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#16 生きるためのノート

下校して、母から頼まれていた用事を全部済ませた後
バルコニーに座って、忙しい夕方を生きる人たちを眺めるのが好きだった。
わたしがワルだったら、そういう時一服でもしたのだろうけど
お真面目なわたしはタバコではなく、ペンを持った。

モレスキンは5冊目、それより前は7冊程。
自分のためのノートは気付けばそのような数になっている。
”ロバの耳ノート”
わたしはそう呼んでいるのて、親友たちも周知のものだ。

それはもう残っていないけれど
初めて自分の考えをノートに書き出したのは
中学生くらいの時だった。

「答えは自分の中にある」
可愛げのない女子中学生ね、と今なら思ってしまうけれど
それは今でも変わっていない。
まぁいいかに留まれず どうにかして答えを探してしまう歴史は
中学生の頃から始まったのか。

有難い事にたくさんの友人に恵まれたが
うわさ話だとか、あの芸能人がかっこいいとか
そんな会話が楽しいお年頃だというのに
わたしときたら、お付き合い程度にしか会話に参加しなかった。
共働きの両親と、7つも年齢が離れた弟。
ひとりでいる時間は たっぷりあった。

それからもう何年経つのか。
ことあるごとに思うがまま、ノートにペンを走らせてきた。
半ページで書き終わることもあれば
5ページも6ページも書くような時もある。
未来の全てに喜びと希望を抱いている時もあれば
まるでもうこれが最期なのかと思うような絶望しかない時もある。
1日にいくつも書いたかと思うと
半年くらい一文字も書かない時もある。
気まぐれだけど、必ずロバの耳に打ち明けるし
ペンを置く頃には、答えに続く扉が見えていたり
何なら扉の向こうに行けてしまい、すっきりしている時もある。
なのでわたしはすっかり信頼している。
何かあったら、ロバの耳だ。

書いては書き足しで、更新し続けているのが

・死ぬまでにしたいことリスト100

・わたし的オーセンティックリスト

この2つだ。
「死ぬまでにしてみたい」なんて言うわりには
100個なんて全然出てこないので本当に驚いてしまう。
わたしの大切な人たちとわたしがニコニコ幸せだったら
本当はまるっと全部満たされるのかもしれない。

オーセンティックリストは、何と言うのか・・
「増え過ぎない」ためのリストなのだ。
洋服やアクセサリーのような身の回りのものもだけど
考え方や、時間の過ごし方なんかも含まれる。
わたしにとって、永く共に過ごす愛すべきものたち。
もう十分満たされているのだと教えてくれる。

何にせよ、自分の中を整理整頓出来る人間になったことは
あの日ペンをとった自分を褒めてあげたい。
でも、どれだけ整理整頓出来たとしても
上手く生きられているかどうかは、また別の話なんだから
ほんと、生きるとは 一筋縄ではいかないなと思う今日この頃だ。

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