有賀 籐

大阪市在住。「イベントに出してやってもいいぞ」「横で楽器弾いてやってもいいぞ」「やれる…

有賀 籐

大阪市在住。「イベントに出してやってもいいぞ」「横で楽器弾いてやってもいいぞ」「やれるもんなら曲作ってみろ」「歌詞を書いてみろ、やれるもんなら」「一緒に曲作ろうって言ってんだよ」等、様々な角度のお声かけをお待ちしております。よろしくお願いします!

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最近の記事

無題の私小説(仮)①

期待を持って暮らす事が 年々難しくなっている。 こうなりたい自分を思い描くのも最早、と いった感じである。 では、幼少の頃に期待があったのかと問われると 自身への呆れを裏返して表した ユーモアの範疇だったと記憶している。 とはいえ、そんな私のこれまでを 悲観している訳ではない。 地下鉄の駅近くにあるマクドナルドは 陽気なラテン音楽が鳴っていて 過緊張の私をただ浮き彫りにするだけで 軽やかな気分に誘うまでには至らない。 風邪の時ののど飴程度かと思いながらも 軽やかに腰を

    • 無花果/有賀 籐

      さっきまでの風景を 余韻もなく掃いている 空っぽの種 散らばって 置いてけぼりと笑っている 落としものの無花果 拾い届けた辺り 秋口の高揚に少し汗ばんで ずっとましになったろう 午後のへりに腰かけて 暖かいと言ったっけ 泣かないでと言ったっけ 皮のままの無花果 角で引っかけ剥がした 境目はなくなって 雲がそれを覆った 乾きながら無花果 仰向け 目で追う様々 絶え間から覗く空 少し汗ばんで

      • BAR ありがとう/有賀 籐

        雨の古本屋  手に取った「東京....」 向かいはコロッケ屋  軒先テントとバケツ 走れば間に合う でも歩いている いつも通り、に運命は宿る 1階奥の左手  挿して、捻って、戻して、抜き取る 傘立てには あれ以来 そのまんまに 見た目通りの運命も在る 塩梅と揺らぎのタイダイ 慰めを施しあう仮の宿り  哀れみを託して カランコロン 「雨、強くなってきた」 いつもコーヒー 近くのママ 僕は咄嗟に隠して仕舞った 34巻 オチはまだ

        • 夜市/有賀 籐

          弾けた風船をまたぐ ふと軽くなる 予感が薫る ここにはいられぬ どこか 彷徨うのなら 恥じらいを捨て 洗った水がながれだしたら 裏路地は灯 湿り気を嫌い 塩を撒くのか 疑えば 我が目がぼやけるから どうにもなれず タイルの継ぎ目を伝って 戻り香は 絡まる蔦 息など忘れ  降り捨てた後も回るタイヤ  見上げたまたたきの  折り忘れたつめを折る 渡った橋は人で溢れている 寝床について 手をつく曲げガラス 破裂して散らばる光の粒 どうにもなれず 流れ出す管 蓋が外れて どこ

        無題の私小説(仮)①

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        • 歌詞集
          18本

        記事

          かきもの「ライブを久々に」

          人前で久々に歌った。 言い訳はしない。 ギターのにおいの件は、すべっていた。 カポのつけ忘れで何とかなった。 そして、私はもうハタチではない。 塩分とお酒は注意しなければ。 無垢は、浮腫になるんだな。 出た、名言。 お客様の99.9%は私の事など知らず。 3曲20分勝負は、少し燃えた。 その瞬間をこちらに預けていただく感覚が リアルのライブの醍醐味で だからこそ、その返りには歓びと 居た堪れなさが同居する。 ただ単に曲・声・演奏等の魅力などの 事前準備では対応しき

          かきもの「ライブを久々に」

          かきもの「ライブをやる」

          行きつけのスタジオで お誘いいただいたライブ。 場所は体育館的なホールらしい。 2〜3曲歌うらしい。 何を歌おうか。 久しぶりのライブ。 ギターの練習でもしてみるか。 歌の練習もしてみるか。 まずは長年メンテしていないギターを プロに見てもらう為に楽器屋に行ってきた。 高いフレットが弾きにくく 弦高が気になっていたので ネックの反りが原因だと思ったのだが ネックはまっすぐだと。 弾きにくいのは ただ単に僕の技術か。 安心した。 セトリを考えなければ。

          かきもの「ライブをやる」

          ランデヴー

          あれから随分 こんなところまで 続けてるランデヴー この時も いつまでも 塗り絵じゃないけど 何色で塗ってく? ハートは赤じゃない よく見てよう 注意深く めっちゃめちゃ晴れてるねって 君がさっき言ったとき 全然別のこと 考えてた 忘れたけど いつものように 途中で寝ると思う。賭ける。って言われて 僕の選んだ気取りきった映画を観る 案の定、抜けたあらすじは どうか良ければ 後で掻い摘み 教えていただければ 幸せって随分 打ち合わせがいるんだな お湯を沸かしても 注がず

