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どう考えても春は過ぎたけど春に作ったとても春らしい短歌をあげます
東京は春になったらどこにでも桜が咲いている街なんだ
満開の桜はあまりに美しく もうこれ死んでも良いと思った
どれだけの桜が今夜流されてしまうのだろう 咲いたばかりの
桜流し 雨で散るなら優しさも全部逃してしまえばいいよ
あれは日曜日で本屋は日月が休み どこにも行けませんでした
たぶんもう会えないきみが夢に出てきたっていつも後ろ姿だ
秩父に行ったり道玄坂を歩いたりした。道玄坂は空なんか見えなくたって良いと思う-2024/01〜2024/03に詠んだ歌
こっち側なんもないじゃん道玄坂なんて遠くを見る場所じゃない
一番になれないことは幸せじゃないにしたって不幸ではない
この本屋、マンガも辞書も色褪せているけど週刊誌だけはきれいだ
豊かさは何で測るかコンビニの明太パスタの海苔の大きさ
傷ついて終わった恋だけやたら思い出してしまうのむちゃくちゃ解せぬ
つうか朝も昼も悩む暇なんてないんだからこじらせるなら夜しかないじゃん?
夜に考え事をすべきではないというがこじらせてこそ夜なんじゃないかと-ここ2ヶ月くらいで詠んだ歌
すぐそこのカレー屋 閉店したあとに店主がギターを弾いて歌ってた
熱湯をかけて3分待つところ、6分待ったら褒めてくれますか
幕張のゴーゴーカレーで大学生カップルがする危うい会話
きみはきみをお前呼ばわりする人と一緒にいるのか そうか、そうなのか
そこにいるのはわたしではなかったそこにいるのはわたしではなかった
やたらフットワークが軽いあの人は家にいるのが嫌なんじゃないかな
関係ないけど坂口安吾の『堕落論』をまた読み返している-09/25~10/27に詠んだ短歌
見たような気がした渋谷宇田川町 日付が変わる少し前、きみを
きっとすぐ近くにいるんだ憧れる人も応援するべき人も
食ったって何にもならんお湯入れて3分待って食べる焼きそば
文学、あるいは生きることのない世界 無限に振りかかってこい
わたしは見た目で判断されたくないし
人を見た目で判断しているのもわたしだ
ただ続けるために続ける それ以外自分を愛す方法がない
飲酒して自己肯定感がしっかり下がってからが本番って感じの夜だ-08/13〜08/24に詠んだ短歌
マイペースでは間に合わねえ 飲酒して歩いて帰りながら聞くMOROHA
言葉ならいくらでもある、どこだって行ける わたしがわたしを見つけ出す
「雷が鳴ったら夏は終わりだよ」その顔寂しいの、嬉しいの
軽率に嫌なことから逃げてきた 目を背けてきた感情はもっと
酒 じゃがりこ まるごとバナナ チキンカツ 1,346キロカロリー
夏っぽい短歌だとおもう-08/07〜08/10に詠んだ短歌
風鈴の音はどこから聞こえてくる いつまでもいつまでもゆらぎ
この程度で負けてたまるかあと3分待ってカップラーメン食うんだよ
これはパン、これは牛乳、これは夢 これが現実 燃えるゴミの日
顔も声も知らない人を悼む 肉屋の店主は暑さで死んだ
それでも生きる それでも生きる 何度でも出会って出会い直したい
あと1首ほしいと思っているうちに2ヶ月近く経ってしまった-06/06〜07/30に詠んだ短歌
日々、それは体重計が指す数値 数値は生きた証か否か
朝にならないと安心して眠れない点においては定評がある
「泣いていい」「無理しなくていい」「逃げていい」 おれはすべてを無視してもいい
2、3回壊れているし手が汚れるくらいどうってことはないだろ
あの店の炒飯ピンク色なんだよって話したことを思い出してる
校庭にカラス そこには桜という花が咲くから必ずまた来い
生活は荒れてきているが短歌を詠もうという気持ちは強くなっている。飲酒量は増えたが相変わらず家で一人飲む酒は全然不味い-ここ2週間くらいの短歌6首
這うように坂をのぼったすぐあとの横断歩道を渡って吐いた
どうしたって時の流れに気づいてしまう 朝は世界をあたためていく
歩くこと歩き続けることそれが今日もわたしが歩く理由だ
食器用洗剤服についたから全部どうでも良くなったかも
一人飲むスミノフこんないらねえよ浮かんで消えて、浮かぶ顔ぶれ
守りたいものはまだあるのだろうか いまさら悔しがってるおれに
いまの自分を慰めるだけじゃなくて過去の自分を超えるために書いていたい-最近3週間くらいで詠んだ短歌5首
本当かどうかは一旦置いといて運命なんて邪魔でしかない
知らないことはこれから知っていけばいい わからないことはわからないままでもいい
もう遅い何もかもが遅すぎたのだ お急ぎ便で目薬を買う
何ひとつ叶わなかったね 生きる意味なんて知らずに生きていけるね
夜明けへと向かう世界の音を聞く わたしはわたしを犠牲にしない
眠れない夜は黙ってペンを走らせる。つべこべ言わずに書け、と誰かに言われた気がした-2023/04/21深夜にできた短歌6首
きみは静かに離れていくような気がする わたしが嘘をつくまでもなく
一度でもきみの世界で息継ぎをしていたならばここにいたかな
言えなかったこととかできないこととかが黙ってわたしのあとをついて来る
親指と人差し指でこじらせたこれはどこにも行けない愛だ
皮膚科にも通っているし間食も控えているし夜明けも来ない
もしですよ、もしこの夢が叶ったらおれ何もかもやめちゃわないかな
ここ半年くらいの短歌6首
ああいうのきちんと言える人がうまくいくんだろうな「きれいだよ」とか
もう二度と会わないだろう人々のうちの一人としてここにいる
わたくしの影に笑顔に何者も見出さないでほしいだけです
あれはたぶん2時から4時で時間帯指定の荷物が届いた音だ
忙しい現代人は10分の花火で何を弔うだろう
C列の22番は最後まで空席 僕だけが知っている
◆ ◆ ◆
ここ1年くらいは、作ることよりも誰かを応援する
それだけで良いわけがない-2022/06/15
あ、桜 通り過ぎてく一瞬が生きる理由になると思った
誰一人ひとところには留まれないならば近くにいようあなたの
明け方の始発が到着する音はわたしを妙に安心させる
世の中のニュースはだいたい把握した 今日の天気がわからずにいる
書き留める必要なんてない 喉を通って届く言葉だけなら
感動や憧ればかり追いかける孤独に耐えることを忘れた
それだけで良いわけがない 連絡をもらった夜に買うコンビニ飯
名前を変えました。