スキエンティア工房

小中学生対象の進学塾で理数系の教科中心に担当しています。職場の通信に30年ほど連載して…

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小中学生対象の進学塾で理数系の教科中心に担当しています。職場の通信に30年ほど連載してきたものなどをあげています。ブックレビューはブクログに同じ名前で。https://booklog.jp/users/takeshishimizu?s=09 1965年生

最近の記事

新・夢十夜(四)

一 甥の涙  僕と妻は父の前にいる。父曰く、「お前の友人や甥っ子たちに次のようなことを言った。この子はその妻が亡くなると追いかけるようにすぐ死ぬだろう。すると、甥の一人がポロポロと涙を流していた。」僕も涙ぐんでいる。 二 蕎麦と子育て  社員旅行なのに親友Sが隣の部屋に泊まっている。2日目は自由解散なので、Sに「どこか行きたいところはないか」と尋ねる。すると「蕎麦を食べたい」と言う。僕は美味しい蕎麦屋を知らない。しかし、ちゃんと調べていたようだ。Sは新幹線で昼過ぎには帰ら

    • 新・夢十夜(三)

      一 フラフープのような消しゴム  女子生徒が手のひら大の消しゴムを腰の周りで回している。どうしてそんなことができるのか。僕もその消しゴムを借りてやってみる。消しゴムは重力に従ってすぐに落下する。こんなもの回るわけがない。フラフープじゃあるまいし。女子生徒にどうしてそんなことができるのかたずねる。生徒は答えてくれる。ゴニョゴニョゴニョ。 二 ミスター・ワイントラヴ  ミスター・ワイントラヴが2本の棒とロープをうまく操って大きな円柱形の物体を回している。それが飛んで僕のところ

      • 新・夢十夜(二)

        一 哲学カフェ  僕は何かの研究会に参加している。まだ、お話前でだらだら雑談をしている。僕は持参したおにぎりを食べたりしている。そこへ女性2人組がやって来る。前にも会って少し話したことがある。1人は気の強い女性、もう1人はおっとりした感じで、目がくりっとしている。僕はそのおっとりしている方の女性に好意を持っている。信州でキャンプをしながら哲学カフェをするというような会があるとチラシに出ている。それを見ながら女性2人は話をしている。僕はぼそぼそと低い声でその内容についてたずね

        • シミセンの幸福論―――僕にとっての小確幸  

          1 小確幸ってなんのこと  まず、小確幸の説明から始めましょう。これは、作家村上春樹の造語です。たぶん。「小さいけれど確かな幸せ」と、とても分かりやすいことばだと思いませんか。これからしばらく、このことばから思い浮かべる幸せって何だろうと考えてみようと思います。  幸せの形というのは人によってずいぶんと違います。たとえば、自動販売機に100円玉が残っているのを見つけてラッキーと思う人もいれば、株式市場で100万円の利益を得ても何とも思わない人もいるのではないでしょうか。人間

        新・夢十夜(四)

          新・夢十夜(一)

          一 もう落ちてもいい  高校の同窓会か。2次会でカラオケに行こうということになった。部屋に入ってみると2人の先生がギターを持って何やら古いフォークソングを歌っている。好きだった女性がこちらに来たからついてきたのだが、その女性も含め何人かはもう一つ別の部屋に移って行った。でも僕はまあここでいいかと思って一緒に歌ったりしている。トイレに行こうとして外に出ると、テニスコートに人だかりができている。上の方から眺めていると、顧問のK先生と生徒が打ち合っている。僕はそれをかなり高いとこ

          六花寮同窓会から村上春樹ライブラリー

          出発前 僕が学生時代4年間を過ごした六花寮の同窓会があった。5年前の100周年には参加できなかった。今回の幹事は1年先輩のMiyさんとHさんだった。これは参加しないわけにはいかないと思って、友人のSに声をかけ、いっしょに参加することにした。土曜日の午後、僕は事前に有給休暇がもらえるように、代わりの先生に声をかけていたが、その方が2日前にコロナに感染したとのこと。一瞬あせってしまったが、他の校舎の方にも声をかけてもらい、なんとか担当する方が見つかって、安心してお休みをいただい

          六花寮同窓会から村上春樹ライブラリー

          奈良本屋めぐり

           昨年9月に近鉄奈良駅の南側を、一昨日には北側を歩いて回ったので、その記録をここに記しておく。 昨年南側 ふうせんかずら  まずは昨年の南側から。そもそも、ならまちにできた「ふうせんかずら」という無人のシェア型書店がお目当てであった。オープン当初メンバー登録だけして長く訪れていなかった。昨年、9月に重い腰を上げてたずねてみた。ところが、入手していたIDはもう使えなくなっており、その場でまた登録し直して店内に入った。人は誰もいない。1つ1つの棚をじっくり見て回って、志賀直

          続・夢十夜(十)

          一 ミキモト  妻とミキモトにいる。大きなお店で、中をゆっくり見て回っている。大きなガラスケースの中をのぞいているとガラスがガタガタとゆれ出す。誰かがゆすっているのか。地震ではないようだが。僕は妻に「脱水機が回っているみたいやな」と話しかける。横にいた若いカップルがくすくす笑っている。そのとき妻の顔を見ると急に老けてヘアスタイルも変わっている。もうきれいではなくなっているのだ。妻はくすくす笑っている。次第にこれは別人ではないかと思い出す。そのとき、向こうから年配の男性といつ

