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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2022年8月の記事一覧

読書感想文(187)岡本太郎『自分の中に毒を持て』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は芸術家として有名な岡本太郎の評論です。
今度、「岡本太郎展」に行こうと思い、その前に岡本太郎について知っておこうと思って読むことにしました。
以前、読書会で紹介されたことも手に取った理由の一つです。

感想とても良かったです。
最初の1ページを読んだ時から、「あ、これは良い本だ、当たりだ」と思いました。これは恐らく、

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読書感想文(186)綾辻行人『十角館の殺人』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はとても有名なミステリー小説です。
かなり前に気になって買ったものの、積ん読になっていたのを読みました。

感想とても面白かったです。
まあこれだけ有名な作品なので期待はしていたのですが、大満足です。

明らかにアガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』が意識される中、ミスリードを警戒しつつ推理しながら読み進めた所、

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読書感想文(185)墓田桂『難民問題』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々の新書で、内容はタイトルの通り難民問題についてです。
この本を読もうと思ったきっかけは、映画「マイスモールランド」を観たことです。近年、コンビニなどでも外国の方をよく見るようになった気がします。そうした、移民の方々が増えていることを実感しつつ、実際にどのようなことが起こっているのかは全然知らないなと思い、少し勉強

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読書感想文(184)夏目漱石『こころ』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石の後期三部作の三作目です。ついにここまでたどり着きました。
最近読んだ夏目漱石作品は全て初めて読みましたが、『こころ』だけは高校生の頃に一度読みました。
その時の記憶はそれほど強くありませんが、「両親と私」いる?などと思ったのは覚えています。しかし、それほど熱中しなかったような気がしています。
久しぶりに読み

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読書感想文(183)新潮社編『文豪ナビ 夏目漱石』(齋藤孝、三浦しをん、北村薫、島内景二、井上明久、藪野健)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石の小説ではなく、解説書のようなものです。
高校生ぶりに読む『こころ』に先立って、何かヒントになるようなことが書かれているかなと思って手に取りました。

感想面白かったです。
引用の他、10分で読める要約などもあるのですが、「そうそうあったあった」と思うものもあれば、「そんなこと考えてなかった!」というものもあ

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読書感想文(182)夏目漱石『行人』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石の後期三部作の第二作目です。

感想面白かったです。
特にいいなと思ったのは、最後の「塵労」の章です。その冒頭部がとても気に入りました。

特に最後の一文がいいなと思いました。
逆に言えば、呼吸をする度に春の匂が脈の中に流れ込む快よさを忘れてしまうと、それは老いた証です。
いつまでも春を感じられる若さを持って

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読書感想文(181)夏目漱石『彼岸過迄』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石の後期三部作の一作目です。
先日から夏目漱石の作品を続けて読んでいます。

感想面白かったですが、正直に言えば他の作品よりは楽しめなかったかなと思います。
ただ短い節に分かれているので、読みやすかったです。
読んだ印象としては『吾輩は猫である』に近かったのですが、『猫』よりも読みやすくて楽しめる部分が多かった

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読書感想文(180)夏目漱石『門』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石の前期三部作の三作目です。

感想面白かったです。
この作品を簡単にまとめると、社畜兼愛妻家の話です。そして世間に後ろ暗い事があることによって、生きづらさを感じています。
終盤、盛り上がってきた後に思っていたよりあっさり終わってびっくりしたのですが、Wikipediaによると、どうも作者の体調不良が原因のよう

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読書感想文(179)夏目漱石『それから』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏目漱石前期三部作の二作目です。
面白かった上にかなり読みやすかったので、あっという間に読み終わりました。

尚、今回は本書の他、『三四郎』や『こころ』のネタバレもある程度あるのでご注意下さい。

感想とても面白かったです。
ストーリーでいえば今まで読んだ漱石作品の中で一番良かったかもしれません。
一番色々と考えたの

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