BAR ありがとう/有賀 籐


雨の古本屋 
手に取った「東京....」

向かいはコロッケ屋 
軒先テントとバケツ

走れば間に合う でも歩いている
いつも通り、に運命は宿る

1階奥の左手 
挿して、捻って、戻して、抜き取る

傘立てには あれ以来 そのまんまに
見た目通りの運命も在る

塩梅と揺らぎのタイダイ
慰めを施しあう仮の宿り 
哀れみを託して

カランコロン
「雨、強くなってきた」
いつもコーヒー 近くのママ

僕は咄嗟に隠して仕舞った
34巻 オチはまだ

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