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【短編小説】卑屈なピクニック

そのピクニックに参加している人は、みんな卑屈であった。
自分なんてダメだ。
そう思いながら、自分で作ったお弁当を食べていく。
卵焼き、ウインナー、カマボコ、白飯。
美味しくないな、そう思って、お弁当を食べる。

そんな時、空から一人の天使が羽ばたきながら降りてきた。
天使はそいつらに向かってこう言った。
「お前達は立派だよ。問答無用でな」
なんでこいつはこんな事を言うんだ。
卑屈なみんなは石を見つけては投げた。
天使はヒョイヒョイと避けながら、「立派だよ」「たいしたもんだ」「凄いよ」と言い立てて、そしてラッパを吹き出した。
卑屈なみんなは、そのラッパが聴こえなくなるよう、大声で叫び出した。
「俺は最悪だ!!!」「何も出来やしない!!!」「最低な人間だ!!!」
天使はとうとう悲しくなって、ラッパを落として、天に昇って行った。

卑屈なみんなは、そのラッパを遠くに投げた。
遠くにいた家族の子供が、ラッパを手にして、口を付けて吹いた。
「パーーーーーッ!!!!」
遠くの方で光が輝き、卑屈なみんなはそっちを見て「俺達はなんて光が無いんだ」と自分の舌を噛んだ。

ピクニックも終焉を迎え、卑屈なみんなは帰り際に石を拾い、天に投げて自分の頭に落とした。
「いてえ!!!!!!!」
そう叫びながら、ほんの少し、笑顔を浮かべた。
卑屈なみんなは、ホッとした笑顔を浮かべたんだ。

それぞれの家に着き、卑屈なみんなは、みな、ベッドに倒れ込んだ。
今日のピクニックを思い出して、溜息をついた。
ああ、もう。
卑屈なみんなは、次のピクニックに向かう日程を、グループLINEで調整を始めた。
今度は楽しめるかな。
いや、どうせ無理だろうな。
卑屈なみんなは一斉に、同じ瞬間にそれを思いながら、日程を合わせる為にスケジュールを工夫するのであった。

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