【The Last 2 Days】指先につけた大きなビジュー
ネイルを、大会に着るドレスに合わせて綺麗にしてもらった。もともと爪が折れやすく伸ばしてもすぐに切らないといけなかったためいつも深爪状態の私の爪。
去年コンプレックスだったものを、少しずつなくしていこうと思う中で思い浮かんだものは爪だった。PRのお仕事をしていると、どうしても手元がうつり特に気になり始めていた。そこで、ジェルで補強しながら伸ばし始めることにした。
はじめてのネイルは、まるで桃みたいにぷっくりとして、デザインネイルをしても様にならないような小さな爪。ずっとこの爪がコンプレックスだった。これを1ヶ月置きに塗り替え、少しずつ育てていくことにした。
「私も綺麗な爪になれますか」と、はじめて塗ってもらったあと恐る恐る訊ねてみたところ、なんの躊躇いもなく「もちろんですよ」とネイリストさんは微笑んだ。
こんな小さな爪。ネイルサロンに飾ってあるような見本のネイルとは程遠い。いつか私もあんな爪になれたらな。そうしたら、色々なデザインをつけてネイルのおしゃれを楽しみたい。
これが、ちょうど1年前の出来事だったと思う。
2ヶ月目。
3ヶ月目。
少し爪らしくなってきたことが嬉しくて、補強のためにしていた半透明のジェルをやめて初めてグラデーションにしてもらった。
4ヶ月目。
5ヶ月目。
5ヶ月目のこの時は、お仕事としてしていただいたネイルだった。あんなにまあるくぷっくりとしていた爪は、いつの間にかこんなにもネイルアートが似合う形に変化していた。ジェルをつけることで、伸びてもほぼ折れない。
折れかけてしまったらすぐに補強し、なるべく早くサロンに行って、亀裂止めをしてもらった。手遅れな場合は綺麗に整えてまた伸びるのを待った。
今は安定して同じサロンに通っているため、そういったこともほとんどない。
「ネイルを楽しむ」ことが、私の中の1ヶ月の楽しみの一つになっていった。育ってきた爪を楽しんでいると、自然と指全体を褒められることも増え、ファッションの一部として、私の「自信」の一部として、ネイルが好きになっていく。
ガイドブック撮影の時には「彩り」を表現したいことを伝えると、ユニコーンネイルというものをしていただいた。マグネットネイルの一種で、シンプルだがきらきらっと、光って虹色にみえるというもの。
その後数カ月はマグネットにハマってしばらくこのネイルをお願いしていた。
伸ばしながらもなるべく、シンプルにシンプルにしていた私のネイル生活だが、今回初めてドレスに合わせたゴージャスなネイルを施していただいた。
ドレスの画像を見せ、色味を。
ピアスの雰囲気を合わせてストーンを選んだ。
たかが爪かもしれない。
だけど、私にとっては自信のつく大切なパーツの一つだ。
仕上がりはとても素敵で、自分の指ではないようだ。きらきらと輝く指を何度も見つめてしまう。
会場に来た方がこの爪を見えることはあまりないのかもしれないが、それでも私はこのネイルをして、舞台に出ることで自信をつけられる。
明日はヘアに行く。今日でこの髪型とはおさらばだ。
ああ、私のすべてが、彩られる。
中日本大会の最高の舞台を、最高の自分の状態で楽しもう。
BeautyJapan中日本大会まで、あと2日。
山口葵
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