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姉の友達に焦らされています。
放課後のチャイムが鳴り響く、6限終わりの教室。
ゆったり動き出す人もいれば、部活に向けてすぐに動き出すものも。
そんな中、僕は部活のために今は使われていないB棟へと足を運ばせていた。
軽音部や吹奏楽部が活動する中、空き教室の扉を開ける。
「あ、やっときた」
誰もいない教室に座って、ギターの練習をしているのはいろはさん。
僕の姉の友達で小さい頃からよく遊んでもらっていたっけ。
「いろは
男嫌いの巫女さんに向き合ってみました。
今年のはじめに行った初詣。
朝の眠たい時間に目を擦りながらお参りの列に並んでいる時、ふと横を見た瞬間に衝撃が走る。
境内で仕事をしていた巫女さんがとても可愛らしくて、俗に言う一目惚れってやつなんだと思う。
可愛らしくて、綺麗で。
「○○、前進んだよ。」
長髪の友達に言われるまで巫女さんに見とれていたみたい。
前に進む直前、巫女さんと目が合ったけどすぐ逸らされてしまった。
年の初めに少
ほかの女の子と話してたらマドンナ彼女に嫉妬されました。
朝、誰もいないグラウンド。
暑さを少し感じる季節に自主的に朝練する人なんていない中、俺はマーカーを置いてドリブル練習をしていた。
視線を上げて足元を見ないようにし、ボールをコントロールしてマーカーをかわしていく。
時計を確認してもう少しで終わろうかと言うところで、ひまわりのようなあたたかさが後ろからふわっと香った。
「おはよ、○○。」
彼女の和が武道場の方からひょこっと出てきて、声をかけ
ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(後)
一人で歩くこの道も、いよいよ片手で数えられるくらいしか歩けないんだと思うと悲しい。
やっぱりだめだ。
一人になるとだめだ。
目の前がぼやけて、まだ現実を受け入れられていない自分が出てきてしまう。
やっとの思いで視界をクリアにし、家の扉を開ける。
「ただいま。」
「おかえり...!」
俺の家のキッチンでエプロンを付けて料理をしているのはアルノだった。
「母さん達は?」
「私の家にい
ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(前)
久しぶりに国立競技場を訪れた。
全国高校サッカー選手権大会決勝が行われた1月8日以来私は足を運ぶ。
晴天と言っていいほどに雲ひとつない青空。
木のぬくもりに包まれたスタジアムはあの日の感動がまだ残っているようで私の心を震わせる。
当時の私はスタジアムの外見など考える余裕もなかったのでよく観察していると八割が木のようで思わず木じゃん。とつぶやいてしまった。
すると隣にいる和から声をかけられ
飼ってるハムスターは甘えてくる。
高校生活、すなわち青春。
そんな青春をぼんやりと感じながら夏を彷彿とさせる暑さを感じながら僕は教室を掃除していた。
「あっつ......」
まだ4月だと言うのに暑さを感じる2年目の春。
教室には夏のつまさきが足を踏み入れていた。
掃除を終えて、机の上の荷物を手に取り廊下を歩く。
誰もいない廊下で呑気に鼻歌を歌いながら歩いていると、突然曲がり角から出てきた小柄な女性と衝突した。
「わっ
幼少期の約束が尾を引いて、転校生に結婚を迫られています。
新学期、クラス替えをすると馴染みのある人とそうでない人が交わる出会いの季節。
どうでもいい始業式を終えて、新たな教室に入り全員が席に座る。
「はぁ......」
ため息は隣のクラスまで飛んでいって、気分と共に頭が落ちる。
「お前、まだ気にしてんのかよ。」
友達の大輝からの声が傷に響く。
とても気になっていた綺麗な子と別のクラスになったと分かってからかなりダメージを受けた。
「池田さん
褪せないフィルムはあの頃の青春のように儚い。
夜は涼しく、昼には残暑を感じる9月上旬。
