第120回:みんな違うから、世界は美しい。(汐見夏衛:雨上がり、君が映す空はきっと美しい)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、汐見夏衛さんの『雨上がり、君が映す空はきっと美しい』という作品です。noteにて汐見さんの作品の感想を書くのは6冊目です。
今作は「自己肯定感」が主なテーマとなっていました。周りの目によって自己肯定感が低くなってしまった主人公が、2人の魅力的な先輩との出会いを通して成長していく青春小説です。
私も自己肯定感が低い方なので、この物語には救われました。
先輩との恋はもちろん、「雨」に関する言葉の豊富さと主人公の気持ちとリンクした表現にもぜひ注目して読んでほしいです。「雨に関する言葉って、こんなにもあるのか」と、読めばきっと雨の日も楽しく思える物語です。
あらすじ
感想
お店で可愛い服を見かけても「どうせ私には似合わない」と思ってしまう。自分にはないものを持った人が羨ましく見えてしまう。そのようなことを思ってしまう時が私にはよくあります。
主人公の美雨もおしゃれや恋愛に興味があるのですが、自由を束縛する母親の影響や過去の悪口によって、自分に自信が持てなくなってしまいました。
美雨には高校入学前から気になる人がいます。それは映画研究部に所属する映人先輩。今までは先輩の姿を見るだけで幸せだった美雨ですが、ある日彼から「映画に出てほしい」とスカウトされたことで、映画研究部の一員になります。
先輩とより距離が近くなったことによって、今まで知らなかった彼のことも知っていく。映画への愛は誰にも負けなかったり、美雨が大好きな「野いちご」の小説を愛読していたりと、新たな先輩を知るたびに美雨の恋愛感情も深まっていくところにきゅんとしました。私もこういう気持ち、めちゃくちゃ知っています。
しかし先輩には知奈さんという可愛い仲の良い女の子がいます。
先輩は彼女と付き合っているのではないか?この疑惑によって美雨は、「先輩のことは好きだけど、付き合うことはできない」と勝手に思い込むようになります。
美雨は先輩との関係の件もあって、知奈さんのことは苦手・羨ましいと思っていたところがありました。
美雨にとって知奈さんは「女優さんのように可愛くて美しい人」という認識でしたが、そのような知奈さんにも美雨を見て「羨ましい」と感じていた部分があったことが次第にわかっていきます。
知奈さんの「弱み」を感じる部分や彼女の失恋のエピソードからは、「どんな人にでもコンプレックスはある」ということを実感します。
恋敵だと思っていた人が片想いに対する1番の理解者へ。私も知奈さんのようなお姉さんが身近にいたらいいなと思いました。
また美雨は先輩からたくさんの「知らない世界」を教えてもらいましたが、逆に先輩が美雨から知った世界もあったことが終盤では判明します。
みんなには内緒で書いていた物語が、映画研究部が作る新作映画のネタへと変わったこと。先輩が「美雨」という彼が見たかった世界を見せてくれる人に出会えたこと。先輩の「感謝の気持ち」と「秘密」によって美雨は、更に自己肯定感を上げていきます。
これからも母親は厳しいことを言ってきそうですが、先輩と知奈さんのおかげで少しずつ強くなれた美雨ならいつか「言葉」でも母親と向き合える日が訪れると思います。
みんな違うからこそいろんな映画や小説が存在している。そして世界の美しさはみんなの「個性」から生まれる。
どんな自分だとしても前向きに受け入れて生きていきたい!と強く思えた良作でした!私も自分の「好き」な気持ちを大切にして、先輩や知奈さんのようなあたたかい人になりたいです。
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