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この記事は2020年10月26日にホームページにて掲載したものです。

Yちゃんの描くイラストの出来栄えが、日増しに上達していることに気づいているかな。

瞳の描きわけ、輪郭線の工夫、髪の毛のストローク、人物の頭身から、全体的な構図まで。

毎回ごとに彼女の絵を見て感じるのだけど、前回教室に来たときよりも確実に、描き方が手についている。

Yちゃんがイラストを描く姿を見て、僕はいつも想像をする。
毎日、学校の空き時間でノートの隅やプリントの余白に次から次へと絵を描いているYちゃんの姿を。
パッと思いついたその時、その新鮮なイメージのままに手が動く。それはYちゃんのとびきり贅沢な才能だと思う。


自分の頭の中にあるイメージが指先を伝い、紙に表現されていくのを見る。ああでもないこうでもないと細かい修正を繰り返しながら、着々とイラストのスタイルを確立させてきている。プロのイラストレーター顔負けの努力だ。
そしてその努力を、楽しみの中で継続されていることが本当にすてき。絵を描くことが本当に好きなんだろうな。


このあいだYちゃんに「女の子の瞳の描き分け方」を教えてもらった。笑ってる瞳、涙が出そうな瞳、怒っている瞳。ほんの少し横線を入れたり、線の幅を微妙に描き分けたりすることで、それぞれのニュアンスが出る。なんでもないことのようにYちゃんは喋っていたけれど、僕は心から尊敬したよ。


Yちゃんのイラストは、どれもさらさらっと描かれている様にも見えるけど、実は1つのイラストが完成するまでに、たくさんの試行錯誤が繰り返されている。

まるっきしポージングが違うものもあれば、ほんの少し目線が違うだけのものもある。
Yちゃんがその出来上がりに満足できなかったものには、大きいバツ印が付けられる。

その中でYちゃんが、これだと心に決まったものに色が塗られていくんだ。


教室の学習机の引き出しの中には、Yちゃんがバツした作品(彼女にとっては作品ではないらしい)がたくさん置いたままになってる。
教室に来たときにYちゃんがいれば、見せてもらうと良い。すごく参考になるよ。


今のYちゃんは、女の子の身体の描き方をテーマに、いろんなイラストや漫画の絵を見て勉強しているところだって。
新しい絵を見せてもらえるのが、今からすごく楽しみだ。


P.S.
日常の中で自然と絵が描けることって、本当に特別な才能なんだよ。
大人になって、ライターや音楽家など初めとする大勢の創作家たちは、その創作のスイッチを入れるためにわざわざ特別な部屋を作ったり、ホテルの1室にこもったり、遠い外国や深い森の中に入っていく人だっているほどだ。
それくらいこの現代のジャングルの中には情報や刺激が多く………

…って僕のくだらない話はもういいか。笑

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