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中途採用の応募書類から何を読み取るべきか?
戦略コンサルタントのアップルです。
別の記事で、2回にわたってアップルが戦略ファームの面接官の立場として候補者をどのようにチェックしているかをお話しました。
戦略コンサルタントは採用面接で何をみているのか?(1)
戦略コンサルタントは採用面接で何をみているのか?(2)
今回はその番外編として、中途面接の応募書類で特にみるべきポイントについての私見をお話したいと思います。具体的には、「地頭の良し悪し」と「行動力や創意工夫力のあるなし」を、応募書類のどこに着目して読み取ろうとしているかという4つの着眼点をお話します。
地頭や行動力は、コンサルファームに限らず事業会社の採用でも重要なチェック要素だと思いますので、人事・採用に携わる方に広く参考にしていただけるのではないかと思います!
はじめに:戦略ファームの応募者像
コンサルファームに応募する際に必要となる書類は「履歴書」「職務経歴書」「志望動機書」の3点になります(他業界の中途採用と一緒だと思います)。面接の中ではケースディスカッションという特殊なことをしますが、応募書類はいたって普通です。
戦略ファームには大体どんな人たちが受けに来るのでしょうか?
概ね、以下のような感じです。
・年齢はアラサー(20代後半~30代前半)が大層
・出身大学は早慶以上(東大、京大、一橋、東工大、早慶)が太宗
・理系学部卒の方が多い(コンサル業界は理系出身者の方が多いです)
・前職・現職は、非常に幅広いが、いわゆる「大企業」の方が多い
(中央官庁、ベンチャー、学者のような人も受けに来ます)
学歴はみなさん早慶以上ですし、現職でピカピカの会社に勤めていらっしゃる方が多いので、学歴や会社のカンバンだけからその人ができる/できないを推測するのは難しいです。それ以外の要素からその人がコンサルタントとして活躍するポテンシャルを見抜く必要があります。
アップルの4つの経験則と応募書類でみるポイント
それでは、アップルなりの応募書類目利き術をご紹介します。
なお、これからお話する4つはあくまで「傾向値」であり、面接の際の参考や補完材料にする位置づけです。書類だけですべてはわかりません。実際には面接の中で個々の特性やポテンシャルを見極めています。
①理系の方が文系より地頭が良い
こう書くと文系の方から総スカンを食らいそうですが(苦笑)、あくまでコンサルで求められる「深く考える力」や「頭の回転」という意味での地頭は理系出身者の方が平均レベルが高いと思います。
(※ちなみにアップルは理系学部出身です)
特に深く考える力については、大学においてどういう学問をしてきたかで理系文系の差がついている可能性があります。理系では、仮説を立て、それを実験やシミュレーションで検証し、法則を導きだすというアプローチで学問をしますが、その過程での自問自答を通じて深く考える力が醸成されるのではないでしょうか。
履歴書は、学歴だけでなく、出身学部までみる。これが一つポイントです。
②大学は現役合格の方が浪人合格より地頭が良い
これは自明です。同じ学歴でも、現役合格と浪人合格では、その大学に入るのに投下したリソース(=勉強時間)は大きな差があります。小さな投下リソースで合格した現役合格の人の方が、理解力、頭の回転、記憶力が優れていると考えられ、相対的に地頭が良いとみるべきでしょう。
履歴書の中で「高校の卒業年と大学の入学年が一致しているかどうか」でここを確認できます。
③同学歴なら、地方出身者の方が都会出身者よりも地頭がよくガッツもある
例えば、同じ東大理科一類の学歴で、東京の有名私立高校卒のAさんと、地方の公立高校卒のBさんの2人がいたとしましょう。この場合私はBさんの方が地頭がよく、かつ、ガッツもあると判断します。
なぜかというと、都会と地方とでは教育環境に大きな格差があるからです。都会にはお受験文化があり、塾や予備校も非常に充実していますが、地方には全くそういう文化や環境はありません。周囲に塾や予備校がまともにないようなところに住んでいる場合もあるでしょう。
そういう不利な環境から東大などの有名大学に入る人は、飛びぬけて頭がいいか(いわゆる地元で神童と言われるような人)、もしくは創意工夫力やガッツが優れていて、血もにじむような試行錯誤しているかのどちらかだと思います。いずれもコンサルの仕事にはポジティブです。
④社名ではなく職種
先述のとおり、戦略ファームの応募者は会社のカンバンはピカピカの方が多いので、私は職種を重視するようにしています。
例えば、公認会計士や、企業法務に従事している方など「定められたルールに則ってきっちり仕事をする」タイプの職種の方は、戦略コンサルの仕事と相性が悪い可能性があります。なぜなら、戦略コンサルの仕事とは、自らがフレームやルールを作っていく側面が強いからです。
一方で、企画、マーケ、営業の人、もしくはまだ会社としてのカタチが固まっていないベンチャーでいろんな経験を積んでいる人は、自ら創っていく側面の仕事の経験があるので、ポジティブに捉えて良いでしょう。
まとめ
以上、まとめると4つの着眼点をお話しました。
①理系の方が文系より地頭が良い
②大学は現役合格の方が浪人合格より地頭が良い
③同学歴なら、地方出身者の方が都会出身者よりも地頭がよくガッツもある
④社名ではなく職種を重視
これらはいずれも履歴書や職務経歴書をサッとみればわかるポイントです。職務経歴書や履歴書をすごく細かく書いている応募者の方もいらっしゃいますが、それを隅々まで見てもあまり意味はないと思っています。書類ではこの4点を見ておけば概ね十分というのが私が到達した結論です。
今回はここまでです。
参考になりましたでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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