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アロハザ逆噴射小説大賞

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記事一覧

ゴールデン・ドーン号の最後

ゴールデン・ドーン号の最後

「天誉、艦長≪爺さま≫はどうしましたか?」
転移してきた帝国の負け犬共の肉片をエアロックから放り出しながら俺は答える。5人の小所帯では、副艦長の俺も掃除役だ。
「自室でお休みだ。20時間ブッ通しの指揮はご老体にゃ酷だよ」
事実、爺さまは良くやってくれている。『歳の割には』が付くがな。

質問してきた彼女はアギ=メァヴ。戦闘用機密服から解放された緑の肢がセクシーだ。第七肢の傷痕が俺は特に好きだ。以前

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炎、うず巻けよわが胸

炎、うず巻けよわが胸

時速285kmでぶっ飛ばす。

東海道新幹線”のぞみ”は新横浜を過ぎた。後は名古屋までノンストップだ。
スマホを見る奴、PCでメールを返す奴、大口開けて寝てる奴。
平日昼。車内の空気は弛緩している。

小田原を通過した。頃合いだ。
俺は席から立ちあがる。スーツのポケットからハンカチを取り出し、顔に巻く。車両間のドアの前に立つと、声を張り上げた。

「強盗だ!全員手を頭の上に置いて、席から動くな!」

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五大陸の英雄戦士、大鰐博士と死闘す "コンティネンタル・レンジャーVSDr.アリゲーター"

五大陸の英雄戦士、大鰐博士と死闘す "コンティネンタル・レンジャーVSDr.アリゲーター"

一九二五年八月 インド洋
ここに、地図は知られぬが土着の漁民にのみ"首狩島"と呼ばれる小さな島がある。元は人食いの獣と、密林のみの島。似つかわしくない科学要塞が建造されたのは、ここ数年のこと。

闇の中、浜辺、男が二人。一人は既に息絶えている。自動歩兵銃に、背には背嚢と大型の通信機、髑髏の仮面。島の歩哨であった。
もう一人は、黒ずくめ。その顔は、肉食の鳥類を思わせる鋭い意匠の仮面に覆われている。そ

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聖職者は言った、「死ね」と

聖職者は言った、「死ね」と

1.
私の日々の暮らしをお伝えしましょう。日が昇る前に起き、冷たい水で身を清めます。神に祈りを捧げ、糧がある事に感謝をしながら、大麦粥の質素な朝食を頂きます。

それから、熊手を持ち家の周りの落穂を掃きます。これは寒さが厳しい際の火種ともなります

辺りを見回すと、大概の日はふらふらと歩いている人がいます。私はその人に近づき、声を掛けます。

「おはようございます、今日も神の祝福がありますように!

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柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

【重要】長編版を連載開始しました。

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柳生暦37564年、死都町田は大いに色めき立った。押しも押されぬ柳生界のスーパースター、柳生十兵衛がこの街に表敬訪問に訪れるという。

十兵衛の首を獲れば金も狂気も思いのままぞ。十兵衛、ブッ殺るべし。柳生、ブッチ斬るべし。

かくして東洋一の大魔窟町田に蠢く海千山千魑魅魍魎有象無象の怪人物どもは、

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逆噴射小説大賞 最終選考作品 アロハ天狗による感想

逆噴射小説大賞 最終選考作品 アロハ天狗による感想

はじめまして。アロハ天狗と申します。

逆噴射小説大賞が終わってしまった。自分の振り返りはこちらのnoteでやっているため、

最終選考作品についての感想をここでは書いていく。

最初に言っておくと、1900作もあるので全部を読むのはめちゃくちゃ大変だしやっていく気はなく、ダイハードテイルズ団の面々がマジで1900作を読み切ってちゃんと選んでくれたから俺は悠々と上澄みだけひょいっと食えるという寸法

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【最終選考】逆噴射小説大賞 アロハ天狗 総括【ファイナルイスト】

【最終選考】逆噴射小説大賞 アロハ天狗 総括【ファイナルイスト】

はじめまして、アロハ天狗と申します。

逆噴射小説大賞で最終選考に残りました。

大量のメンバーがめちゃくちゃ大量の作品を投稿する中で最終選考まで残ったのはかなりすごく、わたしは地下闘技場メンバー、それも愚地独歩とかそんな感じであることがこのたび完全に証明された格好だ👺

そもそもわたしは毎日投稿しており作品が24本くらいあるので、逆噴射小説大賞の1%以上はわたし一人の作品で占められている計算な

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【おれは】アロハザ逆噴射大賞まとめ 後半【すごい】

【おれは】アロハザ逆噴射大賞まとめ 後半【すごい】

(前半)

はじめまして。アロハ天狗と申します。

逆噴射小説大賞が終わってしまった。

わたしは毎日投稿を果たし、しかもその全部がちょー面白い。毎日投稿をした奴は少ないし、投稿したやつが全部面白いやつも少ない。つまりわたしはめちゃくちゃすごいということが実証された格好なので、後半の作品についても紹介したり自慢したりちょっとだけ後悔したりし、あなたはそれを読むことができるでしょう、今!

