だから、いい意味でも諦められないというか、世の中こんなもんだよね、みたいになっていかない、成熟していかないということになります、そのまま覚えているだけだから、物知りな子どもになっちゃうというだけです。

失敗しても経験から学ぶというのがとても苦手で、白黒思考になりやすいんです。
こういうことで失敗した、じゃあ次からもうやめよう。
 人に親切にしてもいいことはないから、もう親切にするのやめる。
 極端になりやすいというか、パターンが少ないんです。
 今回はこういうパターンなんだけれども、そうでない時もあるな、この人にはこうしたらいいけど他の人にはこう言ったらいいな、というのが苦手です。

 YouTubeで発信されている精神科医の益田先生の考察を引用しました。
 自分自身も共感できる点があり、未婚者の幼さがどのように見えるのか改めて考えました。

 ASDを抱えている場合、人との関わりの面で幼いと指摘されることがあります。以下に、幼いと判断される可能性のある関わり方の一般的な特徴をいくつか挙げてみました。

  • 社会的なコミュニケーションの困難
     ASDは、社会的な相互作用やコミュニケーションにおいて困難を抱えることが特徴です。幼いと判断される要因として、他人との適切な会話や相手の感情や意図を理解しにくい、適切な非言語的なサインやボディランゲージに敏感でない、相手の視点や立場を理解しにくいなどがあります。

  • 社会的な規範への適応の困難
     幼いと判断される要因として、社会的な行動や規範への適応が遅れることがあります。他人との適切な距離や身体的接触の制御、適切なマナーや礼儀を守ることに困難を抱えることがあります。

  • 対人関係の発達の遅れ
     幼いと判断される要因として、友情や恋愛関係の発達が遅れることがあります。他人との深い絆を形成することや、相手の感情やニーズに適切に対応することに困難を抱えることがあります。

  • 共感や思いやりの表現の難しさ
     幼いと判断される要因として、他人の感情や状況に対して適切な共感や思いやりの表現が難しいことがあります。相手の立場や感情に対して適切な反応やサポートが難しい場合があります。


 恋愛や結婚は、個別の関係性に特化したもので、お互いの個別の特性や経験に基づいているとされています。さらに個人の魅力、共通の興味や価値観、相互の支えや理解などが関係しています。
 そしてスケールの違いがあり、より個人的で密接な関係であり、その範囲や影響は限定されています。
 そのため結婚や恋愛は特定の人との親密な人間関係の結果であると考えられ、その関係性に相応しいコミュニケーションや相互作用が重要な要素になってきます。
 親密で良好な関係を築くためには、以下のようなスキルや能力が役立つことがあるとアドバイスをもらいました。

  1. コミュニケーション能力
    相手との良好なコミュニケーションを築くためには、適切な言葉や態度で意思を伝える能力が必要です。思いやりや共感を持ちながら、相手の意見や感情に対しても理解を示すことが大切です。

  2. 自己認識と自己成長
    自分自身を理解し、自己成長を促すことで、自信や魅力を高めることができます。自己認識を深め、自分の価値観やニーズを明確にすることで、良い関係を築きやすくなるでしょう。

  3. エンパシーと共感
    相手の感情や立場を理解し、共感することができる能力は、信頼や絆を築く上で重要です。相手の気持ちに寄り添い、思いやりを持って接することが求められます。

  4. 自己管理とバランス
    自己管理能力は、感情や行動を適切に制御し、バランスを保つことができる能力です。恋愛においては、自分自身の感情や欲求に気づき、適切な行動をとることが重要です。

 これらのスキルや能力は、学ぶことや磨くことができます。恋愛においてスムーズにいくかどうかは、個人の経験や状況にも依存しますが、自己成長や努力によって、良い関係を築くためのスキルを向上させることは可能です。

 ここまでお読みになって気づいたかもしれませんが、発達障害を抱えている場合、先天的な脳機能による情緒的な交流の苦手さ、セルフモニタリングの困難さにより、コミュニケーションや相互作用を円滑に学び習得することが難しくなる場合があります。 
 それはトレーニングによって改善は可能でしょうが、定型発達者と比べると負担感が大きく、得られる学びにも差が生じるのではないでしょうか。

 とあるインフルエンサーさんは、観察された事項からその人から感じる文脈の幼さを読み取ったようですが、知識があれば「発達障害の疑い」も視野に入れると、より人に対する理解が広がるかもしれないと考えました。

 これまでは、「幼い」は自己責任の問題に帰結されがちでしたが、「発達障害」という脳機能、生物学的な問題といったサイエンスの要素が入ってきたことが、個人的には面白く興味深いです。
 「幼い」という悪意が含まれた言葉に対し、「生物学的な要素や障害」という発達障害の文脈を持って返答するのも一興ではないでしょうか。

 多少、個人の思いが入りましたが、「未婚の人の幼さと発達障害」について考えてみました。ここまでお読みいただきありがとうございます。

【参考資料】


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