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デンマークの奨学金事情🇩🇰

先日の授業はデンマークとドイツの教育システムを比較するという内容だったのですが、奨学金の話になった際に驚くポイントが沢山あったので、共有したいと思います。

日本の奨学金のシステムと比較するとヨーロッパの学生はすごく恵まれた環境で勉強に集中できるのは羨ましいですが、それなりに問題点もあるようです(問題点と言っても日本人からすればすごく贅沢に聞こえるかも?)

今回は先生とドイツ人の留学生が言っていたことをささっとメモしたものを紹介したいと思います。全部を正確に聞き取ることは難しかったのですが、全体の概要が少しでも伝わると嬉しいです。

ドイツの教育システムはデンマークをモデルにしている部分もあるらしく、どちらの国でも共通点は多い。
基本的にデンマークもドイツも私大に行かない限り日本のような莫大な学費を払う必要はない(国立大学でも十分な教育と施設が整っているためわざわざ倍のお金を払って私大に行く人の人数は少ないらしい)

デンマークの大学生の65%は大学進学のために家を出るらしく、自立と自己決定が重視されているため(人にもよるが私のデンマーク人の友人の弟は28歳で実家暮らしという理由で家族に煙たがられているらしい(笑))


デンマークの学生はSU(Statens Uddannelsesstøtte)という奨学金のようなものをもらっている。

SUの特徴としては
・受け取る条件は日本のように親の年収や所得は関係ない(ほぼ全員が受給することが可能)

・デンマークの大学生は月に820€(約10万)をもらっていて返済不要。

・5年間継続してもらい続けることができる

・デンマークの85%の学生がこの制度を利用している

一方でドイツの奨学金のBAföGについて。
BAföGの特徴として
•その半分の額を返済する必要があるが、利子はつかない。

•もらうにはいくつかの条件があり、両親の収入や家庭状況、受給者に配偶者がいる場合はそれと合わせた自分の収入によって給付額が決まる

•ドイツの学生の20%しかBAföGをもらっていない(ドイツ人の生徒が言っていたがどこからの情報かはわからなかったので正確ではないかも)

•“too poor to study, too rich for BAföG ”という言葉がある。この意味は学生としては厳しい状況だが奨学金をもらうにはその条件額を超えているので、奨学金をもらうにはリッチすぎたという表現まであるそう。

ドイツの奨学金制度は日本のものと少し似ているように感じますが、学生の負担は日本よりは断然少ないと感じました。
次にデンマークとドイツの奨学金に対しての国民からの批判的意見を紹介します。
 
デンマークの奨学金に対しての批判的意見
•学位取得のための勉強を長引かせることで奨学金をもらおうとする人がいる高い学費を払わずに大学に行けることが普通になってしまい勉強に集中せず遊んでいる人がいるのも事実
•奨学金が税金でまかなわれている→税金の無駄遣いだと思っている人もいる
•外国籍の人の奨学金へのアクセスが困難
 
ドイツの奨学金に対しての批判的意見
•親に頼る必要がある
•親の年収によってもらえる額が左右される
•機会の不平等
•複雑な手続き

 
日本では奨学金をもらうことのできる人は限られていますが、デンマークでは勉強をするのにお金がもらえるというなんとも羨ましいシステムがあります。しかし今回の授業でその中にも問題はあることがわかり、いい一面だけではないことを知りました。

ドイツ人の子は今選挙があっているのでその選挙で奨学金のルールの改正を期待していると言っていました。

日本でも今後奨学金の在り方や制度が改正され、学生の負担が少ない状況で大学生活をおくれることを期待するばかりです。

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