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プレゼントのお花の絵(S.Kちゃん)

この記事は2020年10月18日にホームページにて掲載したものです。

絵っていうのはね、つまり心だと思うよ。


Sちゃんがたまたま落書きをしたお花がすごく綺麗で、僕はそれに一目惚れしてしまった。

「それすごくいいね、それをさ、こっちの紙に、もう一度描いてみてよ。」
なんとか作品にしようとする下心たっぷりの僕の言葉がけに、Sちゃんは「ほーい」とあまり気乗りせずに描き始めた。

出来上がった絵は、なんというか、うーん、率直に言うと、あまりいいものではなかった。

四つ切り画用紙の端にポツンとお花が一輪だけあって、制作中に僕が「紙いっぱいに描いてみて」と声(下心もりもりのね)をかけたものだから、画用紙の空白を埋めるかのようになぐりがきの線が描かれていた。


子どもに、「こんなふうに」とか、「あれを」とか、大人のイメージが先行して“描かそう”とすると、その絵は例外なく、良くない絵になる。イメージを押し付けた時点で、子どもの想像の世界ではなくなるからだ。
子どもにそんな絵を描かせたらだめです。わかってはいたんだけど、欲張ってしまった。反省。ごめんなさい。


その後でSちゃんは「おばあちゃんにプレゼントする絵を描く」と言って一輪の花を描いた。
一生懸命に、とても丁寧に色を選んで、塗り込んでいた。
仕上げに赤いフェルトを下地に貼ったよ。
「おばあちゃん喜ぶかなぁ」だって。

そりゃ喜ぶよ。こんなに心がこもった、素敵な絵だもんね。

P.S.
…僕が一目惚れしたお花も載せておきます。
(未練たらたら男。しつこい。)

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