あの沈

30歳ふたりの数奇な人生の妙、魂の恥部を吐露するクラシックポッドキャスト。番組で言いそ…

あの沈

30歳ふたりの数奇な人生の妙、魂の恥部を吐露するクラシックポッドキャスト。番組で言いそびれそうなことを備忘録代わりのエッセイにしてます。

マガジン

  • あの沈とは?

    概要やデータベースを書いてます。最近聞き始めたけど100回も聞くのは億劫な方、せっかちな方、暇を超越してる方におすすめです。そうは言いながらリスナーさん全員に読んでほしいです。

最近の記事

銀シャリに愛しか感じたくもない

気になっているのに、なぜか深く踏み込まず頭上で漂い続けていた銀シャリ。 気になったきっかけは2022年2月頃に放送されたあちこちオードリー。 冒頭で、橋本さんが業界を憂い心が溶けていることを初めて知る。 鰻さんは処世術のルーティンとして、うまくいかなかった仕事終わりはバイクで隣県まで走り、スベりごと東京に置き去りにしていくらしい。そうするとスッキリするそうだ(文字に起こすと隣県に行く目的に深い暗喩が張られているように感じるのが実に妙である)。前から番組を見てて鰻さんはユーモ

    • 波の数(オードリーANN東京ドーム)

      2023年3月18日の発表があってすぐ、行けるかどうか関係なく手帳と仕事上のGoogleカレンダーに有休希望を入れた。 放送回では毎週のように東京ドーム公演に触れては不安になったり期待を込めたり、YouTubeでは軌跡を辿って、まるでリスナーもスタッフの一員かのような擬似体験をさせてくれた。 2023年はオードリーが家族のように身近に感じる1年だった。 続けるということ。 我々の外道ポッドキャストと比べることすら失礼極まりないけど、15年間かかさず毎週生放送をやることがど

      • キモヲタ、腸炎になってバケットリストを作る

        病院が苦手だ。 セイハローのテンションで血を抜いてくるし、診察では良くも悪くも症状を盛って話してしまう。生来の悪癖である見栄っ張りが最も如実に出る場所、それが病院なのだ。 9月から年末にかけてそれなりに忙しかった。土日勤務の変則出勤、長時間のイベント対応、本来の業務に帰属しない要らぬ調整事などがだいぶ重なった。 同時並行で敢行したダイエットが心の支えになる数奇な3ヶ月を経て、めでたく腸炎になった。 私は疲れると腸にくる。 痔瘻を罹患した時は新卒の就職活動中。介護用オムツを

        • キモヲタ、65日で10キロのダイエットに成功 実践編

          前回↓ 2023年9月24日(日) 散歩部(大学時代の非公式サークル)5人でお酒を嗜む。旧友に会えば自然と学生時代の話に花が咲くものだ。 散歩部の皆には、陰陰滅滅とした学生時代に極彩色の彩りを与えてもらった恩がある。何事も主体的でポテンシャルの高い皆に触発されて、就活やその後の仕事も頑張れた。人生のポイント毎で踏ん張らないといけない時、いつも散歩部の存在が背中を押してくれた。みんなに出会わなければ今以上に半端な人生送ってただろうなと確信してる。返し足りない恩義は卒業して7年

        銀シャリに愛しか感じたくもない

        マガジン

        • あの沈とは?
          3本

        記事

          キモヲタ、65日で10キロのダイエットに成功 〜前日譚〜

          キッズエイジから肥満だった父と無限に夜食を食べ続ける標準体型の母から生まれたアタクシ。中・高時代は運動部に所属し、激烈な基礎代謝を維持したおかげもあり、大学生まではJ(ラーメン二郎)やポテチ、蒙古タンメン中本のカップ麺(安藤百福を超えた平成の最高傑作)を連打しても全く太らず、痩せ型のままだった。 潜り抜けてきた幾千の経験の蓄積から、 「オデは食べても太らない体質なんだ^^」 そう確信していた。 ______大学生までは。 確信を遥かに超えて現実はかなりタフなものだっ

          キモヲタ、65日で10キロのダイエットに成功 〜前日譚〜

          映画「14歳の栞」 青春の轍

          実在する中学校で、実名公表で映像化されているノンフィクションドキュメンタリー。2年6組35人の生徒全員にフォーカスをあてて、120分間淡々と学校生活と自宅での様子が映される。 複雑な思春期の少年少女にあそこまで腹を割らせた監督は、人間の構造を熟知してるんだろうな。保護者や教育委員会との調整、色々大変だったろうな。 作品内容 予告動画を見るだけでも、爆速で青春時代にトリップできる。懐かしさでゲボ吐きそうになるから気をつけろ。 以下、感想。 せめて予告だけでも観てほしいです

          映画「14歳の栞」 青春の轍

          守を終えクリスタライズ

          親子で剣道をやっていたこともあり、父はふだんの会話で物の例えに「守破離」をよく引用していた。その影響で俺も守破離と書かれた手拭いを稽古で愛用していた。 「守破離」 30歳を目前にした今、守の季節が終わった。 長いこと抱えていた悩みに、人・本・経験が数珠繋ぎとなって急速に腹落ちし、その悩みが大切な無形資産となったり、同じ円周上を生きる人たちから伝播されたポジを自分も引き継ぎ息をして歩いてくれる感覚を覚えるようになった。 フローに似たこの状態をうまく言語化できずにいたが、た