          続・夢十夜(九)

          一 ワクチン入りハンバーグ  インフルエンザのワクチンを打っておくように言われている。僕は家族とファミレスのようなところに来ている。前の掲示板には、本日のスペシャルメニューとして、インフルエンザワクチン入りのハンバーグがあると書かれている。口から入れて効果はあるのだろうかと思いながらも、まあこれでいいかと思って中に入り行列に並ぶ。かなりの混雑ぶりだ。ワクチンがあるからだろうか。前にいた5人くらいの子どもたちが、店員に声をかけられている。前に出ていくと調理場に入り、どうやら皿

          京都鈍考を訪れて

          初、鈍考  初めての体験でいろいろな思いがあったので記録しておく。半年ほど前から、いつか行ってみたいと思っていた。それが鈍考。京都の上高野にある私設図書室である。ブックディレクターの幅允孝さん選りすぐりの3000冊ほどがあるという。テレビでは箱根本箱(こちらもいつか行ってみたい)から本の紹介をされていた。さて、どんなラインアップなのか。まずは、ホームページから引用してみよう。 「鈍考donkou」の想い  時間の流れの遅い場所をつくりたい。そのために設計された私設図書室と

          続・夢十夜(八)

          一 オッパイ  女性ばかりの部屋にいる。妻もいる。きっと男が一人いると着替えとかもしづらいだろうなあと思う。あにはからんや、みんな自由に化粧や着替えをしだす。胸が見えたりもする。僕は目のやり場に困ってしまい、うつむく。妻が外に出ていく。一人の女性が僕に向かってオッパイをなめてほしいと胸を出して近づいてくる。「いやいや」と言いながら僕は乳首を口に含む。妻がいつ戻って来るかとひやひやしている。 二 射的場  大きな高校のようである。屋上から外階段に出る。広くて長い階段が続く。

          子育て、教育について考えたこと

          私の子育てについていま思うこと  ここでは,内田樹先生の子育て論をご紹介します。私自身の子育てについては「シミセンの子育て入門」で紹介させていただきました。そのときは、我が家の子どもたちが大学に入学したところまでのお話でした。いまは2人とも就職し、やっと経済的にも自立してくれるようになりました。もっとも、娘は同居しており、いままでと生活は変わりませんが。このあとは、結婚、出産(私にとっては孫)と人生の大イベントが続くのかどうかはわかりません。我が家の近所には同世代の家族が多

          子育て、教育について考えたこと

          続・夢十夜(七)

          一 娘の男友達  妻の実家にいる。庭に出ようとすると手作りの小さな草履がある。はいてみたら簡単にばらばらになってしまった。僕は近くにある茎などを集めて同じようなものを作ろうとする。結局集めるだけ集めて新聞広告でくるんで棚においた。表玄関が騒がしい。どうやら娘が引っ越しをしてきたようだ。大きな荷物を運びこんでいる。男友達が複数人手伝ってくれている。僕も手伝おうと出ていく。男友達にねぎらいのことばをかける。台所では大鍋にカレーができていて、それをみんなにふるまう準備をしている。

          続・夢十夜(六)

          一 母と社員旅行   僕たちは社員旅行に行くことになっている。母は新入社員だ。今日現地集合になっている。広島のようだ。僕はどこに何時に集合するのかも知らない。母も念のため会場に電話して聞いている。イベント会社か何かが仕切っているのだろう。どうやら新入社員だけ早く集合のようだ。僕は自分が何時に着けば良いのかが分からないので電話してみる。母に電話番号を聞くがなかなかパッとは出てこない。この段階でちょっとイラッとしている。電話をしても、なかなか出ない。きっと問い合わせが殺到して

          続・夢十夜(六)

          シミセンが選ぶ小中学生に読んでほしい中高生向けではない新書10冊

           世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあります。私がここ数年で読んだ新書の中で、がんばれば小中学生でも読めそうなものを紹介していきます。若干理系が多めになりますが、国語の説明文対策にもなるかもしれません。興味が向いたものがあればぜひ手に取ってみてください。それぞれ最初に、私が読後すぐに感想を書いたもののはじめの部分を載せておきます。いやあ、本当におもしろい。おもしろいと、つい人に話したくなるのですよね。そんな気持ちに皆さんにもなってもらえるとうれしいです。それではどうぞ。

          シミセンが選ぶ小中学生に読んでほしい中高生向けではない新書10冊

          中村恭子「風景の肉体」を見て

           久しぶりに絵画を見て衝撃を受けたので感想を記しておく。(フランシス・ベーコン以来ではないか。と思って、ちょっと調べてみたら、京都で展覧会があったのはなんと40年前ではないか。高校生だったのか。)     郡司ペギオ幸夫さんの本(「創造性はどこからやってくるか」)を読んだ。その中で、中村恭子さんの仕事が取り上げられていた。「書割少女」と呼ばれる作品群を写真で見て、これは絶対直接見てみたいと思った。そして、今月、新しくできた大阪大学中之島芸術センターで作品展があるということで、

          中村恭子「風景の肉体」を見て