学校の窓から外を見れば、中庭の花壇に咲く黒いコスモスが目に映る。
カメラのファインダーを覗くと彼女の奈央が外側からカメラを覗き込んでいた。
「ねぇ、撮れないんだけど。」
「奈央のこと撮れば良くない?」
さほど身長差もないカップルの僕達。
奈央がカメラを覗けばおのずと距離も近くなり、奈央の整った顔が目と鼻の先にある。
「彼氏になって1年経つのに
隣の席の井上さんは囁くようにイタリア語でデレてくる。
お昼休み。
何やら廊下が騒がしい。
「あれ、2年生で女子人気トップの中村先輩じゃん。」
「井上さんに告白すんのかな?」
という声が廊下から聞こえてくる。
廊下を覗いてみると中村先輩と和がギャラリーに囲まれていた。
中村先輩の自信満々な様子からするに告白でもするんだろうか。
「僕は2年の中村、もし良かったら僕と付き合......」
「ごめんなさい。それじゃ。」
かなり食い気味に否定
推してるアイドルは同級生で1人の女の子でした。
「そろそろかな。」
軽めの夜ご飯の準備をして、ソファに腰かけ録画していた深夜番組を見る。
見始めて数分が経ったところでインターホンが鳴る。
玄関へ向かい、扉を開けるとそこにはマフラーにくるまった瑛紗がいた。
「さむい......!」
「どうぞ、ご飯出来てるよ。」
「エビフライだ!!」
「手洗いなよ?」
「うん!!」
瑛紗を洗面所と向かわせ、盛り付けに取り掛かる。
終わる頃にはも
割と美人な同居人はドジっ子みたいです。
朝5時。
日差しの差し込む前に俺は起きて3人分の弁当を用意する。
「さすがに眠いな......」
気力で目を開けて、冷凍食品や昨日の残り物を詰め込み、彩りを終える。
作り終えた頃には父さんが降りてきていて準備をしていた。
「いつも悪いな。ありがとう。」
「父さんには恩があるから。」
男手ひとつで育ててくれた恩は返しきれない。
たった1人の家族だし。
「親の責任だっての、そんで咲月
卒業式でも怒られました......
春を感じるこの季節。
茉央と俺は卒業式の日の朝だというのに布団を取り合っていた。
「おい、寒いって。」
「まおやって布団でぬくぬくしたいねん。」
「ったく......」
名残惜しいけどひと足先に布団から出て2人分の朝食を用意する。
匂いにつられて茉央も食卓へやってきた。
「朝一緒に食べるのも久しぶりやな、最近寂しかってん」
「お互い忙しかったからね。」
「忙しかったのは知っとるけ
ウタタネめらんこりっく
「んぅ......。」
カーテンの隙間から朝日が差し込み、今日もまた太陽と無理やり目を合わせてしまう。
漠然と目は冴えていて体を倦怠感が巡る。
「はぁ......」
吐き出されたため息とともに7時15分を告げるアラームがけたたましく響く。
もう朝だというのはわかっているのに、今一度朝だということを再確認させられてしまう。
「もう朝じゃん......」
その不快な音を止める。
静寂_
割と美人な同居人とほんの少し距離を縮めました。
菅原さんとの同居がはじまって1週間ほど。
お互い少しずつ慣れてきて学校生活で関わることは無いけど家の中では少しずつではあるけど話しはじめている。
4限の授業がはじまる前、菅原さんがいきなり教室に来た。
「○○君、ジャージ貸し....」
なんか危ないこと言おうとしてる。
明らかに。
「あー!!!ジャージ!!!あそこに忘れてましたもんね!!どうぞ!!!!」
不自然にも思えるほど大きい声を
割と美人な同居人は褒めに弱いみたいです。
「大事な相談があるんだ、○○。」
父が真剣な顔をしてこちらを向く。
父子家庭の俺からしたら再婚だと思った。
「俺の親友の娘さん、ここで預かってもいいか?」
「え、何言ってんの?」
「俺の親友が海外出張に行っちゃうんだと、娘さんは残りたいらしくて。」
「ふーん、別にいいけど。」
「じゃあ今日の学校の後来るから、説明は連絡しとくから任した!」
そう言い残して父は仕事へと駆け出してしまった