          守を終えクリスタライズ

          キモヲタ、スカイダイビングへ行く

          4月2日(日)にスカイダイビングへ行ってきた。 年度が明けても相変わらずえちえちな展開は起きない。神は常にいないが、常に見えおられる。 2022年の年末年始にトルコのカッパドキアで気球に乗ったのだが、寒空に震えながら高度3,200フィート(は?)を浮遊し、こう思った。 ______ここから落ちてみたい。 感じたことないサリエンシーに遭遇したくなるのが人間なんだろう。直感に突き動かされたキモヲタはすぐに計画することになった。 スカイダイビングにひとりで行くことが""変態"

          キモヲタ、スカイダイビングへ行く

          腹落ち

          このところ、休養宣言をする、あるいはそれに近しい状態を迎える同年代が本当に多くて他人事に思えない。自分を大事にできなくなるまで追い込まれる状況は、他所から見てても悲しい。 子どもの頃から相対評価が体に馴染みすぎると評価の軸が曖昧になる。そこに言葉だけ独り歩きした多様性が幅を利かせ、数字や順位が絶対的な評価基準だった世代よりも視界はボヤけて靄の中を生きなければならないように思う。(もちろん、人によっては) 相手との微妙な差異の中でしか自分の座標を判断しにくいシステムなのだか

          腹落ち

          帰国中に感じたこと

          ラジオで話すと気恥ずかしい部分もあるので、ここに備忘として感じたことを断片的に書く。 幸せを感じられるようになった1年の締めくくりに、ひとりでトルコに行くことができて本当に良かった。 ここ2〜3年、激烈な遠回りをしてあらゆることに悩みきった分のご褒美が今回のひとり旅だったんだなと、カッパドキアの景色を見ながら感傷に浸っていた。 過去回でも少し話したけど、腹落ちして理解する機会が増えたことと生活環境が好転したことが相まって、日々を穏やかに過ごせるようになる、それが幸せだと気

          帰国中に感じたこと

          おじさん

          腰が痛い。 どのタイミングか忘れたけど、仕事で重い荷物を運んだ時からだと思う。腰にデカめのボムを仕込まれた気がする。 29歳目前。背伸びして自分の身長ほどの塀の先を覗くと、30歳のネオンサインが煌々と輝きながら、俺をいざなおうとしている。 今まで冗談めいて言ってたが、遂におじさんの自我が芽生え、青年の季節が終わった(気がする。) ———​おじさん。 このところ、世にいるおじさんの顔つきが気になっている。周りにいるおじさんは、容姿の整いように関わらず、とある瞬間に得体の知れな

          おじさん

          アタクシ、幸せです

          前職では毎年、期初と期中の個人目標面談で5〜10年後の中長期目標をやたら聞かれた。 俺はあの時間が苦手だった。しつこく聞かれる意味がわからない。 今やってることを極めて、異動が有ればまたそこで精一杯頑張る。 この繰り返しでなぜダメなのか誰も教えてくれない。逆に上司へ聞き返してみても、取り繕った模範回答しか聞けた試しがない。適当にそれっぽく言えば理屈が破綻してると書き直しを要求される。 長い人生を理屈で割ろうとしても情が必ず余ると思う。自分より長く生きてるのに、何故その

          アタクシ、幸せです

          隙間をつくる

          言いたがりな時期かと思ってたけど、このところ身に沁みてジジイ化が進行してる。痩せにくいに始まり、自律神経が乱れて汗が止まらなくなったり、変なところに太い毛が生えてたり、おでこのシワが深く刻まれてたりと所々で強烈な違和感を覚える。 だのに、脳内は10代のままだから無茶をするとしっかり体調を崩す。さらに歳を重ね続ければ、もしかすると運動してて体が追いつかずな損傷を起こすかもしれない。そこまでスポーツ好きではないけど、運動できませんって宣告されたら結構ショックだろうな。 ラジオ

          隙間をつくる

          なんとなく続いてる

          マーとやってるポッドキャスト、【あの日、沈黙を破ったんだ】が4年目に突入します。 3年続ければ何でもプロになるっていうのが世の中の定説だけど、これに限っては例外かもしれないです。 日程を合わせて、ただ会話をするだけの省エネな趣味で、マネタイズや物販収入、何か成果を出すといった要素が皆無なところに、この番組への個人的な美学や楽しさを感じています。 ここまではもちろん嘘で、本当は割り切って諦めて、でしゃばらず身の振りをわきまえた結果こうなりました。 相変わらずどこの誰に向けて

          なんとなく続いてる

          兄が亡くなって15年目の変化(2022.11.1追記)

          今年度から働く環境がガラリと変わって、ここ1ヶ月半は無条件に疲弊していた。信頼を積み上げるのは相変わらず難しいなと感じつつ、自分が望んだ環境に行けたので決して嫌な疲れではない。 環境といえば話は少し変わるが、僕には3つ上の兄がいたけど、2008年に亡くなっている。理由は自死だ。 亡くなって丸14年が経ち、今年の命日を境に、兄と過ごした年月よりも、兄が亡くなって家族3人として過ごした人生の方が長くなった。 でも、日を追うごとに兄と過ごした日々が失われていくなんてことは全くな

          兄が亡くなって15年目の変化(2022.11.1追記)

          多面体を受け入れる

          12月末頃、転職活動を機に自分の仕事と人間関係の棚卸しをしていた。その過程で、人の持つ多面性をどこまで自分は請け負うべきなのか考えることが多くなった。 マイナスだったものが、ふとしたきっかけでプラスに触れる事はいつでも歓迎されるし、最高にクールなことだと思う。ヤンキーが動物に優しいみたいなギャップが簡単な例。 でも、プラスに位置してたものが一度でもマイナスに触れてしまうと、そこから軌道修正を図るには、えげつない時間と労力がかかる。 僕なんか特にそうだけど、人は多面体だと奥

          多面体を受け入れる