16:屍

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朋友よ、冷たい朝に眠れ

朋友よ、冷たい朝に眠れ

「アルファさん、サーセン、遅くなりました!準備に手こずって!」
駅前。手を振りながら駆け寄ってくる、柄の悪い坊主頭は牧ちゃん。俺の友達だ。

◆◆

「つーか、アルファさん、ネットだとイキってた癖に、いざ会うとフツーに普通のオッサンっすね!」
牧ちゃんが豚足を頬張りながらゲラゲラと笑う。
「うるせえな!そっちこそガラ悪過ぎでしょ!」
俺も負けじと麻婆豆腐を流し込み、店員におかわりを頼む。
二人の間

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恋多き髑髏伯爵

恋多き髑髏伯爵

黄金城は今日も空を征く。

「イゴール!イゴールよ!」

大広間に髑髏伯爵の声が響く。黒装束。マント。異形の髑髏銀仮面。

「どこに向かっているのだ!北へと向かえ!」
「我が主よ。アドリアナ夫人に求婚に向かわれるとのことでしたので、メキシコへと」
「それは過去の話だ!私は新たなる熱情を求めている!」

彼は善人ではなかった。

「彼女は己の道を歩むであろう! そうだ、ソビエトだ!彼の国の女王を一目

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マッド料理人ジロウ 世紀末編

マッド料理人ジロウ 世紀末編

「そこまでぇい!」
"ツーヘッド"ウラジミルが奴隷モヒカンの首を刎ねる。

「時間である。我が鉄の同胞トライブの料理人、"脂喰らい"ブーム。よそ者、ジロウ。それぞれ作り上げた飯を出せィ!」



オールドデトロイトのスタジアム跡に詰めかけたモヒカン群衆はもはや狂乱状態だ。今宵は鉄の同胞トライブの年に一度の神聖な祭典。ディナーメントだ。

偉大な族長、ウラジミルを前に、トライブの料理自慢たちが腕を

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あらゆる者よ、彼の竜を討て

あらゆる者よ、彼の竜を討て

これは古典的な竜退治の物語だ。

人々が勇気と知恵を合わせ、竜を討つ。
この物語で倒されるべき敵はただ一つ、その竜一匹に過ぎない。
それ以外のあらゆる登場人物は、全てが味方だ。

その竜がいつからいて、どこから来たのか、誰も知らない。
ただ数年に一度その世界を散々に荒らし、再び火の山に籠もる。

あらゆる者よ、彼の竜を討て。彼の竜を討ち果たしたものを、我が王権を継ぐ正当な者とする。

若きハルテが

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ザ・マウンテン・バッドガイ

ザ・マウンテン・バッドガイ

ユーリとロドリゴの兄弟はツキがなかった。
彼らがサン・エルトシティを訪れるのは、今日が初めてだった。
初めて訪れた街で犯罪をするのは、いつものことだった。

「ババア!死にたくなきゃその鞄置いてけ!」
「どこを撃てば一番苦しんで死ぬか、知りたいか?」
こうした街で、周りの人間がどれほど無関心に振る舞うか、熟知していた。

辺りが突然暗くなる。何かが陽光を遮っている。
ユーリは振り返り、
初めはそれ

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ヘヴィメタル・チェーンガン!

ヘヴィメタル・チェーンガン!

BRAAAA!!!チェーンソーがサイバーゴブリンをズタズタのゴアミートに変える。GUGAAA!!振り抜いた勢いで後ろに振り向く。飛びかかってきたメガオークを、ソードオフ・ショットガンが粉砕する。

これでこの一帯は最後か。部屋を見渡す。NAPD社植民惑星汎用オフィスはまるでミートミキサーの中身だ。

惑星NA-14。
白衣を着た馬鹿が、惑星固有のバイオ生物達に、NAPD社特製の装甲、強化関節、おま

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