日記、ないし外出の記録 五月七日
腹の立つほど清々しい晴天であった。
近所の煙草屋でアメリカン・スピリットのメンソールを買い、入口脇の灰皿の前で早速火を点ける。日光に透かされた背の高い街路樹の葉が美しく揺らめいている。光のせいで色とりどりに見える。良く照らされた上部の葉は白、下のほうの陰っている部分はビリジアン・・・と脳内で絵の具を選ぶ。この季節の緑を選ぶほど愉快なことは他にない。フィルターギリギリ、たっぷり一本分の煙を肺に収め、名残惜しくもその場を立ち去る。喫煙中は上手い具合に日陰に陣取ったが、日向に出ると