見出し画像

「鬼滅の刃 遊郭編」決定。なので遊郭について学ぶ

※ネタバレなし!アニメ勢の方は予習的に読んでいただけるとうれしいです。

✔鬼滅の刃 遊郭編解禁!

 待望の第2期の情報がやっと解禁されました。短いmovieですが、さらに期待を超えてきたクオリティ満載で、ファンの皆さんは、待ちきれずに、何度も何度もあのムービーを再生してみていることでしょう。

 冒頭の遊郭の廊下の描き方とカメラワークはさすがの一言で、三味線の音がゆっくりと響き、室内の薄暗さと相まって、これから何か起こりそうな不気味な雰囲気が見事に演出されています。

 ここまでだと「遊郭」だとはっきり分かる描写はありませんが、突然「帯」が蛇のようにシュッと部屋に入ってくるシーンで、少しだけ遊郭っぽさが出てきて、明かりがフッと消えた瞬間、ようやく、艶やかな遊女たちが出てきてここが遊郭なのだとはっきり分かるようになります。

帯柄

 屋根にいる、音柱宇髄天元(CV:小西克幸)の「これが吉原遊郭。男と女の見栄と欲、愛憎渦巻く夜の街。派手だろ?」という言葉で、ここが吉原であることが、ようやく明かされます。それにしても、小西さんの声がこういう大人のセリフにとても合っていて本当に素敵です。

✔子供が見る問題

 さて、鬼滅の刃と言えば「子供に見せるには残酷すぎる」というご意見をよく目にします。さらにその問題に続き、2期が待望されていた中「子供が見るのに遊郭なんて」と問題視されているご意見も散見されました。

 そもそもですが、鬼滅の刃は決して、子供向けのお子様ターゲットの話ではありません。ポケモンや妖怪ウォッチとは違うのです。お子様向けではないからこそ、大人の間で人気が出たわけですから。

 少年ジャンプは、昔は小学生がメインターゲットでしたが、今、小学生で少年を読んでいる子供ってどれくらいいるんでしょうか?少なくとも、私は最近見たことはほとんどありません。おそらく、固定読者層の多くは、子供の頃からジャンプを読んでいた大人がほとんどだと思います。

 そして、少年ジャンプのキャラクター設定は、中学生~高校生が多いです。このことから見ても、少年ジャンプ作品は、最初からお子様はターゲットにしていないことは明白です。

 鬼滅の刃はたまたま低年齢層にまで広がっただけなので、そこを対象にして規制を訴えてくる人たちは、勘違いも甚だしく、派手に問題を声高に叫んでいるだけだと言えます。

 残酷描写の場合、子供に見せてみて、嫌がるなら見せない、見たがるなら見せるでよいとおもうのですが、親が最初から「見せない」と制限をかけてしまうのはいかがかと思います。

✔遊郭について

 色々ご心配なさっている親御さんの中には、「遊郭」についてちゃんと知識がある方は一体どれくらいいらっしゃるのでしょう?おそらく、騒ぎ立てている方ほど、ちゃんとした知識もなく、ただいかがわしい場所という程度の認識でしかないのだろうと推察します。

 遊郭というと「吉原」が一番ポピュラーですが、その吉原と、京都の島原、大阪の新町は、江戸幕府から公的に認められた遊郭街です。もちろん、遊郭自体は日本全国あらゆる場所にあり、それらは半公認だったようです。みみのすけの実家の近所にも元遊郭がありました(遊郭だということは大人になってから知りましたが)。

 元遊郭があった場所は、地名に名残があります。桜町とか花町とか、扇町とか末広(扇の意味)町といった、花や扇にちなんだ名前がついている地名のほとんどは、元遊郭だった場合が多いです。場所によっては、そういう名残があるところもあります。

仁 吉原

 見世(お店)自体にランクがあり、大見世:揚げ代が約10万~約5万円。中見世:約7万5千~約5万円。小見世:約5万円か約2万5千円~約1万2千500円。切見世:約1万2千500円~約2千円と大きく違いがあります。(切見世よりさらに下層の河岸見世が「羅生門河岸」※ココ需要

✔花魁について

 見世だけでなく、遊女たちにもランクがありました。大見世に所属する最高位の遊女で、「呼び出し」と言われる花魁が最高位です。映画などで花魁道中のシーンがありますが、あれは、お茶屋を通して呼び出された花魁が、禿(かむろ)や振袖新造を従えて、遊女屋と揚屋・引手茶屋の間を行き来していた場面なのです。

 花魁には高い教養や芸事も必要とされ、花魁候補を幼少の頃から「禿(かむろ)」として、徹底的に古典や書道、茶道、和歌、箏、三味線、囲碁などの教養、芸事を仕込んで育てられます。ただ客を取って寝るだけの切見世の鉄砲女郎とは全く違います。

 実際「見込みのある少女」を張りきって仕込もうとする「やり手(遊女を監視・監督する立場の者。元遊女が多い)」の姿が、鬼滅の刃遊郭編に出てきますので、そのシーンが出たら「このことだな」と思っていただけるとよいです。

 また、簡単に寝ることはできず、初回から指名すればすぐに相手をしてもらえるわけでもありませんでした。かなりのお金もかかり、遊女には客を拒否する権利もあったようです。

 花魁たちは、自分についている禿や新造の衣食住の面倒から、衣装代や化粧台も含め莫大な支出があり、借金返済のために働いてはいても、なかなか返せない状況だったようです。

 詳しく知りたい方は、WEBで調べれば色々出てきますが、少し知るだけでも印象が変わった人もいるかと思います。(写真は、大好きなドラマ「仁」の花魁:野風さん)

おいらん

✔子供が見ても大丈夫です

 ネタバレではなく、1つ安心できる材料を提供しますと、ご心配されるような際どい場面は一切出てきません。子供たちが見ても、キレイに着飾った女性がたくさんいるだけの、華やかな場所にしか見えません。

 万が一子供に「ゆうかくってなあに?」と聞かれたら、キレイな女人たちがきれいな着物きて、すご~~~く厳しい、大変なお仕事をしているところよ」とでも言えばいいんじゃないでしょうか。

 ちなみにイメージ的には、歌舞伎町のキャバクラと言うよりは、座るだけで数万円の超高級な銀座のクラブの方が近いかと思います。ですが、様々な芸事や文化教養を身につけさせられるので、銀座のお姉さんたちよりも、さらに厳しく大変だとは思いますが。

鬼滅の刃遊郭編も色々言う人はいるでしょうけど、戦闘シーンは確実に、これまで以上に迫力ある見応えあるシーンになりますし、色々期待は裏切らない内容になることは間違いありませんので、楽しみに待ちたいですね。

宇随天げん

 

 

この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?