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歌詞集

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パスタを茹でる

パスタを茹でる

飛び散るトランペットが
ありきたりとは呼ばせてなるかと
昼間の事さ

坂道 付け根の路肩
着物の人が足から降りたら
夜の気配

そしてパスタを茹でる
分数当てにしてない
安心して欲しい
啜ればわかるから
そんなもんさ

余韻の離脱
パスタは茹だる
白い葡萄酒が
汗をかいている

そして 2枚の栞
軽薄な言溜まり
本棚の隅で
ページを焦がしてさ

ぐらつく椅子の上
半月のひとくち
そっと拭うだ

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死んだクジラ

死んだクジラ

バケツに僕は刺さる
熱は気付けば冷める
水に浸かっている方
じゃない方

水面を蹴る鳥のような
冷やかしとはまた別の
向こうの方までこのまま

浮かぶクジラ
泡の粒が行き場をなくし
翳りのない遠くの朝を
映して 弾けて

風が吹けば
僕はさらに漂っていく
ほどけては朽ちていくばかり
笹舟は言葉のまま

狭間をふち取る十字の振動
その向こうのバケツの淵から
笹舟浮かべて
悲しげの下の下
企みの果

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青空

スポイト垂らした ストロー袋の
蛇腹の皺 生きてるみたい

噛み心地のない ピンク色のガム
あたり紙に包むか、別に

青空...

堂のつくパン屋 赤いテープ剥いで
ケシの粒が端に溜まった

鳩の足は赤 こっちくるなよ、そんなに
ピルクル持って 向こうのベンチ

青空...

その体をなす為だけのやつ
この程度さってな流石の御名答

つま先ぶっとい釘刺されて
背中向けたまま欲しがる先頭

看板

看板を掲げたら 売るものを探そうか
どこにも無いは意外と溢れてるな

手に取った人たちが 読みとってくれるような
どこにでもありますがと頭掻きながら

量産型が どうのこうの
こだわってるの 君の方よ
オルタナティブとか言っちゃって
驚かせたいのかもしれないけど

看板で立ちどまる 恥じらいや意図はなく
似ているとこがあるかもなと 勘違いか

能書き連ね どうのこうの
そんなの聴き見逃すよ
出会っ

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3の指

暮れていくだけの朝日は
逸れてかわる軌道知らない
形は今に変わりだし
皆それぞれ灯り 探し始める

出窓から影は消え
逆張りの行列に
拍子木が響いた

手すりから手すりへと
持ち直す その時々
冷たいシーツ 探すように

背中を風が通る
乾いた指 滑らせた
要らないものが多いから
分かっていて 君だけは

鼓動と鼓動が重なり
包まれた心地 待ちぼうけ
形変えたのは 暗い海で
取り繕うだけ 朝を待っ

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あるキャロル

街は 色づく
はじまりの頃 さよならの頃
音も立てず 色づく

頬を撫でてく ベランダの風
いつかを想う 君は
洗濯かご抱え
空を見上げてみる

時は流れる 雲はちぎれる
消えて無くなる
だけど いつも 心にある

舞い上がる はなびら
何はなくとも
いいこと起こるようにしよう
新しい予感にこらえてたこと
短い歌に隠して

この空の下

解けた冬が
染み込んだ跡を
踏み鳴らし踊ろう

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出発

しばらく平気な顔して
知らない人と知らない街へ
運ぶ風の音

言い訳探し 手を伸ばす
渇いた音 アルミの味
君は何してる

それらしく 真にうける
心のままと違う
終えた空 始まる海
目を閉じる

6時の鐘の音も
味の濃い場面も
思い出してみたって
誰にも 何にも
戻れたって このまま

震えて消えてく
悲しみ 喜び
泡の粒のようさ
眩しい それらしい
燃えるように冷たい
なつかしい
ぬるい温度

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埠頭にて

着いたのは 埠頭の夜
ちぎれそうなロープが揺れて
意外と派手 その柄のスカート
綺麗めじゃなく褪せた古い 僕のデニム

だったらな、の話なんかに
君が頷くことはないのさ
誰もいないパラソルのベンチ
向こう側に光ってる 高速道路

張り裂けたあとは
らしさ、なんて忘れよう
思い描くしかなかった僕らさ

月や星の歌で
涙するようなひとと
恋におちたら
毎日はきっと色づくさ

声のない埠頭の夜
照れ笑う

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がらがら

換気扇とアンドレギャニオン
るるる るるる 煙くぐる
放射状の残り浴びて
指輪をかざす

偏った点と点を
滲ませていくよ
ありとあらゆるなど
言わないようにして

はずれた円の中心で
その日その時の匂いを
傾けば蓋を開いて
文字盤ずらす

枯れてしまったあとも
庭はそのままにして
空の下 上の空
言葉は うるさいだけ

がらがらの餃子屋のカウンター
アサヒか麒麟か どっちだったっけ
僕のいない君の

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春を

春を呼び起こす風が
私を追い越してく
今はただこの時を
心に刻む

何も気にすることはない
明日の正しさなど
あきらめて この時を
確かになぞるだけ

目を閉じ耳を澄ます
心の場所が分かる
私は生きていけると
強く こみあげる
力を噛みしめる

春がくる

緑の隙間に漏れ伝う光
まだらな木陰の この道を歩む
右手と左手 静かに重ねて
私の限りを尽くして確かに
唱える言葉はあなたへの誓い
繋いだ心は

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Bon voyage

息をゆっくり ゆっくり 吐くから
もう少し ここに いさせて
ふたり ふたり でもなぜに
僕は離れていく

神様 別れは 少し希望に満ち
君との約束も いつもの思い違い
そんなの嘘さ

きっと いつか 今の僕みたいに
ちょっと弱音を吐いたりする時
笑うように いきぬくように
人は諭すだけ
では さよなら 難しくないさ
ただ 心がちぎれそうになって
君の顔が いつもの顔じゃないように見えた

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あわない

長靴は裸足で わざと水たまり
用事を作り 予想確かめ 片付ける

いろんな色 揃って並んでる 箱の中
余裕みせても 予想は超えない 組み合わせ

あわない あわない
いつまでも 待てない
させない させないで
そのままの意味

故郷は補正がかかり たまに揺さぶるね
ふと香ったくらいで 塗り替える 浅はかさ

あわない あわない
水は全部買ってる
飲まない 飲まないで
なおらないから

白いとこ 読

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60分休符

頭の中に 住んでた頃は
からのポストを 君と覗いた
蛇口を捻れば 言葉が溢れて
作った歌で 顔を洗った

ため息の今は、間を埋めるだけ
回るイスに座って 
あと少ししたら連休なのか
窓拭きのゴンドラ見てるよ

ビルとビルの間の公園
澄んだ空気の匂いがして
僕とひまわりは
頭をぶら下げたまんま
あの頃より太字で響く
秒針の音と音の間
思い出だとは呼べないね

嫌いなことや許せないこと
話の種はそ

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here

思い出は冬ばかり
そんなはずはないのに
飲みたくもないカフェラテ
おそるおそるすするのさ

劇画タッチと違う
淡い映画とも違う
でもカテゴライズする必要ないね
ただ笑っていよう

頭をかけめぐる
胸がズンズン響く
そんな真似事もそこまでにしといて
ほらここにいまを過ごそうぜ

「大袈裟」とかき混ぜる
何も根拠はないのに
「それはそう」と頷いて
浮き上がって沈むのさ

You've been her

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