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読書まとめ『貯まらない生活はもうやめよう』→価値観を視える化して、偏愛空間を作る

『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』ミニマリストTakeru


一言で言うと

価値観を視える化して、偏愛空間を作る



概要

経済的自由を達成したミニマリストYouTuberによるマネー本です。私はお金についてそこそこ学んできたつもりで、生活もミニマリスト寄り。それらを掛け合わせた本書で新しい発見がありそうだと思い、読んでみました。自分の中で捨て活が停滞している感がありまして、モチベーションの再点火になれば、という思いもあります。


本書は7章構成で、著者のお金・幸せ・ミニマリズム観を学ぶことができます。第1章~第3章は、ミニマリストの視点でお金について深く考察されており、興味深い内容でした。一方で第4章~第7章は、内容自体は共感できるものの、ミニマリストとはあまり関係なく、既存の自己啓発本・投資本を浅く広くなぞったような印象を受けました。

また、各章の間にあるコラムがおもしろいです。著者以外のミニマリストから実体験が寄稿されており、色々な生き方・考え方を知ることができます。1人10ページ程度に凝縮されているので、サクッと読めるのに濃密。著者も含めて、いずれもTwitterやYouTubeなどで発信活動をされているミニマリストなので、気になる方がいればフォローしてみては。


本書を通して、ミニマリストの生活様式は、自分の価値観の視える化だと考えました。自分の価値観に沿った、心から好きなモノだけを置いた部屋って、まさに偏愛マップが具現化した空間ですよね。そんなところで生活していたら、幸せになれること請け合い。

タイトルが「貯まる生活に変えよう」とかではないのも、重要な意味が込められているように感じました。モノや情報があふれる現代において、自分を変化させるには「やめる・捨てる」ことから始めるべき、というメッセージを感じます。

本稿では、ミニマリスト的な生活を送るための心がけを3点でまとめました。本書からの学びだけでなく、今まで読んできた他の本とリンクするところが多かったです。



① 最重要に集中できる環境作り

ミニマリズムは、集中力を管理する手法の一種なのかな、と考えました。例えば、カフェや旅館には、最低限のモノしか置かれていません。それがストレスのない環境作りにつながっていると本書では主張されています。ホテルの部屋の非日常感って、スーツケースを開けた瞬間に崩れちゃうんですよねー。

必要なモノだけを持つ状態は、トヨタの5Sにおける「整理」ができている状態だと言えます。本書のコラムでは、経営にミニマリズムを取り入れて成功した社長の話が2つ掲載されています。ミニマリズムでモノを減らして集中できる環境を作ることは、トヨタの生産性を上げる考え方と同じ方向性だと感じました。

また、モノが減ると、自分が何をどのくらい持っているかが把握しやすくなります。お金の面では、余計な買い物を防いだり、今あるモノを大切に使ったりする(買い替えが減る)効果が期待できますね。お金はお金のあるところに集まる、と言ったりしますが、モノもモノのあるところに集まってしまうようです。



② 最速でスタートを切る

早くゴールすることは難しくても、早くスタートすることなら誰にでもできます。ここはビジネス書も顔負けの秀逸な主張があったので、そのまま引用します。

経験が浅いうちは、仕事が遅いのも無理はありません。しかし、スタートが遅いのは致命的です。なぜなら、仕事の速さは「能力」や「経験」の問題ですが、スタートが遅いのは「姿勢」の問題だからです。

モノを少なくして身軽になることで、行動力が高まります。出かける準備が少ない人の方が、早く出かけられますよね。普段はお気に入りのモノに囲まれて穏やかに過ごし、チャンスを見つけたらすばやく動く。農耕牧畜ではなく、狩猟採集っぽいイメージでしょうか。

モノを減らすことで、環境の変化に強くなれる、というのも目からウロコの考え方でした。環境の変化を想定すると、私たちはモノを増やす行動を取りがち。梅雨が近づけば除湿機が、暑くなってくれば冷感グッズが欲しくなるものです。一方ミニマリストの場合は、極端な話、暑くなったら涼しい地域に引っ越すこともアリなわけですね。モノを持つ代わりに、余白や柔軟性を持って環境に適応する生き方と言えそうです。



③ 最短でゴールしようと思うな

すばやくスタートを切ったら、結果を焦らずにじっくり取り組む姿勢が必要です。著者も、現在はYouTuberとして経済的自立を達成していますが、そこに至るまでには7年かかっているとのこと。

自己投資にせよ金融投資にせよ、投資のリターンが大きくなるには時間がかかります。短い運用期間で大きなリターンを謳う投資商品は、ギャンブルに近い超ハイリスク商品か、ただの詐欺。安定したリターンを求めるなら、利回りの大きさに惑わされず長期投資するのが鉄則です。自己投資として学習したり人脈を作ったり健康に気を遣ったりするときも、短期間でのリターンを求めすぎないことが重要になります。長期間に渡って投資しつづける価値があることだけをやる・他はやらない、という意味でミニマリズムに通じるところがありますね。

結果を焦ると不安になり、不安になるとモノで埋めようとするのが人間の性質だと感じました。モノを捨てるときの抵抗感として「いつか使うかも」は定番中の定番ですが、将来それが必要になったときの不安感をモノで埋めている例なのかもしれません。ありもしなかった不安を掻き立てて、不安を解消する商品を売るのも広告の常套手段。災害への備えとかはもちろん必要ですが、不安を解消するためにモノを買おうとしていないか、その不安は妥当な不安か、考える習慣を持ちたいと思いました。



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今まで読んだミニマリスト本に対しても、やはり「大切なこと」「選択と集中」といったキーワードで捉えていました。



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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。