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iPod(classic)のデザインを全て解説

iPod (classic)の進化の方向は、ほかのガジェットとほぼ同じで①ディスプレイの性能強化、②コントローラーの小型化、③筐体の薄型化という方向で進んでいきました。

これらのうち、②コントローラー小型化のみがデザインが絡む進化で、あとは技術面での進歩によるものです。
iPod(classic)はそのコンセプトやシルエットにほとんどデザイナーが関与していない製品でしたから、iPod(classic)のデザインを語るということは、製品の外装を語るということと同義です。

そこで、各世代の外装の変化に着目しながらiPod(classic)のデザインを考えていきたいと思います。

第1世代・第2世代

第1世代と第2世代でホイールの設計に違いがありますが、基本的なデザインは変わらないので、まとめておきます。

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Apple

iPod(classic)はその設計にデザイナーが関与できなかったことへの反抗なのか、デバイスを「無」で覆い隠すことで、デバイスそのものの存在を透明にしてしまうようなデザインが用いられました。


結果的にはAppleの代名詞ともいうべきデザインが誕生し、Appleのデザインといえばこれ、というデザインになりました。

第3世代

これまでの世代よりも、筐体正面パーツの透明度が下がり、より白っぽい筐体になりました。白一色にも見えますが、白と透明の二層構造が維持されています。

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Apple

また、この世代では、コントローラーのボタン配置が変更になりました。
このデザイン変更については、別の記事で書いています。


デバイスの正面のエッジが丸みを帯びるようになりました。
この形状の方が、背面の形状と整合的なのでシンプルではありますが、透明感に欠けるという側面もあります。

第4世代

この世代ではコントローラーがクリックホイールになり、第3世代の独立したボタンは再び消失しました。

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Apple

この世代では、カラーディスプレイを搭載したiPod photoが登場し、のちの標準になりました。

第5世代

この世代では、ふたたび正面のパネルのエッジから丸みがなくなりました。(もしかすると第4世代の途中でエッジが丸くないモデルに切り替わっていたかもしれません。)

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Apple

第1世代のiPodを参照したと思しきiPod nano(第2世代)とデザインをそろえたことで、再びこのデザインに回帰したのかもしれません。

U2モデル

U2とAppleのつながりについては書きません。ここではデザインにしぼって見てみましょう。

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Apple

このコラボモデルは第4世代と第5世代の2世代にわたって作られました。

カラーリングの変化によって特別モデルを作る方法が用いられています。低コストですむので経済的なやり方ですが、それだけではありません。

こうした表面的な変更のみで別モデルを作るやり方は、iPodのデザインがその起源において、非常に表面的なものであったことと非常によくなじんでいます。


第6世代

この世代で製品名が単なる「iPod」から「iPod classic」に変化しています。
もはや「iPod」という言葉が示すのはこのシリーズではなく、「iPod nano」になってきていたという状況を踏まえたものです。少なくとも、「iPod」と言っただけではどのシリーズか特定しにくいという状況になってきてきたことは間違いありません。

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Apple

このような状況はiPodの外観にも影響を与えていて、シルエット自体はこれまでと変わりませんが、フロントパネルの素材はiPod nanoを参照してポリカーボネートからアルミニウムに変化しています。

iPod(classic)販売終了

iPod(classic)は第6世代を最後にデザインチェンジしなくなり、2014年に販売終了になりました。iPodというデバイスが役割を終えたことは明らかでしょう。

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