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読書まとめ『偏愛マップ』→個人の世界観を視える化して発見を促す

『偏愛マップ キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド』齋藤 孝


一言でいうと

個人の世界観を視える化して発見を促す



概要

つながりのあるnoterさんの記事で紹介されていて興味を持ち、読んでみました。noteは興味や学びの連鎖ですね。

偏愛マップとは、自分の大好き(偏愛)なものを書き込んだマップです。偏愛マップを共有することで、コミュニケーションが活発になると主張されています。必要なものはマップ1枚だけなので、職場はもちろん、セミナーでも合コンでも、色々な場で使えますね。

偏愛マップに特別なルールはないので、難しいことは考えずに、とりあえず作ってみるとよさそうです。この本を読まなくても、他の人のものを参考にすれば作れます。私も作ってみましたが、書きすぎて収拾がつかなくなってるので、後日公開します…

偏愛マップは、個人の内面の「視える化」だと言えます。他のnote記事を見て、さらに本書を読んでみて、私が偏愛マップのアイデアに惹かれた理由は、「視える化」の一種だからだったのかもしれません。目に見えないものを可視化することは、コミュニケーションにも役に立つのだなと思うと、視える化スキルにもっと磨きをかけなきゃなと思います。

本稿では、本書を俯瞰的に見て、偏愛マップの有効性について感じたことを3つ共有します。
※繰り返しになりますが、こんなに難しいことは考えなくても、偏愛マップは作れます。



① 自己の発見:好きなことだけを考える幸せ

偏愛マップを作ることは、自分が何を好きなのかを考え直すきっかけになります。当然ながら、偏愛マップには自分が好きなものしか書き込まれません。好きではないモノ・不要なモノを取り除いていく、ミニマリスト的な思考に近いと感じました。

書き方のコツとしては、具体的であることが相手へのサービスだと考えることだそうです。例えば「趣味:音楽鑑賞」だと、抽象的すぎて話題にしにくいので、好きなアーティスト・好きな曲くらいまで具体化するのがベター。「あの曲の2番のサビ前のブレイクが好き」とか「ボーカルのナ行の発音が好き」とかまで具体化すると偏愛度高いですね。



② 他者の発見:踏んでいい地雷が視える

偏愛マップには自分が話したいことだけが書かれています。他者から触れられたくない話題のことを俗に「地雷」と言ったりしますが、偏愛マップがあることで、触れてはいけない話題に意図せず踏み込んでしまうことが防げます。

例えば、大体のすごろくは、有益/有害なマスが事前にわかっているので、分岐があれば有益なマスの方に進めます。これは偏愛マップがある状態に似ていますね。一方、分岐はあるけど各マスで何が起こるかわからないすごろくだったら、運に左右される部分が大きくなります。相手が好きかどうかはわからないけど、とりあえず音楽の話題を振ってみる、みたいなコミュニケーションも、「各マスで何が起こるかわからないすごろく」に近いと感じました。

あるいは、私たちの行動履歴をもとに、SNSやECサイトは各人の偏愛マップを勝手に作っていると言えます。だから興味を惹く記事や商品をピンポイントで提案できるわけですね。



③ 重なりの発見:偏愛はインターフェース 

偏愛マップの醍醐味は、他者と見せ合って共通点を見つけたときのよろこびだと思います。著者がセミナーで遭遇したエピソードとして、初対面の二人がお互いの偏愛マップに書かれた「ハト」を見つけて固い握手を交わした、というものが紹介されています。偏愛の重なりのよろこびが、初対面の緊張感をはるかに上回っていたんだなと。初対面の人が同い年とか同郷とかだとちょっと安心する感覚にも似ていますね。

人それぞれの偏愛は、会話のインターフェースだと考えました(急にネットワークエンジニア風)。受け入れるインターフェースを様々な種類・たくさん持っていること、それを偏愛マップとして視える化していることで、多くの人とのつながりを作りやすくなります。

偏愛の多い・少ないの個人差はある程度しかたないことですが、偏愛マップとして視える化して自己開示することは誰にでもできること。リモートワークが普及して顔が見えない付き合いが増えているとしても、偏愛マップの文化が広がっていけば、コミュニケーションの難しさは軽減できそうです。



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