あおさ

昭和49年生まれ。名古屋市在住。胃腸が弱い。

あおさ

昭和49年生まれ。名古屋市在住。胃腸が弱い。

最近の記事

読書メモ「非常識な成功法則【新装版】」

 北野幸伯氏のメルマガで、新年の目標を立てるのに参考にしていると紹介があったので読んでみた。  これは、いわゆる「怪しい系」テクニックを軸に書かれた本だ。  やりたいことは何か。そう問われてもあまり思いつかないでいたが、この本にあるように、まず、やりたくないことを正直にかけるだけ書く。その後で、やりたいことを書く。そんな単純なことなのに、やりたいことがどんどん出てくる。このテクニックは新年の目標を立てたり、自分の進むべき方向を考えたりするのに一生使えそうである。  そして、や

    • 読書メモ「東大首席が教える超速「7回読み」勉強法」

       改めて勉強が必要になったが、日々の暮らしの中では机に向かっての勉強の時間が取れない。読むだけなら、と手に取ってみた。  同じテキストを7回読むことで内容を頭の中に写しとるというもので、科学的な根拠に基づくものではなく、筆者自身の経験から確立された勉強法である。とはいえ、東大に入り、そこで首席になり、司法試験に受かり、財務省に採用されたという輝かしい実績に基づいている。  読書百遍意自ずから通ず、の愚直な実践であろう。  筆者は「サラサラ読み」で1冊を30分から1時間で読むの

      • 読書メモ「TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術」

         歴史上の人物から現代のトップランナーに至るまでの様々な言葉から、あるべき休息倫理を導き出そうという本。「あなたもこうしてみてはどうか」という提案は随所にあるが、僕には現実的にやれそうなものはあまり見当たらなかった。  とはいえ、その考え方には刺激を受けた。燃え尽き症候群にならないように、積極的にタイムオフを設定すること(仕事をしないは時間を休息とするのではなく、休息を予め設定しておく。)。  また、近い未来、AIが簡単な作業を引き受けるので、人間は新しい発想や他者への思いや

        • 読書メモ 浅田次郎「流人道中記」

           舞台は江戸幕末、14代家茂の時代であるが、この物語はバディもののロードムービーの最高峰の一つといっていいと思う。ムービーじゃないけど。  見習い役人の乙次郎は数え19歳の若者。この若者が破廉恥な罪を犯したとされる偉い侍の青山玄蕃を江戸から青森の北の先まで送り届ける。  若くて融通のきかない堅物の乙次郎と、洒脱で聡明な玄蕃とのコンビが、途中で様々な事件に遭遇する。見事解決できる事件もあれば、思うようにならない事件もある。やがて、乙次郎は、玄蕃が本当に罪を犯したのかと疑念を抱く

        読書メモ「非常識な成功法則【新装版】」

          読書メモ「人生の優先順位を明確にする1分マインドフルネス」

           今まで何となく見聞きしていたマインドフルネス。これを分かりやすく概説した本ということで手に取った。  マインドフルネスとは何か?その効果は?やり方は?ということが平易に買いてある。一方で、なぜそうなるのかが理解できないところもあったが、分かりやすさ重視のためなのだと思う。引用元の文献が豊富に記載されているから、深めたいならそれを見てみる、ということだろう。  本当は誰かの指導を受けてマインドフルネスを実践するのが良いのだろうが、この本で、立ったままでも、歩きながらでもや

          読書メモ「人生の優先順位を明確にする1分マインドフルネス」

          読書メモ「スイッチ!」

           何かを変えようとするときにどうすれば良いか、その考え方や行動の仕方を論じた本。  人のわがまま感情を「象」、それを何とか操ろうとする理性を「象使い」、身の回りの環境を「道筋」と捉えて、わがままな象をどのように操って、あるべき道筋を進むかが語られる。  まず、理性が感情に比べてとてもちっぽけで弱々しいとしているのが面白い。ダイエットや勉強など、理性で分かっていても、感情に反対されてうまくいかないことばかりだからだ。  とても多くの実例から、①象使いに方向を教える、②象にや

          読書メモ「スイッチ!」

          読書メモ「一生頭が良くなり続ける すごい脳の使い方」

           50歳を前にして体力の衰えを感じている。同時に物覚えが悪くなりつつあり、年だから仕方ないと思っていた。これに対する福音のようならタイトルの本である。  脳の位置別、働き別にキャラ化しての楽しい解説で、特に「海馬ちゃん」がかわいい。  脳は怠け者ですぐに飽きてしまうけど、実は騙されやすい。その特性を活かし、覚えたいことが、楽しいこと大切なことだと騙してやれば、記憶に残してくれるという。騙す方法の一つとして、繰り返す、ということが挙げられていた。「こんなに何度も出てくる情報は大

          読書メモ「一生頭が良くなり続ける すごい脳の使い方」

          読書メモ「脳には妙な癖がある」

           脳学者による脳に関する話が網羅されている。読み始めると、実にさまざまな話題で、へえーとなりつつ、話題が多すぎてやや散漫な印象だった。それだけ脳の機能は多岐に渡るし、どのようにも切り取れるということだろう。  そうやって気軽に読んでいたが、ラストが近づくと次第に、自由とは何か、意思とは何か、という深遠な話に入っていき、引き込まれてしまった。  自ら熟慮して出した回答は、実は脳が反射的に出した結論に、後付けの説明をしているに過ぎないという。だから、考えるのは無駄、というのではな

