あおいほし絵画教室【兵庫県宝塚市|大阪府池田市】

子どもたちの歩みと、あおいほし絵画教室のおもい。 ▷Instagram https:…

あおいほし絵画教室【兵庫県宝塚市|大阪府池田市】

子どもたちの歩みと、あおいほし絵画教室のおもい。 ▷Instagram https://www.instagram.com/aoihoshi_atelier/ ▷LINE https://lin.ee/2ndLhCf ▷HP http://aoihoshi.main.jp/

マガジン

  • 連載【第49回伏尾台夏祭りプロジェクト】

    大阪府池田市伏尾台で行われている”伏尾台夏祭り”。そのステージに飾る幅9mの大きなステージ絵の制作を、あおいほしの子どもたちに任せて頂けることになりました。プロジェクトに参加するは年齢も地域もそれぞれ、26名の子どもたち。 制作前の打ち合わせから、下準備、子ども会議、制作日まで、子どもたちの様子や教室の思いを連載しています。

  • あおいほし絵画教室|作品事例集

    あおいほし絵画教室では、子どもたち一人一人の思いを育み対話を積み重ねながら、 それぞれの発想や表現と向き合うことを大切にしています。 子どもたちの素敵な作品とともに、製作中のやりとりや完成までの道のり、教室の思いなどを綴っています。

最近の記事

  • 固定された記事

おかしのいえ(K.Iくん)

この記事は2019年8月9日にホームページにて掲載したものです。 Kくんがなにやら嬉しそうに本を持ってきた。 どうやら自由工作の本みたいだ。 「先生、今日はおかしの家と、イルカの貯金箱を作りたいんや」 付箋でブックマークしたページを指差してKくんが言った。 よしきた。子どもたちの作りたい気持ちには100%で答えるのが僕の信条だ。 どっちを作る?という僕の問いに、どっちもとKくんが答えるので、まずはどっちか一つを選んでくれと僕は頼んだ。Kくんはしばらく悩んだ後で、おかしの家

    • おばけやしき(M.Iちゃん)

      この記事は、2021年5月2日の教室の様子です。 僕はMちゃんの発想が大好物だ。 彼女の考えつくことはぜんぶ面白い。 言うなれば大胆で、ときどき奇天烈で、それでいて無垢で、とてつもなくフレッシュ。 Mちゃんが何かをひらめいたときはいつも、「そうだ、」と言って目を輝かせる。 「そうだ、サメの絵を描こう!」 「そうだ、お店をつくろう」 「そうだ、ネコが遊んでいるところを描こうっと」 誰に伝えるでもなく、まずは言葉にする。 自分のアイデアを形にするための、はじめの第一歩だね。

      • らーめん定食(S.Kちゃん)

        この記事は、2021年4月11日の教室の様子です。 先日、買い出しに行った画材店で、たまたま粘土工作のキットを見つけた。 粘土を細く切り分けられたり、製麺機みたいに押し出して遊べる工作キット。 僕は、こういう面白そうなものを見つけるとついつい買ってしまう。 買った後で、どうやって使おうかなって考えるんだ。 それでもまあ、子どもたちに人気のなかったものはみんな、押し入れの中へと眠っていくんだけど。笑 * 今日も元気いっぱいのSちゃんが来た。 教室に来るなり、Sちゃんは「粘

        • ソニックがおこって雷を落とした絵(S.Yくん)

          この記事は、2021年3月31日に行われた教室の様子です。 僕はS君のことを以前から知っていたのだけど、教室に来てくれたのはこの日が初めてだったよ。 彼のことはずいぶん前から知っていたし、彼も僕のことをよく知ってくれているにちがいない。そして僕はS君にとっての一番の理解者で、誰よりも彼の味方でありたいと思っている。 * 僕は子どもたちが描く絵の世界がとても好きだ。 子どもたちとのコミュニケーションを、僕ら大人は手っ取り早く、ついつい言葉に頼ってしまいがちだけども、子ども

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          65本

        記事

          お花の妖精(S.Kちゃん)

          この記事は、2021年3月28日の教室の様子です。 隔週ごとに会うSちゃんの成長に、僕は毎回驚かされている。 背や顔つきがお姉さんになっていることはもちろん、文字を書いたり、新しい知識を得ていたり、この前は出来っこなかったことでも、気がつけば当たり前にこなしているじゃないか。 いったいこの2週間で何があったの?という驚きを、毎回僕にプレゼントしてくれるのだ。子どもたちの成長ってほんとうに早い。 成長期、とかいう言葉がぴったりだと思う。 世界との新しい出会いを、なんでもか

          ビー玉ころがし(K.Iくん)

          この記事は、2021年3月28日の教室の様子です。 ここ数年で、子ども向けの習いごとの1つに、プログラミングという科目が定着してきた。 とても新世代的で、これからの時代を見据えている。とても面白い取り組みだと思う。 コンピューターに向かってコードを打ち込み、失敗を重ねながら修正を繰り返し、意図する動きに近づけていく。 自分が作ったものが動いたり、走ったりすることってすごく面白い。 子どもたちは日頃から、おもちゃの車や飛行機を、想像の世界の中で走らせている。そんな子どもた

          トラ(Y.Nくん)

          この記事は2021年2月28日にホームページにて掲載したものです。 Y君、今日で4回目の教室。 数を重ねるにつれて、Y君とアクリル絵具が仲良くなってきている。 そしておまけに僕とも、仲良くなってくれている。笑 今回、Y君が描きたいって選んできたテーマは、ジャングルの王、トラだった。 トラ。トラかあ、と僕が唸ったので、「むずかしい?」とY君が訊いた。 「このあいだ描いたビーグルがこれくらいとするでしょ。」 僕は両手を胸の前で小さく広げたあとで、「トラはね、これくらい」と言

