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2023年8月の記事一覧
シン・短歌レッス87
紀貫之の和歌
紀貫之のスーパーテクニックの短歌。夏に袖が水に濡れたことから、水が氷になり氷が溶けて、立春という四季の循環を歌った歌という。そこまでやらなくても立春でいいじゃんかと思うのだが過去に浸るのが和歌なのか?
古今和歌集
少し古今和歌集を読んでいくことにする。テキストは小町屋照彦『古今和歌集』「秋歌上」(ちくま学芸文庫)。
季節がら「立秋」からその巻の最初に来る歌は重要な歌だとされて
シン・短歌レッス86
紀貫之の和歌
前回の復習も兼ねて、「見立て」の紀貫之の名歌。
落花の美を詠んだ歌で、第三句「なごり」がポイント。第二句までは現実に散る桜を見たまま描いているが「なごり」は「名残」と 「余波」を表して、心情から想像の世界へ入っていく。「水なき空に波ぞ立ちける」は空に舞う桜だがその桜吹雪が海の白波のようだと見立てている。「水なき」もポイントで青空を海のように見上げてそこに白波のような桜が舞い散るので
シン・短歌レッス85
古今集 秋歌上
「しらなみ」は「白波」と「知らなみ」の掛詞。織姫のもとを訪ねる彦星の立場で詠んでいる。紀友則の七夕の歌は秋上に模範的に収められているが、似たような「雑体」で藤原兼輔の七夕の誹諧歌として収められていたのと注意して読む必要があるかも。これは季語「七夕」が立っているということなのか?似たような歌なのに藤原兼輔は諧謔と捉えれている。「脛」が滑稽の姿だというのだった。
「古今和歌集」の想
シン・短歌レッス84
古今集 秋歌上
藤原敏行朝臣は『百人一首』にも載るほどの歌人で三十六歌仙の一人。立秋の最初に上げられるのだからよほどの人なのだろう。勅撰集にも28首入っているという。
『古今集』の秋のストーリーは立秋の風から。そして、七夕、虫の音、月、秋の野、(初)雁、鹿と続いていくのだ。
古今集の和歌
鈴木宏子『「古今和歌集」の想像力』のさらに続き。
哀傷歌・雑歌・雑体・大歌所御歌──巻十六から巻二十
シン・短歌レッス83
古今集の和歌
鈴木宏子『「古今和歌集」の想像力』のさらに続き。
恋四「熱愛から別離まで」
恋四は恋がピークに達して、燃え上がった恋が一気に冷めて別れまでに発展するのだ。まず「恋四」の巻頭に置かれている熱烈な歌から。
「陸奥(みちのく)の」という漢字はこう書くのか。恋の迷い道というところだろうか?「安積(あさか)の沼」は地名で安曇野だろうか(歌枕になっていた)?「花かつみ」は花菖蒲のことらし
シン・短歌レッス82
古今集の和歌
鈴木宏子『「古今和歌集」の想像力』のさらに続き。
「恋3」は「初めての一夜とその前後」と興味深いトピックだった。その中の分類も細かく編集されているのである。
これほど分類して編集するのだから、紀貫之のオタク・グループのコレクション好きが伺われる。「なき名」は「噂」。宮廷内というせまい世界だから「噂」はすぐに立ってしまうのだろう。それにお付きの女房たちがそういうのが好きそうだ。紫
シン・短歌レッス81
古今集の和歌
鈴木宏子『「古今和歌集」の想像力』の続き。
「恋2」は小野小町の夢の和歌が最初に並ぶのだが、一目惚れして、夢・涙・死と詠む和歌と続いていく。死は、恋すると大げさになる有様で君に会えたなら「死んでもいい」というような気持ちだという。
紀貫之の歌は「白玉」だった涙が「唐紅」血の涙になったという大袈裟な歌。この頃は感情表現もオーバーだったのか?
藤原興風は覚えておいた方がいい歌人か
シン・短歌レッス80
紀貫之の和歌
『古今集 夏』のホトトギスばかり読んだ一連の歌でほぼ初期の歌だという。出典となった歌合では、紀友則の恋の歌と合わせられているから、この一夜は女性の元へ行った歌だという。ホトトギスよりも短夜を歌ったものだと。
同じような歌に『古今集』を編集時に醍醐天皇から歌を詠めと言われて詠んだのが、
漢字の郭公と時鳥の区別はなんでだろう。郭公の方が古い言い方なのか?
「桜花」の歌も『古今集
シン・短歌レッス79
和泉式部の和歌
朝顔の歌は『源氏物語』にも出てきて、昼には萎れてしまう儚さということだった。
紫式部のほうは「まがきにむすぼほれ」とあるように添え木が必要な感じだが和泉式部は朝顔の花だけで立っているような心持ちがする。
古今和歌集
恋歌の世界──巻十一から巻十五まで。
古今集の巻十までは春夏秋冬季節の歌だった。そして、巻十一から恋の歌が始まる。その恋の歌は恋一から恋五までの恋の進展(終焉)