マガジン

  • 学校のマドンナと隠れて付き合ってるんです......

    マドンナ和シリーズです

  • 5期中編

  • クラスメイトのアイドルに怒られました……

  • 割と美人な人と同居しています。

  • ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。

最近の記事

とうとうマドンナ彼女との関係がバレました。

あつさを肌で感じる朝のグラウンド。 カラーコーンを1つ、また1つと躱していく。 最後のカラーコーンを躱して、シュートをゴールに突き刺した。 ボールを拾い直した瞬間、後ろから声をかけられた。 「わ......!」 「......見えてたよ、なぎ。」 「もう......つまんないの」 自分の朝練が終わったのか、人がまだ来ない時間帯に彼女が向日葵の香りとともにやってきた。 夏服もとても似合っていて可愛らしい。 「ごめんって、許してよ」 お詫びの気持ちを込めてそっ

    • 可憐な先輩との禁断の恋模様

      敷居の前で両足を揃え、左足から大きく踏み出す。 「失礼します」 今日は部内での個人戦。 男女共に1位には顧問からアイスをくれるので、先輩や同学年もやる気が入っている。 肩周りや肩甲骨のストレッチをしていると、桃のような香りが入口付近から鼻をぬけた。 「失礼します。」 入ってきたのは井上先輩。 誰が言い出したかは分からないけど1個上の学年ではマドンナと呼ばれているし、それに相応しい全てを持っている。 「......」 ふとぼーっと目で追っていると、軽く睨まれた

      • 綺麗な年上の先輩とひとりの後輩。

        くすんだオーロラの隙間から光が指し、夏の嫌な暑さと共に瞼を開く。 時刻は起きる予定よりも30分ほど過ぎていて、脳の覚醒と共に焦りが心を揺らした。 「やばっ...!」 昨日から準備していた制服に袖を通し、洗面所で最低限の身なりを整える。 「行ってきます。」 仏壇の鈴を2回鳴らし、両親への挨拶を済ませると学校への道を駆けた。 空は万遍の笑みを浮かべていて、雲ひとつない晴れた表情。 暑ささえなければ清々しい気持ちで通学路を跳ねているが初夏の暑さは勉強のように逃げられな

        • 彼女の誕生日をみんなでお祝いしました

          夏を感じる7月後半。 「茉央の誕生日どうしようかな......」 茉央の誕生日が迫ってきていて、何をしようか考えていると当の本人から声をかけられた。 「何調べてるん?」 「な、何も?」 「ふーん、まぁええわ。」  考えてもなかなかいい案が思い浮かばず、メンバーに連絡してみる。 すると、仕事の合間に話し合うこととなった。 事務所の空き部屋に入ると、咲月といろはが待っていた。 「あ、きたきた。」 「やっほー」 2人ともかなりリラックスしてるみたいで、ぐでっと

        とうとうマドンナ彼女との関係がバレました。

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        • 学校のマドンナと隠れて付き合ってるんです......
          12本
        • 5期中編
          24本
        • クラスメイトのアイドルに怒られました……
          20本
        • 割と美人な人と同居しています。
          5本
        • ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。
          2本
        • オタクだってアオハルしたい
          11本

        記事

          割と美人な同居人と海に行きました。

          登校する直前の朝。 バタバタしながら準備をしていると、浮かない顔の咲月が目に入る。 「咲月?どうかした?」 「ううん......なんでもない......!」 長い付き合いでは無いものの、その笑顔がハリボテだということはすぐにわかった。 「咲月、忘れ物してない?」 「え......あ、お弁当!」 明らかに怪しい。 どう考えてもいつも通りとは程遠い。 「咲月、なんかあった?」 「......なんにもないよ?ほら、早く行かないと遅刻しちゃうよ!」 玄関の扉に手

          割と美人な同居人と海に行きました。

          ぐっすり寝ていたらお姫様が勝ってました......。

          朝日が昇り、光がカーテンを貫通する。 光にこじ開けられて目を覚ますと、横には彼がぐっすりと寝ていた。 「最近家でも仕事しとったからな......」 最近は仕事から帰ってきても家で仕事している○○。 ただでさえ1度寝たらあまり起きないタイプなのに、疲れも相まってどこまでやったら起きないか気になる茉央。 いろはと咲月が家にやってくるのは午後と伝えてあるため、少なくとも午前中は起きないだろう。 「あ、せや。」 茉央はいいことを思いつき、3人のグループに集合時間を早める

          ぐっすり寝ていたらお姫様が勝ってました......。

          ストーカーだと思ってたら、あの時の狐さんだったみたい。

          学校への通学路。 大通りから少し逸れた閑静な住宅街を歩く。 「あれ......まただ......」 直接見た訳では無いが、確かに感じる何かの気配。 ここ最近、通学路でずっと感じる。 一歩。 また一歩とじりじり近づいて、首筋にヒヤリと汗をかく。 意を決して後ろを振り返ると、そこには隣のクラスの菅原さんがいた。 「○○君......○○君だよね......?」 少し茶色の髪。 綺麗な鼻筋。 可愛らしい顔。 男心をくすぐる要素から絶対な人気を誇っている。

          ストーカーだと思ってたら、あの時の狐さんだったみたい。

          マドンナ彼女に映画館でいじわるしました。

          雨が降り、低気圧に頭を悩まされる6月。 梅雨前線もまだ出来たばかりで、まだまだ元気そうに雨を降らせている。 「はぁ......」 ため息とともに気分も落ちていってしまう。 週末の彼女とのデートも、雨だと行く場所が限られる。 今はただ、ぼーっと彼女の美しい所作から放たれる矢を見ていた。 「なんか浮かない顔してる......」 袴に身を包んだ和が自主練を終えて、向日葵の香りと共にこちらに向かって歩いてきた。 「低気圧だし頭痛いだけだよ、あとは週末どうしようかなって