          ランデヴー

          パスタを茹でる

          飛び散るトランペットが ありきたりとは呼ばせてなるかと 昼間の事さ 坂道 付け根の路肩 着物の人が足から降りたら 夜の気配 そしてパスタを茹でる 分数当てにしてない 安心して欲しい 啜ればわかるから そんなもんさ 余韻の離脱 パスタは茹だる 白い葡萄酒が 汗をかいている そして 2枚の栞 軽薄な言溜まり 本棚の隅で ページを焦がしてさ ぐらつく椅子の上 半月のひとくち そっと拭うだろう そのグラス見ている フォークひねり

          パスタを茹でる

          「あわない」のコード

          リクエストにお応えして! 歌ってくれると嬉しいです! 基本ずっとG-C-D-Cなので 弾きやすいと思います。(Cメロ以外) どんな押さえ方でも良いと思いますが 僕の押さえ方を知りたい場合は 下の方に載せてる押さえ方を 参考にしていただければ。 「あわない」 G C D C G C D C 長靴は裸足で わざと水たまり G C D C G C D C 用事を作り 予想確かめ 片付ける G

          「あわない」のコード

          死んだクジラ

          バケツに僕は刺さる 熱は気付けば冷める 水に浸かっている方 じゃない方 水面を蹴る鳥のような 冷やかしとはまた別の 向こうの方までこのまま 浮かぶクジラ 泡の粒が行き場をなくし 翳りのない遠くの朝を 映して 弾けて 風が吹けば 僕はさらに漂っていく ほどけては朽ちていくばかり 笹舟は言葉のまま 狭間をふち取る十字の振動 その向こうのバケツの淵から 笹舟浮かべて 悲しげの下の下 企みの果てで

          死んだクジラ

          青空

          スポイト垂らした ストロー袋の 蛇腹の皺 生きてるみたい 噛み心地のない ピンク色のガム あたり紙に包むか、別に 青空... 堂のつくパン屋 赤いテープ剥いで ケシの粒が端に溜まった 鳩の足は赤 こっちくるなよ、そんなに ピルクル持って 向こうのベンチ 青空... その体をなす為だけのやつ この程度さってな流石の御名答 つま先ぶっとい釘刺されて 背中向けたまま欲しがる先頭

          ありがとう まとめ① がらがら/看板

          これまでYoutubeにアップした音源を 新しいもの順でレビューします。 ①がらがら(22年)  開店前だと知りながら  がらがらと引き戸を開く。  餃子屋の店主は棒状の小麦粉の塊を  金太郎飴のように切り分けている。  「まだですかね」「いいよ」  2人前と瓶ビール。  小皿に酢醤油。  酢コショウ用に酢を置く店は多いが  この店には酢醤油と辣油だけ。  鉄鍋にお湯を注ぐと  店主はまた金太郎飴を切り分ける。  包みの緩い皮と皮。  出来るだけ崩さないように  箸

          ありがとう まとめ① がらがら/看板

          看板

          看板を掲げたら 売るものを探そうか どこにも無いは意外と溢れてるな 手に取った人たちが 読みとってくれるような どこにでもありますがと頭掻きながら 量産型が どうのこうの こだわってるの 君の方よ オルタナティブとか言っちゃって 驚かせたいのかもしれないけど 看板で立ちどまる 恥じらいや意図はなく 似ているとこがあるかもなと 勘違いか 能書き連ね どうのこうの そんなの聴き見逃すよ 出会った時の体調に任せ はみ出るときっと楽しいのに 居抜きの進行に 出来合いのフロ

          書き物「雲ひとつない日のプレイリスト」

          快晴感のある好きな曲を 書き記したいと思います。 マニアック成分は0です。 快晴はテンションが上がりますが アゲアゲな曲ではなく この感じで彩れば 明日が曇りや雨でも対応できそうです。 ①Norah Jones「Chasing Pirates」 Norha Jonesと言えば、「Don't Know Why」が 有名ですが、いつものジャジーでブルージーな 感じではないロック寄りのアプローチをした この曲の気だるさが僕は好きです。 いつもは食べないし、そんなに美味しいもの

          書き物「雲ひとつない日のプレイリスト」

          3の指

          暮れていくだけの朝日は 逸れてかわる軌道知らない 形は今に変わりだし 皆それぞれ灯り 探し始める 出窓から影は消え 逆張りの行列に 拍子木が響いた 手すりから手すりへと 持ち直す その時々 冷たいシーツ 探すように 背中を風が通る 乾いた指 滑らせた 要らないものが多いから 分かっていて 君だけは 鼓動と鼓動が重なり 包まれた心地 待ちぼうけ 形変えたのは 暗い海で 取り繕うだけ 朝を待ってる 「知りたいよ」は への字眉で これ以上は出来ないし、しない いや違うよっ

          あるキャロル

          街は 色づく はじまりの頃 さよならの頃 音も立てず 色づく 頬を撫でてく ベランダの風 いつかを想う 君は 洗濯かご抱え 空を見上げてみる 時は流れる 雲はちぎれる 消えて無くなる だけど いつも 心にある 舞い上がる はなびら 何はなくとも いいこと起こるようにしよう 新しい予感にこらえてたこと 短い歌に隠して この空の下 解けた冬が 染み込んだ跡を 踏み鳴らし踊ろう ほら、乾杯しようぜ

          あるキャロル