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失敗の「意味変」をして、軽やかに行動しましょう。
コロナの時代はまだまだ続きそうで、ポストコロナの時代からずいぶんと物事や考え方が変わってきました。
そのような時代背景について、VUCA(ブーカ)という言葉があります。
VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)のことです。
VUCAの時代、先行き不透明な現代を生き抜くためには、いったいどういう能力が必要なのでしょうか?心理学の知見を使って解説していきます。
◇行動を起こせない心理学
先行き不透明だからこそ、行動をせずにじっと我慢しよう、後に回そう、という気持ちになるかもしれません。
ただ、行動を起こさないことで、現状が変わらなかったり、不透明な先を見通すことができず、その時代から取り残されてしまうこともあります。
不確かだからこそ、行動を起こしたほうがいい、そんな場面も増えているのかもしれません。
行動を起こせない原因には様々なものがあります。今日は「失敗がこわい」を取り上げてみたいと思います。
キングコング西野さんのVoicyでも失敗がこわい人のお話しされていました。
◇失敗を不安に感じると行動を先延ばししようとする
「失敗の恐怖」とは、その名の通り、「失敗することを恐れたり、不安になったりすること」です。
今日紹介する研究では、大学生を対象としたアンケート調査をおこないました。アンケートでは、レポートやテスト勉強といった大学生の「学業に関連する行動の先延ばし」と「失敗に対する不安」が調査されました。
アンケート調査を統計解析した結果、
失敗に対する不安が強い大学生のほうが、学業に関連する行動を先延ばしする傾向にあることがわかりました。
この研究では、大学生の学業に関連する行動に限定されていますが、「失敗に対する不安が強いと行動が起きにくくなる」可能性が考えられます。
失敗に対する不安にどうやって立ち向かっていきましょうか?
◇失敗に馴れる
認知行動療法では、不安に対する対処方法として「不安に馴れる(エクスポージャー法)」「考えを変える(認知再構成法)」という2つを活用します。
エクスポージャー法では、失敗に馴れるために、「どんどん失敗する」ということをします。逆説的な話なのですが、不安に馴れるには、不安な場面にでむき、不安と向き合うことが必要です。
「犬が怖くてな…」という犬恐怖症の方は、犬を避けて暮らそうとするので、実際に犬と向き合ったときの不安が正確にはどんなものだったのか忘れてしまってます。
最初は噛まれたりとか追っかけられたりとか、不安をあおられるような経験をしたかもしれません。ただ、すべての犬がそういう行動をとるわけではないので、じぶんのこころやからだが誤った反応を示しています。
不安というのは時間の経過につれてだんだんと低下していきます。本来ならば犬と向き合った直後は不安でドキドキしても、ずーっと一緒にいると慣れていくようになっています。
それが、犬を避けて暮らしていると、「犬を避けていることで不安が下がっている」と誤解して「不安は慣れるという経験をできない」でいます。ですので、
あえて犬と向き合うことで、あえて不安を引き起こし、だんだんと不安に慣れていく、大丈夫だったという経験をします。
失敗についても同じです。失敗場面を避けると「失敗はしたけど最終的には大丈夫だったという経験ができなくなる」かもしれません。「失敗するかもしれない場面で、何かを行っていくにつれて、最初に感じていた不安に馴れていく」ことにも気づけなくなります。
そういった理由から「失敗するかも…と不安に感じている場面にも、積極的に立ち向かっていく方が、結果的に失敗不安が下がっていく」と考えられます。
以下の記事もご参考に!
◇失敗を意味変する
もう1つは「考え方を変える」です。つまり、「失敗を意味変する」ことに取り組んでみましょう。こちらは「行動実験」という発想を使ってみましょう。
「行動実験」では「なにかをしてみないと結果がどうなるかわからない」という前提で行います。そのため「まずは行動してみましょう」と提案します。
一般的に、行動してみた結果、「自分が思った結果が得られなかった=失敗」なのですが、そこを意味変します。
行動してみた結果、「自分が思った結果が得られた=同じことを繰り返しやってみる」「自分が思った結果が得られなかった=次にうまくいくためのデータを得られた」と考えてみましょう。
うまくいった場合は「おめでとうございます、その行動はまたやってみると同じようにいい結果が得られる可能性があるので繰り返し行いましょう」となります。
うまくいかなかった場合は「次にうまくいくためにはどうしたらいいかを考えるためのデータが得られた」と考えましょう。そうすると、そのデータを次に活用するための行動をすることに成功したとなり、次にうまくいく可能性がアップします。
というわけで「失敗にあえて立ち向かう」「失敗を失敗としない意味変をする」ことで、VUCAの時代でも行動を起こせるように少しずつチャレンジしてもらいたいと思います。
ただし、今後お話ししようと思いますが「チャレンジと無謀は別物」です。最初からホントの意味で失敗が見えていることは行動に起こさないほうがいいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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