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【2021年を振り返る】光の粒が少しずつ、私の周りに広がっていく

2021年が今日で終わる。

激動の1年だった。
色々な新しいことや人に出会ったし、色々なことや人と距離を置いた。

今、私が一人で住む家には「縄」がある。
段ボールで送られてきたときのまんま、玄関におきっぱなしの白い縄だ。

これは私が、不安症を発症し治療をはじめた5月から、引っ越しをした6月になっても不安定のまま、希死念慮が取れずおもわず購入したものだ。

友人は「着払いで送ってこい」と言った
「プレイとして違うことに使えばいい」と言った

それでもなんだか捨てられなく、また開けることも出来ない私は
そのままにした状態の、「縄」がまだ玄関に置いてある。

「いつか使うかもしれないから」と、思っておいてある時もあった。

希死念慮は、このマガジンでの日常を読めばわかると思うがずいぶんと長い間頭の中にこびりついていた。

友人は私に「飛躍の年だったね」と言った。

だけど、私が走り続けていたのは周りの人がいたからだ。
1人で高く高く跳んで行けたわけじゃない。何度も何度も立ち止まってはひんやりとした薄暗がりの洞窟の奥底に潜り込んでしまう私を、
あたたかい光のようなひとたちがぐいとつかみ上げ御輿に担いでくれた。

その御輿はまばゆく陽気で、愉快で、キラキラとしていた。
私の周りの人たちが、出会いが、それを見つけさせてくれたのだ。

闇の中の暗がりばかり見つめていた私は、「私の行く先々には楽しいものがたくさんあるのだ」ということに気付かされた。

何度も立ち止まり、ひとりで泣いた。
もうむりだ、と今年何度つぶやいたかわからない。

それでも走る、走ろう、そうすればきっと
目の前に見えているあのキラキラの中に私は入ることができるかもしれないと。そう自分を疑ってはいけないと。

そうやって少しずつ立ち直り、ああでもない、こうでもないと
色々な挑戦を増やしながら「自分が自分らしく楽しんでいられること」だけに重点を置き、突き進んでいった。

握りしめたペンで苦しみの黒や灰色ばかりを描きながら、そして今度はロープを握りしめることを夢見て、あとは死に場所を探すだけだ、などと考えていた。薬をたくさん飲み、意識を失い親と役所の人がかけつけたこともあった。

あれは、何カ月前の私だろう。

今の私は、そんな自分の涙をぬぐうことができるように
きっとなっている。

私一人の力では無理だった。周りの人たちが、新たな場所にいくたびにある素敵な出会いが、見守ってくれ、応援し、そして私と言う人間のために御輿をかついで光の方まで引っ張っていってくれた。

私は、
伝えたいことを伝えるべき人に伝えて癒すことが夢だ。

そしていま何かを伝えるのならば、周りへの感謝だ。
今の私の命を紡ぐのは、私一人の力ではなかった。

あの人への想いも、私の生きる糧となった。頑張れない、もう誰も信じられないと嘆きながらもあの人への想いだけは信じることができていた。
ずっと、ずっと。

この冬の寒い風に乗って、気持ちを昇華していかなければならない
夢に向かって走るあの人と、私は歩幅を揃えることはできないけれど
同じように「夢に向かう」仲間だと、今でも想ってる。

本当に大切にしないといけない人
本当に信じられる人

去年の私には、見つけられなかった出会いが
たくさんある1年だった
そして、家族への愛や、家族から自分がどれだけ大切に思われているのかを改めて確認することになる、1年でもあった。

たくさん、これからもしたいことがある。
守りたいものもあるし、大切なものもたくさんある。

きらめく世界へまだ一歩足を踏み入れたかどうか、というところだ。

希死念慮から少し距離をおいて、私はやっとスタート地点に立ったのだ。

「輝いて生きて」

どうせ生きていくのなら、自分が楽しくあるべきだ。楽しいは光を放つ。そしてそれは、自分の輝きとなるのだから。

2022年、どんな年になるだろう。
感謝の気持ちを忘れずに私は私らしく生きていこう。

本年は大変お世話になり感謝いたします。
来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2021.12.31
山口葵

standfm朗読版

#2021年の出会い


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