綺麗な年上の先輩とひとりの後輩。
くすんだオーロラの隙間から光が指し、夏の嫌な暑さと共に瞼を開く。
時刻は起きる予定よりも30分ほど過ぎていて、脳の覚醒と共に焦りが心を揺らした。
「やばっ...!」
昨日から準備していた制服に袖を通し、洗面所で最低限の身なりを整える。
「行ってきます。」
仏壇の鈴を2回鳴らし、両親への挨拶を済ませると学校への道を駆けた。
空は万遍の笑みを浮かべていて、雲ひとつない晴れた表情。
暑ささえなければ清々しい気持ちで通学路を跳ねているが初夏の暑さは勉強のように逃げられな