スキエンティア工房

小中学生対象の進学塾で理数系の教科中心に担当しています。職場の通信に30年ほど連載して…

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小中学生対象の進学塾で理数系の教科中心に担当しています。職場の通信に30年ほど連載してきたものなどをあげています。ブックレビューはブクログに同じ名前で。https://booklog.jp/users/takeshishimizu?s=09 1965年生

最近の記事

続・夢十夜(十)

一 ミキモト  妻とミキモトにいる。大きなお店で、中をゆっくり見て回っている。大きなガラスケースの中をのぞいているとガラスがガタガタとゆれ出す。誰かがゆすっているのか。地震ではないようだが。僕は妻に「脱水機が回っているみたいやな」と話しかける。横にいた若いカップルがくすくす笑っている。そのとき妻の顔を見ると急に老けてヘアスタイルも変わっている。もうきれいではなくなっているのだ。妻はくすくす笑っている。次第にこれは別人ではないかと思い出す。そのとき、向こうから年配の男性といつ

    • 続・夢十夜(九)

      一 ワクチン入りハンバーグ  インフルエンザのワクチンを打っておくように言われている。僕は家族とファミレスのようなところに来ている。前の掲示板には、本日のスペシャルメニューとして、インフルエンザワクチン入りのハンバーグがあると書かれている。口から入れて効果はあるのだろうかと思いながらも、まあこれでいいかと思って中に入り行列に並ぶ。かなりの混雑ぶりだ。ワクチンがあるからだろうか。前にいた5人くらいの子どもたちが、店員に声をかけられている。前に出ていくと調理場に入り、どうやら皿

      • 京都鈍考を訪れて

        初、鈍考  初めての体験でいろいろな思いがあったので記録しておく。半年ほど前から、いつか行ってみたいと思っていた。それが鈍考。京都の上高野にある私設図書室である。ブックディレクターの幅允孝さん選りすぐりの3000冊ほどがあるという。テレビでは箱根本箱(こちらもいつか行ってみたい)から本の紹介をされていた。さて、どんなラインアップなのか。まずは、ホームページから引用してみよう。 「鈍考donkou」の想い  時間の流れの遅い場所をつくりたい。そのために設計された私設図書室と

        • 続・夢十夜(八)

          一 オッパイ  女性ばかりの部屋にいる。妻もいる。きっと男が一人いると着替えとかもしづらいだろうなあと思う。あにはからんや、みんな自由に化粧や着替えをしだす。胸が見えたりもする。僕は目のやり場に困ってしまい、うつむく。妻が外に出ていく。一人の女性が僕に向かってオッパイをなめてほしいと胸を出して近づいてくる。「いやいや」と言いながら僕は乳首を口に含む。妻がいつ戻って来るかとひやひやしている。 二 射的場  大きな高校のようである。屋上から外階段に出る。広くて長い階段が続く。

          子育て、教育について考えたこと

          私の子育てについていま思うこと  ここでは,内田樹先生の子育て論をご紹介します。私自身の子育てについては「シミセンの子育て入門」で紹介させていただきました。そのときは、我が家の子どもたちが大学に入学したところまでのお話でした。いまは2人とも就職し、やっと経済的にも自立してくれるようになりました。もっとも、娘は同居しており、いままでと生活は変わりませんが。このあとは、結婚、出産(私にとっては孫)と人生の大イベントが続くのかどうかはわかりません。我が家の近所には同世代の家族が多

          子育て、教育について考えたこと

          続・夢十夜(七)

          一 娘の男友達  妻の実家にいる。庭に出ようとすると手作りの小さな草履がある。はいてみたら簡単にばらばらになってしまった。僕は近くにある茎などを集めて同じようなものを作ろうとする。結局集めるだけ集めて新聞広告でくるんで棚においた。表玄関が騒がしい。どうやら娘が引っ越しをしてきたようだ。大きな荷物を運びこんでいる。男友達が複数人手伝ってくれている。僕も手伝おうと出ていく。男友達にねぎらいのことばをかける。台所では大鍋にカレーができていて、それをみんなにふるまう準備をしている。

          続・夢十夜(七)

          続・夢十夜(六)

          一 母と社員旅行   僕たちは社員旅行に行くことになっている。母は新入社員だ。今日現地集合になっている。広島のようだ。僕はどこに何時に集合するのかも知らない。母も念のため会場に電話して聞いている。イベント会社か何かが仕切っているのだろう。どうやら新入社員だけ早く集合のようだ。僕は自分が何時に着けば良いのかが分からないので電話してみる。母に電話番号を聞くがなかなかパッとは出てこない。この段階でちょっとイラッとしている。電話をしても、なかなか出ない。きっと問い合わせが殺到して

          続・夢十夜(六)

          シミセンが選ぶ小中学生に読んでほしい中高生向けではない新書10冊

           世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあります。私がここ数年で読んだ新書の中で、がんばれば小中学生でも読めそうなものを紹介していきます。若干理系が多めになりますが、国語の説明文対策にもなるかもしれません。興味が向いたものがあればぜひ手に取ってみてください。それぞれ最初に、私が読後すぐに感想を書いたもののはじめの部分を載せておきます。いやあ、本当におもしろい。おもしろいと、つい人に話したくなるのですよね。そんな気持ちに皆さんにもなってもらえるとうれしいです。それではどうぞ。

