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第49回:「好き」があるから毎日楽しい

こんにちは、あみのです。今回の本は、住野よるさんの『麦本三歩の好きなもの』の第2集です。ちなみに1巻は数年前に読んでいます。好きなキャラクターに再び会えたことがまず嬉しかったです。

幅広い「好き」に囲まれて生きる「麦本三歩」というひとりの女性の日常。さて、今回は彼女の周りでどのような出来事が起きるのでしょうか?

あらすじ(Amazonより)

後輩、お隣さん、合コン相手ーー
三歩に訪れる色んな出会い
図書館勤務の20代女子・麦本三歩の
あいかわらずだけどちょっと新しい日々
住野よるが贈る、心温まる日常小説シリーズ
待望の最新刊!

感想

このシリーズの最大の魅力は、「好き」という感情によって日々の「楽しさ」や「理想」を追求していく三歩の生き方だと思います。

物語の主人公とはいえ、三歩も日々を生きるひとりの人間。なので生きていれば楽しいことだけでなく、生きづらさを感じてしまう瞬間や嫌なことに巻き込まれる時だってあります。

今作の中でも特に彼女なりの「生きづらさ」を感じたのが、友人に誘われて参加した合コンのエピソードです。

合コンでの三歩はまさに「色気より食い気」。異性よりも魅力的な料理に気をとられてしまう彼女のユーモラスな姿に好感が持てます。

三歩の個性がよく出ていた合コンではありましたが、完全に彼女に「出会い」がなかったわけではありません。後日、三歩はこのときに出会った「柔らかい雰囲気のお兄さん」(と三歩は呼んでいる)と改めて会うことになります。

「お兄さん」はあの時の三歩の気持ちをわかっていたこと、「音楽」という共通の趣味があったことによって、少しずつ彼と仲を深めていきます。

本来の「合コン」で求められるような「恋愛」としての男女の関係とは異なりますが、「友達」の距離感として親しくする男女の関係もなんだか三歩らしいなと思いました。

また、私が最も印象深かったのは、三歩の失敗で大学図書館の利用者を怒らせてしまったエピソードです。人間誰しも失敗はするし、利用者側も三歩にここまで言う必要はあるのかなー、と疑問に思う箇所はありました。

でも三歩は自分が「失敗の多い人間」であることはよく自覚しており、利用者に叱られてしまうのも仕方ないと思っていました。自分は「被害者」であり、「加害者」でもある。そのように現状を捉えることができるだけで、三歩は充分に偉いと私は思います。

失敗してしまったことは取り返しのつかないことなのは確かです。でもその後の行動次第で、一緒に働く仲間たちの対応が変わったり、今後の失敗を減らすことに活かされたりすることも充分にあります。

自分の行動の何が悪かったのかを良く考えて、反省や後悔をする。そして今後、似た失敗をしないように気をつける。シンプルかもしれないけど、今の私にはこの三歩の失敗から得た学びが凄く心に響きました。

おなじみの大学図書館の仲間たちはもちろん、新たなキャラクターもたくさん増え、更に広がった「麦本三歩」ワールド。

今回も三歩が苦手とする「怖い先輩」とのやりとりには何度も笑いました。「怖い先輩」に三歩の成長を認めてもらった瞬間は、私も嬉しい気持ちになりましたね。

続編が読めたことで充分に嬉しかったですが、私は更なる三歩の日常を覗いてみたいです。なのでいつか3作目が発売されることに期待します。また、個人的にはドラマとかの形で、映像化した三歩にも会いたいですね。

「好き」と共にゆるく生きる。三歩の日常に今回もたくさんパワーをもらうことができました!

まだ麦本三歩に会ったことがない人へ。
2作目は三歩と仲間たちのことを知っていた方が絶対に面白いと思うので、ぜひ1作目から読むことをお勧めします。

今回も感想を読んで頂き、ありがとうございました!

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