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読書メモ「脳には妙な癖がある」

 脳学者による脳に関する話が網羅されている。読み始めると、実にさまざまな話題で、へえーとなりつつ、話題が多すぎてやや散漫な印象だった。それだけ脳の機能は多岐に渡るし、どのようにも切り取れるということだろう。
 そうやって気軽に読んでいたが、ラストが近づくと次第に、自由とは何か、意思とは何か、という深遠な話に入っていき、引き込まれてしまった。
 自ら熟慮して出した回答は、実は脳が反射的に出した結論に、後付けの説明をしているに過ぎないという。だから、考えるのは無駄、というのではなく、脳に良い反射をさせるために、良い経験を積むことを心がけ、後は脳に任せておけば良いという。何だか気楽なことだけど、脳学者がそう言うならそうなのだろうか。
 読み終わってみるとすごい話だった。自分の考えとか意志とか何なんだろうと揺さぶられた。

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