          シミセンが選ぶ小中学生に読んでほしい中高生向けではない新書10冊

          中村恭子「風景の肉体」を見て

           久しぶりに絵画を見て衝撃を受けたので感想を記しておく。(フランシス・ベーコン以来ではないか。と思って、ちょっと調べてみたら、京都で展覧会があったのはなんと40年前ではないか。高校生だったのか。)     郡司ペギオ幸夫さんの本(「創造性はどこからやってくるか」)を読んだ。その中で、中村恭子さんの仕事が取り上げられていた。「書割少女」と呼ばれる作品群を写真で見て、これは絶対直接見てみたいと思った。そして、今月、新しくできた大阪大学中之島芸術センターで作品展があるということで、

          中村恭子「風景の肉体」を見て

          続・夢十夜(五)

          一 2頭の獣  大きな獣が2頭いる。ごわごわの体毛。ほとんど動かない。僕はその2頭を結びつけるように命じられる。なんとか体毛どうしを結べないかとやってみるが無理だ。そこで2頭をおおっていた布団どうしを結びつけた。やっと繋がってトラックに乗せた。ところが肝心の獣たちがいない。忽然と消えてしまった。素早く動くような生き物ではない。あんな大きなものがいなくなるとは。僕たちは必死に探し始める。箱の中、棚の中、ケースの中、目につくものの中にいないかと次々に開けていく。しかしどこにも見

          続・夢十夜(五)

          コロナ感染記 そして ひきこもり体験記

          とうとう僕もコロナ感染後の人間になってしまった。前後でそれほど大きな違いがあるのかどうかわからないが、記憶があいまいになる前に書き留めておこうと思う。 発症の3週間前 のどが痛くなり、発熱した。近所の病院でコロナの検査を受け、陰性であった。夏風邪ですね、ということで薬をもらって帰って来た。1日だけ仕事を休んで、次の日からまた働き始めた。その後、妻が自分の風邪からうつったのか、咳をするようになった。私も、のどの調子は完全に良くなったとは言えなかった。のど飴をなめ

          コロナ感染記 そして ひきこもり体験記

          続・夢十夜(四)

          一 お泊り同窓会  久しぶりの同窓会。泊まりがけの同窓会。学校内で行われている。僕は1年休学したため、1つ下の学年のグループに入れられている。朝起きて、今度は友だちの多い上の学年のスペースに行ってみた。「おお、昨日どうしてた?」「下の学年の連中と喋りながら廊下で雑魚寝したで」「ええ、いいな」僕は見栄を張っている。下の学年の中には、ほとんど友人はいない。1人で寂しく寝ていただけだ。宙ぶらりんのどっちつかずになってしまった。 二 卒業生・女子・30代  僕と知人(男性)は先に

          続・夢十夜(四)

          シミセンの受験談義

           中学受験、高校受験対象の進学塾で理数系の教科を担当しております。校舎で毎月発行している通信に連載している記事です。受験生・受験生保護者の皆さんの参考になりましたら幸いです。 4月 受験って何であるの?  今年は1年かけて受験についてのあれこれをお話していこうと思います。中学受験や高校受験の仕組みとか、最近の様子とかが話の中心になっていくと思います。ですが、今回は1回目なので、受験全般についてお話しておきましょう。  まずは、どんな受験があるかですね。皆さんはすぐに中学受験

          シミセンの受験談義

          続・夢十夜(三)

          一 自治会役員 実家の近くに来ている。いま住んでいるところから電車とバスで1時間半かかる。ところが自治会の役員がこちらにもいることになっている。「Oさんですか。すみませんね。こんな離れているのに役を持っていただかないと行けません。今度やる行事の資料です。これで良いかどうか確認していただけますか?」「へえ、面白そうなことするんですねえ。」「ええ、お芝居をしたり、ダンスをする人もいますね。」「へえ、すごいなあ。わたしはこれでいいですよ。」「ありがとうございます。」僕はついでに実家

          続・夢十夜(二)

          一 紙飛行機 たまたま幼稚園の頃うちの子どもたちと一緒だったT君を見つける。「よく見つけてくれましたね」と母親。「とてもかわいい子だったのですぐにわかりましたよ。」僕たちはその子の家に来て一緒に遊んでいる。ずいぶん長居をしてしまった。「そろそろおいとましようか」靴下を脱いでいたのでそれを探す。箱に入っているのを見つけて娘に渡す。妻は脱いでいない。僕は自分の靴下を履く。妻と娘は先に出ている。外では他の子どもたちも一緒になって遊んでいる。Tの母親が色紙で紙飛行機を作って飛ばす。僕

          続・夢十夜(二)

          シミセンの文学談議

          その1 文學ト云フ事 いまから30年ほど前、テレビで「文學ト云フ事」という番組を見ていました。半年ほどだったでしょうか。日本文学のあらすじを30分で紹介してくれます。その中で、僕は夏目漱石と出会いました。もちろん、著者名も作品名も知っていましたが、実際の作品を読んだことはなかったのです。「吾輩は猫である」も「坊ちゃん」も。それから、川端康成の「みずうみ」。これまた番組がとても印象深く、放送後すぐに読んだのですが、いまでは内容はすっかり忘れてしまいました。三島由紀夫や谷崎潤一郎

          シミセンの文学談議