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『実は僕、統合失調症なんです!』誇大妄想と幻視がやってきた!

こんにちは、あまたつです
今回は誇大妄想と幻視の体験を語っていきます。妄想は誰でも経験があるかと思います。じゃあ誇大妄想は何なのさと聞かれたら簡単に言うと「一般常識から離れた妄想を信じこむこと」です。

僕は入院中これに苦しむことになりました。誇大妄想や幻視で苦しんでた人には共感してもらい、体験したことない人には読んで少しでも症状や対処法を理解してもらいたいなと思います

幻視は何かというと幻覚の一種で本来見えないはずのものが見えてしまうことです。虫が見える人もちらほらいます。 僕は幻視で怖い思いをしました。この二つを中心に書いていき、統合失調症の理解を深めて欲しいです。

僕の誇大妄想の始まりは精神科の閉鎖病棟に入院してしばらくしたある日です。ふと「中国が攻めてくる!」という戦争に関する妄想が強まりました。その頃アメリカと北朝鮮が一触即発のタイミングだったため信じきっていました。

将来的に水資源の奪い合いになる水戦争が起きると考えていました。

今ではあれは妄想だったんだなと思っても意外と当時は妄想に気づかないものなんですね。自分はまともだと思っていました。

この戦争が起きるという妄想は後々幻視に影響を与えます。

この時を観察してみると頭の回転が高速に動き過ぎていました。すでに統合失調症は始まっていました。

さらに「自分はキリストの生まれ変わりだ。どうしよう。」と誇大妄想をしていました。仲の良い看護師さんに話したら、否定せずメモをとって「そうなんだ。分かった」と言ってくれました。

そしてこの時ぐらいから言動や挙動がおかしくなっていきます。

トイレに監視カメラがついていると思い込んだり、病院の職員さんは中国のスパイでキリストの生まれ変わりである自分を閉じ込めようとしているんだと思いました。

「病院は一生退院させるつもりはないんだろう。なんとかして出なくては。」と思い荷物をビニール袋に入れて持ち歩いてました。

完全におかしいですよね。今では分かりますが当時は必死でした。

その直後看護師さんから「あまたつさん!診察ですよ」と言われビニール袋を抱えたまま診察を受けることになりました。

そして話を軽くした後、主治医から「保護室に入りましょうか」と涙目で言われました。保護室の生活の辛さを主治医は知ってるんでしょうね。主治医の涙目の顔を今でも思い出します。

診察室を出たらマッチョな男性看護師がいました。「保護室に入ろうか!」と言われ、圧力から抵抗せずに保護室という名の独房に入りました。

保護室に入ったからといって誇大妄想が減るわけではありません。

「戦争が始まるけどどう逃げよう」と考えていました。

そんな中幻視が始まります。

保護室は鉄格子で部屋の外から見える部屋でしたが、保護室の外から銃を持った中国兵に銃口を突き付けられる幻視が見えました。恐怖以外の何者でもありません。

死角に座り撃たれないように必死に隠れていました。

大学の専攻が現代中国学部で中国語が軽く喋れたので中国語で「疲れ過ぎた、疲れ過ぎた、疲れ過ぎた…」と唱え、中国兵を疲れさせる作戦をしていました(苦笑)。全く意味ないんですけどね。

また入院していた病院の近くに猿を研究する施設があるのですが、猿に保護室を取り囲われる幻視も見て恐怖の体験をしました。

幻覚の一種である幻視は実際に見えます。無くても本人には見えますし辛い体験になります。幻視を意識しない以外に対処法は少ないです。家族で幻覚に悩まされている人がいるなら優しく「辛いね。きっといつか良くなるよ」と言ってもらえると少しは楽になります。

妄想はどうなったかというと保護室のストレスで強くなっていました。

「自分は次の天皇だ。天皇の家系だ」と妄想してました。天皇の家族と監禁される幻視が見えたので完全に信じきっていました。

ここまで来るとかなりの重度です。キリストの生まれ変わりとか天皇の家系などの誇大妄想は統合失調症によくある症状だそうです。この症状が出たら統合失調症を疑ってもいいかもしれません。

そして否定されても信じきってしまうのがこの病の怖いところです。

またその時を振り返って気づいたのは、妄想に対する相手の意見を受け入れられなくなるのも症状の一つだなと思いました。もちろん受け入れられる人もいますし絶対ではないです

だから看護師さんは否定もせず肯定もしないのがとても上手でした。保護室の中で僕が「明日アメリカに行くって言ったらどう思いますか?」と聞いたら「それはちょっと後の話かもしれないね」と妄想自体を否定せず話を合わせてくれました。

そして誇大妄想と幻視は薬の調整で減っていきました。

僕が誇大妄想などでパニックになることはありましたがコミュニケーションで混乱しなかったのは看護師さん達のコミュニケーションスキルの高さのおかげだと思います。

最後に誇大妄想や幻視を経験することは辛いですが、周囲の人も大変な思いをします。誇大妄想が強くなった人には妄想自体を否定しないことが大事だと思いました。最初は難しいでしょうが、主張を受け止めすぎず話を聞いてあげて欲しいです。

『実は僕、統合失調症なんです!』は毎日連載していきます。統合失調症の葛藤やそれを支える人を書いていきます。記事を通して統合失調症の生きづらさを書いて、「実は僕(私)、統合失調症なんです!」と気楽に統合失調症を告白できる社会を作っていくのが夢です。

『実は僕、統合失調症なんです!』のシリーズは最終的に書籍化することが目標です。スキやコメントでの応援よろしくお願いします


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