DARU 2023/9/15
これからも、幾度となくぶつかるであろう悩み。
考えても、悩んでも、わからない。から、書き留めておく。
いつかの、あなた方のために。
先日、リフォーム工事を無事に終了した。
お施主さんにはとても満足をいただけた。
お施主さんは、70代の女性(Sさん)とわんこ。
リフォームするのは、窓からの見晴らしが素晴らしいマンションの一室。
依頼内容はキッチン、お風呂、洗面所、トイレの水回り一式の更新。
初めて現地に足を運び、リビングから景色を見たとき、
この空間はもっと良くなる。
設計者として、やってみたいとうずいた。
わたしは、今は、まだ、会社員である。
わたしの勤めている会社は小さいが、歴史がある。
私はその歴史に3年触れている。重さもなにもわからない。
今回、Sさんは昔の繋がりから、遠方にもかかわらず依頼をしていただけた。
工事は依頼いただいた水回りの更新を行い、無事、終了した。
初めてお会いしてから工事終了まで、2か月ほど。
とてもスムーズな工事であった。
最後の、挨拶の時に、Sさんの、工事に対する思いを、聞いた。
終の棲家として、最後の贅沢として、決断した。
この工事をお願いするなら、御社しかいない。
御社には大変お世話になったから。
亡くなった、旦那さんが、勤めていたから。
旦那さんとはあまりいい思い出がないこと。
旦那さんを亡くしてから大変苦労してきたこと。
娘さんはしっかり、立派に育ったこと。
わんこを見送ったら、次の日にでも旅にでてもいいこと。
たくさんの思いが溢れていた。止めどなく溢れていた。
最後は、話をしてスッキリした。満足です。
表情は、嬉しそうな、悲しそうな。
わたしは、今は、まだ、会社員である。
今の会社の歴史は知らない。旦那さんも知らない。
建築に携わって、10年も満たない、まだまだ未熟者である。
けど、この空間はもっと良くなる。
声に出せなかった。出さなかった。
依頼内容ではないから。
何故、声に出せなかったか。声に出さなかったか。
なんとなく、わかるが、言い訳な気もする。
仕事ってそういうもの、と言われればそうとも思う。
お施主さんは、満足してくれた。
けど、この空間はもっと良くなる。
終の棲家なら、そこまでの思いがあるなら、
話をしてみることは無駄ではなかったのでは。
今のままでも、充分、美しく生活されている。
それを、もっと良くなる、は、わたしの自己満足だろうか。
もっと、満足してもらえた、と思うことは、余計だろうか。
わたしは、なにが正解だったか、わからない。
どう、振舞えばよかったのか、わからない。
考えても、考えても、わからない。
一つ、わかるのは、話をしてみる、
という行動をしなかったこと、これに、後悔をしているということ。
やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい。
Sさんから最後に、100点満点の工事でした。
あなたは1番です。と。
この先、結婚したり、子供が生まれたり、活躍を楽しみに見守ります。と。
勿体ないくらいの言葉をもらった。
わたしは、今は、まだ、会社員である。
近いうち独立をする。
Sさんの言葉を、思いを胸に刻みながら。
わたしは、今、結婚の予定が、まったくないのである。
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