みみのすけ「銀河英雄伝説」を語る～新旧比較編～

✔「銀河英雄伝説」について

　銀河系を舞台にした、いわゆる「スペースオペラ」ジャンルの中では、長い間人気を維持している作品と言えるのではないでしょうか。原作は小説で、作者は田中芳樹先生です。銀河帝国と自由惑星同盟の150年間に渡る戦争をメインに描かれていますが、政治や歴史についても描かれている点が面白い点でもあります。

　ですが、この作品の一番の魅力は、何と言っても多彩な登場人物です。主人公、銀河帝国の常勝の英雄ラインハルト・フォン・ローエングラムと、自由惑星同盟の不敗の名将ヤン・ウェンリーの2人の他、それぞれのメインキャラ含め、やたら存在感のあるキャラが多く、リアルな歴史のようで、物語の重厚さも相まって、さしずめ、SF大河ドラマと言えるでしょう。

　アニメは元々’80年代に1期目が制作されTVで放映されましたが、以降2期目～5期はOVAとなり、その後、外伝もアニメ化され一通り完結したのですが、2019年、新しく「銀河英雄伝説 die neue these」が放映されました。

　ですので、銀河英雄伝説のアニメが好き、と言うと「旧作派」と「新作派」が存在します。みみのすけはもちろん旧作派ですが、新作の良さもありますので、そのあたりの比較をしてみます。

✔旧作について

　旧作は80年代にスタートしたこともあり、古さはどうしても否めませんが、多彩なキャラクターを、手描きで丁寧に描き分けてあり、とりわけ、表情の豊かさが特徴的です。いわゆるアニメ的な作画ではなく、外国人俳優を意識してキャラデザされていることもあり、アニメと言うよりは洋画を見ているような感覚を覚えます。

　とは言え、いかんせん手描きなので、クオリティーは画一的でなく、酷い作画崩壊の回が多々ある点は残念な限りですが、後年、作画崩壊部分を修正したバージョンのDVDがリリースされた時はどれほどうれしかったか…。

　しかし、DVD全巻を買いそろえるのはもちろん、借りるのもそこそこお金がかかるボリュームですが、今はサブスクですきなだけ見る事ができるので、本当にいい時代になったなとしみじみ思います。

　旧作で特にみみが好きな点の一つは、何と言ってもBGMです。BGMは全編クラシックなので、作品の重厚感と深みをより出してくれていると思います。特に、「アムリッツア星域会戦」でのドヴォルザークの新世界は素晴らしく、「新世界」を聞くと、反射的に脳内でアムリッツア星域会戦が再現されてしまうファンは少なくないようです。（もちろん、みみもです）

✔「新作」die neue theseについて

　新作と旧作との違いは色々ありますが、一番は「原作順守」で制作されているという点です。旧作はアスターテ会戦で、早々にヤンの後輩のアッテンボローが出てきますが、新作は原作順守なのでラオが登場してくるなど、分かりやすい違いもあります。

　旧作に慣れていると、むしろ違和感を感じる点は多々ありますが、作画の美しさはやはり新作に軍配が上がります。特に、戦闘シーンのグラフィックは秀逸で、戦艦の陣形組は非常に見応えあります。

　BGMはクラシックではありませんが、銀英の世界観にあっている曲調で、戦闘シーンともあっていてよかったです。特に、劇場で見た時は音響もよいので、戦闘シーンは圧巻でした。

　ただ、キャラクターデザインは、個人的には好みではないので、欲を言えば旧作のキャラデザを踏襲して制作してほしかったなぁと思います。特に、ラインハルトの姉上アンネローゼは、旧作は本当に女神様のような印象だったのですが、新作ではただのキレイな普通の人っぽいのがとても残念でした…。もちろん、カワイイんですけどね…。

　旧作に慣れ親しんだ身としましては、どうしても旧作のキャラクターに愛着があるので、新キャラクターに違和感があるのは仕方ないとは思いますが、一番違和感がないのは主人公2人でした。

　ただ、新作の方が好きなキャラクターもいます。ヒルダは、旧作の時は見た目も性格も大嫌いなキャラだったのですが（かわいげなさすぎて）、新作はすごくかわいらしくなっていて、好感度上がりました。原作の印象としては、旧作の方が忠実な感じではありますが…。

　シェーンコップは、あまりにも印象が違いすぎて、もはや別キャラ感があります（笑）。あと、新作はキルヒアイスやキャゼルヌは目がきつすぎて、性格悪そうに見えてしまうのが残念でした。

　ざっとこんな感じで簡単に新旧比較をしてみました。かなり個人的な感想がほとんどですが、やっぱり、旧作勢には旧作愛がどうしても大きくなるので、旧作が好きアピールになってしまいましたが、新作には新作の良さもあると今では思っています（当初は受け入れられなかったので…）。次回は、新旧の声優について語る、「銀河声優伝説」をお届けします。銀河の歴史がまた1ページ…。