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[おすすめ] 文系のためのビジネス本2選

私は小さい頃から文系だった。数学が出来ないわけではないけれど、問題が複雑になればなるほど数字が頭の中で踊り出し、ふらふらと逃げ出して数式の中で何が起こっているのか分からなくなってしまう。

逆に文字でなら、いくら長い本でもわくわくして手に取れたし、物語が複雑さを増せば増すほど世界が広がっていく感覚があった。複雑な現実世界を文章が丸ごと受け止めて、私の頭でも理解できる形に置き換えてくれる。

さて、大学に入ってからも文学を専攻した私は、ビジネスの授業はおろか、経済の授業も一つも取らずに社会に出ることになった。そして、ビジネス…?何それ….?という状態で社会でやっていくことになった。

当然これだと目の前の仕事は出来てもビジネスや資本主義社会の仕組みの訳がわからないままなので、頭の奥深くで「何なんだろうこの場所は…?どういうルールなんだ?」と混乱しながら仕事に取り組んでいて、そこが分からないことをずっとコンプレックスに感じていたのだけど、最近それが分かるようになったのだ。

詳しくは上の記事で書いたのだけど、今日は、そうやってビジネスが「理解できるぞ!」と思えるまで何年もかかった私が、読んで特にすんなりと頭の中に入ってきた、文系のためのビジネス本を二冊紹介したい。


人事屋が書いた経理の本

会計、財務などを理解したいけど、「ざっくり分かるファイナンス」などでは難しすぎて全然ざっくり分からなかったという人のための本。

とある大手会社で「全社員が経理に強くなるように」という指令が出たことをきっかけに、日系コンサルファームが編み出してその会社の社員を対象に実施したところ大きな成果を上げた経営ゲームをそのまま学べるようになっている。

経営に関する経理がテーマなので、PL、BS、損益分岐点やキャッシュフローなどについて学べるのだけど、説明が本当に基礎の基礎に立ち戻っているので、これまで何度も挫折してきた私でもすんなり頭に入ってきた。

特に文系におすすめ、と自信を持って言えるのは、比喩がふんだんに出てくること。「たとえば冷蔵庫に月曜日に卵が10個あったら…」くらい分かりやすく説明してくれるので、文章に慣れた文系の頭にするっと入ってくる。しかも、比喩を用いてなんとなく分かった感じにするのではなく、そこを入り口として、その後はしっかり踏み込んで概念や考え方を解説してくれるので、入門書にありがちな「うーん、何となく分かったかも」で放置されないのが良い。

この本を読んでやっと理解できた概念が色々あった。

V字回復の経営

これはビジネスをテーマとした読み物で、ストーリー仕立てではあるものの小説というよりもノンフィクションなので、しっかりとビジネスの知識が頭に入る。大手企業の経営再生のストーリーを、経営者や外部コンサルタント、内部の社員の目線から描いている。

読むのに夢中になってしまって、カバンに入れて持ち歩いて電車の中でまで読んだビジネス書は初めてだった。それくらい臨場感ある書きぶりで、とある大手企業がぼろぼろの赤字を出し続け、緊迫感もなく緩んだ状態から起死回生の改革に挑んでいく姿を描いている。

経営者の目線から会社はどう見えているのか、ビジネスが元気であるとはどういうことなのか、改革はどう進めるのがよいか、という部分が分かるし、出てくる登場人物の会社に対する意識の描き方もとてもリアルだ。

筆者は企業再生のプロで、実際に何度もこういう改革を行ってきた人であるが故に、出てくるディテールも非常にリアルで面白い。夢中になって読めてしまうビジネス書を探している人、文系だけどビジネスに興味を持つとっかかりを探している人におすすめしたい。

まとめ

以上、私が思う文系向けのおすすめビジネス書2冊でした。

他にも面白いビジネス書はいろいろあるのだけど、特に文章が好きな人、ビジネスを理解したいと思っては挫折してきた私のような人の参考になったらとても嬉しい。


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