          お洋服やさん(S.Kちゃん)

          この記事は2021年2月28日にホームページにて掲載したものです。 「これ使ってもいい?」 ダンボールの空き箱を見つけて、なにやらSちゃんがひらめいたみたいだよ。 僕の「いいよ」の返事よりも先に、「これでレストランをつくろうかな~」とかなんとか、つぶやき始めている。 Sちゃんのひらめきはいつもかわいい。小さな小さな電球が、彼女の頭の上にパッと輝くのが、いつも僕にも見えるのだ。 そして思いついたそのひらめきをすぐに形にしようとするところがSちゃんのいいところ。 さっそく、

          ピザやさん(H.Iちゃん)

          この記事は2021年2月15日にホームページにて掲載したものです。 アイスクリームやさんから始まった、Hちゃんプロデュース・ショップ、第3弾。 アイスクリームやさん(H.Iちゃん) 今日は「ピザやさんにしよっ」だって。 Hちゃんのそのアイデアを聞くだけで、僕はもうワクワクしてしまう。 まずはピザの生地作りから。 イメージに合う色の画用紙を選び、丁寧に丸を切る。 次は絵の具を混ぜ合わせて、ピザソースを作った。 赤とオレンジを加減しながらイメージの色を作った。トマトソー

          ビーグル(Y.Nくん)

          この記事は2021年2月14日にホームページにて掲載したものです。 前回、アクリルガッシュと仲良しになったYくん。 今日は動物を描くって、張り切ってやって来たよ。 「何の動物にする?」と僕が訊くと、「犬がいい」とすぐに返事をした。Yくんの家にはワンちゃんがいるらしい。動物が好きなんだって。 犬と言ってもいろんな犬がいるよ。「どんな種類のワンちゃんにする?」と訊くと、今度はうーんと悩んでいた。頭の中にはイメージが浮かんでいるのだけど、その犬種の名前が出てこないらしい。

          蒲生氏郷の兜(Y.Nくん)

          この記事は2021年1月10日にホームページにて掲載したものです。 鉛筆やペンで細かい線画を描くのも楽しいけれど、たっぷりと絵の具をつけた筆で描く絵の楽しさを、子どもたちにはどんどん味わってほしい。 エンピツやペンから描き始めるとね、どうしても細い部分が気になってしまう。輪郭線や、顔の表情。手の動き。細かい表現から描き進んでしまう。そうすると、いざ全体へとなかなか進まないのだ。 筆で描く絵というのは、僕の(独特な)感覚で例えると、砂遊びなんかと似ているように思う。まずは

          ひょうたん(J.Iくん)

          この記事は2020年12月27日にホームページにて掲載したものです。 僕が子どもの頃に通っていたアトリエの先生に、一番最初に習ったのが水墨画だった。鉛筆のデッサンよりも先に教えてもらったことを覚えてる。 半紙や筆には、書道で馴染みもあったので取り掛かりやすかった。 水墨画はとても奥が深いのだけど、かしこまらず肩の力を抜いて楽しむことだってできる。 脳みそが動くよりも先に手が動いて、手が動くよりも先に筆が動いて、筆が動くよりも先に墨汁が半紙に吸い込まれていく。そんな感じ。

          冬(Y. Yちゃん)

          この記事は2020年10月26日にホームページにて掲載したものです。 Yちゃんの描くイラストの出来栄えが、日増しに上達していることに気づいているかな。 瞳の描きわけ、輪郭線の工夫、髪の毛のストローク、人物の頭身から、全体的な構図まで。 毎回ごとに彼女の絵を見て感じるのだけど、前回教室に来たときよりも確実に、描き方が手についている。 Yちゃんがイラストを描く姿を見て、僕はいつも想像をする。 毎日、学校の空き時間でノートの隅やプリントの余白に次から次へと絵を描いているYち

          ひよこちゃんのおうち(Y.Iちゃん)

          この記事は2020年10月25日にホームページにて掲載したものです。 Yちゃんがやってきた。 今日がまだ2回目の教室で、ドキドキしている様子で机に座ったよ。 紙粘土を持ってきてくれた。袋から取り出して、こね始めている。 「何を作るの?」と訊いてみたけど、僕の目をじっと見るだけで何も言わない。(笑) まだドキドキしているみたい。 Yちゃんが作りかけているその形を見て、ひよこかな?と思ったので、そう訊いてみると、Yちゃんは「うん」と首を縦に振ってくれた。 「Yちゃんがひよこ

          花の時計(T.Kちゃん)

          この記事は2020年10月18日にホームページにて掲載したものです。 これ、売り物じゃないよ。 Tちゃんが作った時計だよ。 1枚1枚丁寧に花びらを切って作ったお花を、贅沢に飾り付けた。 主役は、フェルトを重ねて表現したラベンダー。 ラベンダー! 僕にはそんな発想、とてもじゃないけどできっこない。すごいよね。 僕の役割はいつも決まって、「いいね!」と心から讃える。それだけ。(笑) あ!今回はもう1つあった。 固まったボンドのふたを開ける。(笑) お役に立てるなら、

          プレゼントのお花の絵(S.Kちゃん)

          この記事は2020年10月18日にホームページにて掲載したものです。 絵っていうのはね、つまり心だと思うよ。 * Sちゃんがたまたま落書きをしたお花がすごく綺麗で、僕はそれに一目惚れしてしまった。 「それすごくいいね、それをさ、こっちの紙に、もう一度描いてみてよ。」 なんとか作品にしようとする下心たっぷりの僕の言葉がけに、Sちゃんは「ほーい」とあまり気乗りせずに描き始めた。 出来上がった絵は、なんというか、うーん、率直に言うと、あまりいいものではなかった。 四つ切り