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ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(前)
久しぶりに国立競技場を訪れた。
全国高校サッカー選手権大会決勝が行われた1月8日以来私は足を運ぶ。
晴天と言っていいほどに雲ひとつない青空。
木のぬくもりに包まれたスタジアムはあの日の感動がまだ残っているようで私の心を震わせる。
当時の私はスタジアムの外見など考える余裕もなかったのでよく観察していると八割が木のようで思わず木じゃん。とつぶやいてしまった。
すると隣にいる和から声をかけられ
ドキドキさせてくる幼なじみとひと冬のきせき。(後)
一人で歩くこの道も、いよいよ片手で数えられるくらいしか歩けないんだと思うと悲しい。
やっぱりだめだ。
一人になるとだめだ。
目の前がぼやけて、まだ現実を受け入れられていない自分が出てきてしまう。
やっとの思いで視界をクリアにし、家の扉を開ける。
「ただいま。」
「おかえり...!」
俺の家のキッチンでエプロンを付けて料理をしているのはアルノだった。
「母さん達は?」
「私の家にい