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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2023年2月の記事一覧

読書感想文(247)雨穴『変な絵』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は、先日読んだ『変な家』と同じ著者の作品です。

読書感想文は基本的に一日一本しか投稿しないようにしているのですが、2月に読んだ本の感想を3月に投稿すると、振り返った時に不便なので、今日は2本目を投稿します。

感想面白かったですが、少し怖かったです。
いや、結構怖かったです。

構成は前作よりも凝っていて、全四章で真

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読書感想文(246)町田そのこ『宙ごはん』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品、これで7冊目です。
町田そのこさんの作品は初めて読みました。

感想「普通」ではない家族のお話で、正直に言うと「またか……」という気持ちがありました。
でもこの物語は優しくて、心が痛みつつも最後には少し心が和むお話でした。
作者はきっと優しい人なんだろうな、と思いました。
一方で、やっぱり綺麗

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読書感想文(245)結城真一郎『#真相をお話しします』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品、これで6冊目です。

感想とても面白かったです。
ミステリーの短編集で5編収録されていますが、どれも面白かったです。
単純な面白さで言えば、今のところ本屋大賞作品の中で一番です。

ミステリーなので内容についてのネタバレはできませんが、個人的にはわかりそうでわからない、ちょうど良い難易度に感じ

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読書感想文(244)雨穴『変な家』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

この本を読もうと思ったのは、恋人が読んで面白かったと言っていたからです。
たまたま図書館で見つけたので、読んでみました。
表紙を見ると、何度か本屋さんで見たことのある本でした。

感想面白かったです。
推理は全くできませんでしたが、徐々に真相が明らかになるにつれて不気味さが増していき、どんどん読み進めてしまいました。

2

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読書感想文(243)一穂ミチ『光のとこにいてね』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はまたまた本屋大賞ノミネート作品です。これで5冊目です。
一穂ミチさんの作品は初めて読みました。

感想良かったです。
今のところ、今年の本屋大賞ノミネート作品で一番好みかもしれません。
青山美智子『月の立つ林で』と迷うところですが……。

内容については、感想がとても難しいです。
歪んだ(?)家族を扱っているのは最近

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読書感想文(242)ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(下)』(柴田裕之訳)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は超有名なビジネス書です。
昨年末に上巻を読み終えてから、下巻を少しずつ読み進めていたのですが、ようやく読み終わりました。

(↓上巻の感想文)

感想この本については、何を書けばいいのかとても悩みます。
テーマは多様過ぎて選べないし、選んだところで理解が追いついていない部分が多すぎて書けません笑
内容は面白いのに全然

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読書感想文(241)寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はまた今年の本屋大賞ノミネート作品です。
これで4作品目となります。このペースでいけば、大賞発表前に全て読むことができるかもしれません。

感想正直に言うと、文章があまり合いませんでした。
扱っているテーマはとても大切なことであり、もっと掘り下げられたものを読んでみたいなと思いました。
ただ、上手く言語化できないのです

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読書感想文(240)小川哲『君のクイズ』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品です。
凪良ゆう『汝、星のごとく』、青山美智子『月の立つ林で』に続き、3作目です。

感想面白かったです。
しかし、読後感はあまり良いものではなく、なんとなくモヤモヤした気持ちが残りました。
最終盤の所をもっと掘り下げてほしかったなぁ、と今振り返りながら思いました。

この本を読みながら、まずク

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読書感想文(239)スタンダール『赤と黒(上巻)』(小林正訳)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は数年前に買ったまま積ん読になっていた作品を読みました。
読もうと思ったきっかけは、岡本太郎の本でタイトルが出てきて思い出したからです。
スタンダールの本は『恋愛論』を以前読んだことがあります。『恋愛論』第一章の有名な「四つの恋」を知ったのは高校生の頃でした。
高校生の頃は坂口安吾を好んで読んだのですが、フランス文学を

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読書感想文(238)米澤穂信『黒牢城』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は昨年の本屋大賞9位の作品です。
今年の本屋大賞ノミネート作品を続けて読んだので、ついでに前から気になっていたこの作品も手に取ってみました。

感想面白かったです。
そもそもどんなお話なのか全く知らずに読み始めたのですが、すぐに時代小説であることがわかりました。そしてしばらく読み進めて、ミステリー小説でもあることがわか

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読書感想文(237)青山美智子『月の立つ林で』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞にノミネートされている青山美智子さんの作品を読みました。
青山美智子さんの本は、以前『木曜日にはココアを』だけ読んだことがあります。心の温まる優しいお話だったのを覚えています。
同じく本屋大賞にノミネートされている凪良ゆう『汝、星のごとく』を読んで、心が少し沈んでいたので、その回復を見込むという意味もあって、

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読書感想文(236)凪良ゆう『汝、星のごとく』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞にノミネートされている作品です。
読書系のnoteを読んでいると一番話題になっているように思ったので、読んでみることにしました。

感想これを「切ない」と表現して良いものか、疑問を感じました。
私の率直な感想を一言で言えば「えげつない」です。
どうしようもない環境の中で必死に生きる登場人物達に、共感(エンパシ

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読書感想文(235)相沢沙呼『invert Ⅱ;覗き窓の死角』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は城塚翡翠シリーズの3作目です。
単行本なので、図書館で借りました。
やはり面白く、一日で読み終えてしまいました。

今回はミステリー小説なので、感想がネタバレに繋がってしまうかもしれません。
直接的なネタバレは避けますが、気になる方はお気をつけ下さい。

感想今回は二つのお話がありました。
まず一つ目については、正直

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読書感想文(234)小倉真理子『斎藤茂吉;コレクション日本歌人選018』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々に短歌を読みました。
私は短歌が好きなのですが、好きというのもおこがましいほど浅学です。
斎藤茂吉の短歌すらほとんど読んだことがないなぁと思い、結構前にこの本を買いました。
コレクション歌人選のシリーズはよく利用していますが、代表的な歌を約50首読むことができるので気に入っています。

感想正直に言うと、あまりピ

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