          マドンナ彼女に映画館でいじわるしました。

          年上の幼なじみと初恋を叶えました。

          夏の訪れを感じる7月。 私たちはホームルームを終えて廊下を歩いていた。 「彩ももう先輩か~」 「もう......奈央だってそうでしょ」 高校2年生になって数ヶ月経つのに、周りは子供扱いしてくる。 普通ならおかしいが背も低く童顔な私には仕方ないのかも。 「はぁ......」 ため息をつきながら廊下を歩いていると向かいから背丈が大きくてキリッとしている男の子が歩いてきた。 「......」 顔は整っていて俗に言うイケメンってやつなのかな。 女友達しかいない私に

          年上の幼なじみと初恋を叶えました。

          割と美人な同居人と休日を過ごしました。

          珍しく部活も無い日曜日のお昼。 リビングには俺と咲月だけがいて、休日の朝から溜まっていたアニメやらを消化していた。 「○○君にも付き合わせちゃってごめんね?」 「ううん、見たことないから新鮮で面白かったよ」 ちょうど咲月の見たかったアニメを見終わり、キリのいいタイミング。 少し沈黙が続いた後、俺のお腹が鳴ってしまった。 「......ごめん。」 恥ずかしい気持ちから、少し目を伏せる。 「ううん、育ち盛りだもんね」 少しはにかむ咲月に目を奪われた。 休日の朝

          割と美人な同居人と休日を過ごしました。

          姉の友達に焦らされています。

          放課後のチャイムが鳴り響く、6限終わりの教室。 ゆったり動き出す人もいれば、部活に向けてすぐに動き出すものも。 そんな中、僕は部活のために今は使われていないB棟へと足を運ばせていた。 軽音部や吹奏楽部が活動する中、空き教室の扉を開ける。 「あ、やっときた」 誰もいない教室に座って、ギターの練習をしているのはいろはさん。 僕の姉の友達で小さい頃からよく遊んでもらっていたっけ。 「いろはさんがはやいんですよ......」 「ねぇ、昔みたいにいろはちゃんって呼んでく

          姉の友達に焦らされています。

          青春、全部あげる!

          1年生の時の文化祭準備の時間に、廊下で初めて見た時から可愛いと思った。 綺麗だった。 名前も知らない隣のクラスのあの子。 「○○?はやくダンボールこっち持ってきてくれよ。」 「わ、わり......」 しかし、この思いにはすぐさま蓋をすることになる。 「なぁ、あの子知ってる?」 友達の拓真に聞くと、悪そうな顔で答えてきた。 「あぁ、川﨑さん?実はな......」 「優と付き合ってるらしいよ」 優は俺と同じサッカー部のイケメンで俺の嫌いな人。 サッカーが上手

          青春、全部あげる!

          男嫌いの巫女さんに向き合ってみました。

          今年のはじめに行った初詣。 朝の眠たい時間に目を擦りながらお参りの列に並んでいる時、ふと横を見た瞬間に衝撃が走る。 境内で仕事をしていた巫女さんがとても可愛らしくて、俗に言う一目惚れってやつなんだと思う。 可愛らしくて、綺麗で。 「○○、前進んだよ。」 長髪の友達に言われるまで巫女さんに見とれていたみたい。 前に進む直前、巫女さんと目が合ったけどすぐ逸らされてしまった。 年の初めに少し気落ちしつつも願い事をする。 本当は1年間無事に過ごせた事を報告するらしいけ

          男嫌いの巫女さんに向き合ってみました。

          ほかの女の子と話してたらマドンナ彼女に嫉妬されました。

          朝、誰もいないグラウンド。 暑さを少し感じる季節に自主的に朝練する人なんていない中、俺はマーカーを置いてドリブル練習をしていた。 視線を上げて足元を見ないようにし、ボールをコントロールしてマーカーをかわしていく。 時計を確認してもう少しで終わろうかと言うところで、ひまわりのようなあたたかさが後ろからふわっと香った。 「おはよ、○○。」 彼女の和が武道場の方からひょこっと出てきて、声をかけてくる。 「学校で下の名前で呼んでいいの?」 「まだ誰もいないからバレないし

          ほかの女の子と話してたらマドンナ彼女に嫉妬されました。

          ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(後)

          一人で歩くこの道も、いよいよ片手で数えられるくらいしか歩けないんだと思うと悲しい。 やっぱりだめだ。 一人になるとだめだ。 目の前がぼやけて、まだ現実を受け入れられていない自分が出てきてしまう。 やっとの思いで視界をクリアにし、家の扉を開ける。 「ただいま。」 「おかえり...!」 俺の家のキッチンでエプロンを付けて料理をしているのはアルノだった。 「母さん達は?」 「私の家にいて○○を集中させてあげようってさ。」 あぁ...気を使ってくれたんだなって。

          ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(後)

          ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(前)

          久しぶりに国立競技場を訪れた。 全国高校サッカー選手権大会決勝が行われた1月8日以来私は足を運ぶ。 晴天と言っていいほどに雲ひとつない青空。 木のぬくもりに包まれたスタジアムはあの日の感動がまだ残っているようで私の心を震わせる。 当時の私はスタジアムの外見など考える余裕もなかったのでよく観察していると八割が木のようで思わず木じゃん。とつぶやいてしまった。 すると隣にいる和から声をかけられる。 「アルノの感性ってほんと独特だよね」 「和も大概でしょ?」 意味もな

          ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(前)