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【詩】最大限に意味のない会話

肩甲骨から羽根を生やし
僕は世界中を飛び回る
インド、アラスカ、サイパン、韓国
世界中の輝き、世界を見て回る

家に帰って、羽根を剥がして燃えるゴミの袋に入れる
僕の頭は全て満たされた
感動と、好奇心で、全て満たされた
でも、心は?
心はなんにもなっていない
僕の心は凍っていて
何を見ても、誰と話しても、溶ける事は全くない
なんでか、さっぱり、わからないが
28歳頃からそうなった

歯医者で痛いところがあって、手を上げてそのまま暴れた
スーパーで万引きしまーす!って叫んで、万引きしなかった
中学生のサッカーの大会に乱入して、バスケのリフティングをした

僕は反逆児として、世界に刃向かった
口が上手いので、いつも捕まらずに示談になった

友達は居るけど
何も感じない
ただ、関係性があるだけで
何の心も震えない

僕は心を取り戻したい
死にたい思いも、頭にしかなくて
心は、死にたいすら、存在しない

世の中に居る恋人達
僕の心が凍っているのは
恋人が居たことないからかもしれない
恋人なんか出来る訳ない
だから頭にも入ってなかった

恋人が欲しい
このままだと僕は
世界の反逆児で
示談じゃ済まされないかもしれない

恋人が欲しい
どうしたら恋人が出来るか
肩甲骨に羽根を生やして
世界中のカップルを見た

どうやら頭ではない
心の会話をしているみたいだ
どうでもいい会話をしているけれど
どうでもいい会話があんなにも楽しそうで
僕の人生観が崩れた

意味がないといけない
それは行動でも、会話でも
だけど、あんなに何の内容もない
どうでもいい会話
時には、にゃーとか、ぶりぶりとか、音だけの擬音を喋ってる
こんなにどうでもいい会話が
こんなに楽しそうなんて
こんなに無意味過ぎる会話が
こんなに幸せそうなんて

僕も無意味な事をしたい
無意味な会話をしたい
誰かと、誰かと、無意味な事を喋りたい
その時頭が止まっている分
心は動いているのかな

どうでもいい会話がどうしようもなく愛おしい
そんな気持ちが、心に生まれた
擬音で、らー、とか、言いたいな

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