          読書メモ「脳には妙な癖がある」

          読書メモ「忠直卿行状記」

           菊池寛著。徳川家康の子である結城秀康の子の松平忠直についての短編小説。  大阪の陣では真田幸村信繁を討ち取るなどの武勲を立てたが、のちに乱心し、幕府により国を追われた人物である。なぜそのようなことになったのかを探る小説である。  何といっても家康の孫だから、生まれながらの超貴種である。家中で勝負事をすれば、皆が忖度して負けてくれるし、誰も逆らわない。しかし、そのことに疑念を持ち、周りの者全てが自分に忖度していると疑った時、誰も対等に相手をしてくれないという孤独感に苛まれ、次

          読書メモ「忠直卿行状記」

          読書メモ「アナログ」

           「幸せな気持ちなんて、大切なものが一つだけあればなれるものかもしれない。」  ビートたけしによる恋愛小説。連絡先を知らないまま恋人になった2人は毎週木曜日に喫茶店で会う。何とロマンチックなラブストーリーかと読み始める。冒頭、主人公の上司のビジネス横文字ばかりの変な会話から始まる。笑いを誘われると同時に、筆者は随分とお年を召しているはずなのに、こうしたワードをしっかりとフォローしていることに驚く。  そして圧巻なのは主人公の親友2人の会話の面白さ。まるで、でなく、そのまま漫才

          読書メモ「アナログ」

          読書メモ「後世への最大遺物 デンマルク国の話」

           内村鑑三の講演録。冒頭から駄洒落で聴衆を沸かしたり、随所で冗談を交えたり、きっと楽しい講演だったのだろう。  生まれたからには、少しでもこの世を良くしたい、そのために何を遺すか。金でも、事業でも、思想でも良いだろう。しかし、それがなくても、勇ましい高尚なる人生を遺せばそれで良いという。つまり、逆境に負けず、正直に生きていくこと、その姿を周囲に見せて、正しい行いをする勇気を見せること、それを人生の目標にするということ。辛くても正しく生きるということに勇気をもらえる。  「生ま

          読書メモ「後世への最大遺物 デンマルク国の話」

          読書メモ「歎異抄」

           岩波の本である。購入して、現代語訳がないことに焦ったが、おおまかな解説を頼りに、原文を何度も朗読すれば、意味が分かってくる。しかし、門外漢にはまだまだその奥には入れない。  善人なおもて往生す、いわんや悪人をや。善人は極楽にいける、悪人はもちろんとのこと。有名な言葉だ。阿弥陀如来の前では、人の基準による善も悪もない。また、善人には善行をしている意識があり、往々にして自らを頼んでいる。それは、阿弥陀如来という自分以外を信じることから離れる。そうすると、自分がなく、ふらふらして

          読書メモ「歎異抄」

          読書メモ「マネージャーの最も大切な仕事」

           読後に何か行動を起こそうと思う本は良い本だ。この本はそういう本だった。  よく目にするビジネス本では、明確な目標とか、メンバーを管理することがマネージャーとして重要な役割であると解かれることが多いが、それよりも、メンバーの「インナーワークライフ」をポジティブにすることが最も大切な仕事であると説く。「インナーワークライフ」とは、要するに「仕事に関する心情」とでもいうものだと僕は理解した。   メンバーのインナーワークライフが良好であれば、仕事の成果は高まり、イノベーションも起

          読書メモ「マネージャーの最も大切な仕事」

          読書メモ「睡眠こそ最強の解決策である」

           単にたくさん寝よう、ということではなく、人間にとって睡眠とは何か、夢とは何か、どのような意味や効果があるのか、といったことを科学的な知見をもとに紹介しており、知的好奇心を刺激された。  睡眠というシステムは、進化の結果完成したものすごいシステムであることがよくわかった。単に心身を休めるだけではなく、脳内の情報を整理して記憶を作っているという。そのため、よく寝た方が仕事も勉強もはかどる。もっと仕事や勉強をしようと、睡眠時間を削るのは、逆効果でしかないという。そして怖いことに、

          読書メモ「睡眠こそ最強の解決策である」

          老人と海

           かつては偉大な漁師だった老人と海の主みたいなカジキマグロとの戦いを描く。手に汗握る戦い。老人がシブすぎる。  老人の戦いは一度は勝利に終わるが、サメに釣果を奪われる。虚しいことだろうか。いや、少年は釣果の証明となる骨と老人の思い出と釣りの技を受け継いだ。こうして、偉大なものは一つとなって、次の時代に引き継がれていく。こうして歴史ができていく。その素晴らしさを描いているのだと思う。

          老人と海

          飛ぶ教室

           子牛やチョウチョと仲良くなれるような自然の中で書かれたクリスマスの物語。作者にとってギムナジウムの少年時代は、そんな奇跡のような世界と繋がっているのだろう。  ラストの物語から抜け出した(または作者が物語に入り込んだのか)登場人物との邂逅も印象深い。宝物のような少年時代に戻ることができないとみんな思っているけど、その気になればいつでも戻れるよ。子供の頃を忘れなければね、そんな優しい作者の声が聞こえてくる。それは、正義さんの声でもあると思う。

          飛ぶ教室