見出し画像

小型化の限界を逆手にとって新しいつながりを生み出したiPod shuffle(第1世代)のデザイン

画像1

Apple

総論で書いたとおり、iPod shuffle(第1世代)はデバイスの外観にある無駄を浮き彫りにしました。

しかしそれはデザインが優れていなかったということではありません。

第1世代の発表当時、世界中で人気を博しただけでなく、グッドデザイン金賞も受賞しています。

グッドデザイン賞の審査員からのコメントはこんな感じ。

機能だけを形にしたミニマムなコンセプトとスマートでシンプルに表現されたフォルムが美しく、このカテゴリーの中ではそのオリジナリティと完成度は群を抜いている。表示のない割り切りとコンパクトな造形、さらに機能をそのまま表現したネーミング、コストパフォーマンスとどれをとっても大胆な発想が活かされている。
https://www.g-mark.org/award/describe/31197

「機能だけを形にした」というのは、ランダムで音楽を聴くという機能ゆえにディスプレイをなくし、コントローラーと電源/再生モード切り替えスイッチのみを残したという形のことを言っているのでしょう。

iPodとしては初めてフラッシュメモリを採用しており、先に発売していたiPod miniよりもさらに小型なiPodとなりました。また、USBメモリのようにPCに直接さして音楽を同期することができました。

ここでは、小型化の限界を逆手にとって、iPod shuffleをガムやUSBメモリのように人にとって身近なものと同列に位置付けることで、ユーザーとのつながりを生み出しています。

画像2


ポケットに入れてもいい、にぎってもいい、首から下げてもいい。
スティック状のかたちによって生まれる新しい体験を提案することに成功したともいえます。

同じ体積でもスティック型でなかったとしたら、ユーザー体験はまったく違っていたはずです。

#毎日note #毎日更新 #デザイン #Apple #iPhone #日記 #エッセイ #コラム #Mac #iPad #デザイナー #毎日投稿 #apple #design

いただいたサポートは、研究用の書籍の購入、手元にない過去の製品の購入などにあて、よりよい記事の提供を目指します。