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今日もすみませんでした。

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関東で活動するひとりバンド"アルマが死んだ"のKOHEI SATOによる日々の懺悔と妄想と怒りと虚しさの手記
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#バンドマンの日常

第三十八回「夏が来ちゃった」

どうやら梅雨が終わったらしい。
急に暑さがくるもんだから俺の心の準備が全く追いつかない。
なんなら自宅の作業部屋には・・・エアコンがない・・・。

密室におっさんが一人汗だくでエアコンがない部屋で
歌う。

地獄はここにあったのだ。
これが地獄じゃなければなにが地獄だというのだ。

せめても思い扇風機を使用しているのだがこれが全く意味がない。
風が吹こうがこの部屋の熱気は冷めることない。
この部屋

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第三十四回「ロックタクシー」

第三十四回「ロックタクシー」

先日、仕事の関係で終電の逃してしまいタクシーに乗った。
ギターを自分より先に乗車させてから運転手さんに自分の家の住所を告げタクシーは夜の街を走り出した。

走り出して間も無く運転手さんは俺に「お客さん今日はライブの帰りですか?」などと質問してきたので
「ええ。事務所の代表の誕生日イベントで歌を歌いました」と言った。

続けて運転手さんは「どんな音楽をやっているんですか?」と訊いてきたので俺は少し声

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第三十一回「それぞれのそれぞれ」

第三十一回「それぞれのそれぞれ」

とても嬉しい悲鳴なのだが
最近、とても忙しい毎日を過ごしている。

音楽やそれにまつわるものが一日中 俺の時間を使って次から次へとやってくる。
しかも、その全てのメインが俺なのだからちょっとやそっとの泣き言なんて
言ってられないのだ。

そんな毎日の中でもほんの少しの感動だったり、喜怒哀楽はしっかり持っていたいと思うので弾丸で渋谷に行った。
それはつい先日のことなのだけれど、今現在渋谷のBunka

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第三十回「ディアー・マイ・カルチャー」

第三十回「ディアー・マイ・カルチャー」

さて。記念すべき三十回を迎えたわけ。
いろんなことを書いて公開してを繰り返して年が変わり世界が変わり
そんなことをしているうちに三十回もここに文字を打ち込んでるわけ。

そんな俺は最近狂ったように漫画を読んでいる。
宇宙兄弟から始まり、今はAKIRAを。
そして、漫画だけではなくて寺山修司さんの舞台だったり
ラーメンズのDVDほぼ全公演を買ったりしている。

この中には”音楽”単品は含まれていない

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第二十一回「撃ち抜いてくれこの胸も夢も」

第二十一回「撃ち抜いてくれこの胸も夢も」

2021年11月3日。
文化の日。

この日に約3ヶ月ぶりの新曲「レインマン」をYouTubeにてリリースした。
この曲は我々にとって初の試みであるギターレスな楽曲となった。

ピアノを弾いてくださったのは越智友博さん。
キャリアも年齢も先輩なスーパーピアニストにこの楽曲のピアノを弾いてくださると言うことになり俺は本当にこの曲を産んでよかったなと思っている。

この曲は一人のドジで運を掴み損ねた男

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第二十回「君はライダースを着たことがあるかい?」

第二十回「君はライダースを着たことがあるかい?」

もうこのコラムも二十回目を迎えるのかとしみじみ。
というか、コラムを更新するたびに「もう○回目ですか」と書いている気がする。
冒頭が全く一緒のパターンになってもう何回目ですか。

あと2ヶ月とちょっととかそのくらいでこのコラムが誕生して1年になる。
誰が読んでいるかもわからないこの文章をインターネットに放り投げて。
1年。

この一年の間に俺は事務所に所属して引っ越しをして、毎日何かしらの”音楽”

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第十九回「いろいろなことがあったのさ」

第十九回「いろいろなことがあったのさ」

このコラムも十九回目を迎える。
売れないバンドマンがただただ隔週でこのnoteに駄文を書き続けて10ヶ月になろうとしている。

今、俺は壁が薄い埼玉の部屋を抜け出し、神奈川の作業部屋にて
このコラムを書いている。

要するに引越しをしたのだ。

2年間住み続けたあの部屋からの”脱出”もしくは”解放”と
この鉄筋コンクリートガッシガシのこの作業部屋は雲泥の差で
全く物音が聞こえない。

仕事部屋があ

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第十八回「すべてのインターネット懐古主義者たちへ」

第十八回「すべてのインターネット懐古主義者たちへ」

来月の9日。
アルマが死んだとして三回目の企画ライブがある。
一回目は「轟音部屋緊急事態宣言」と題し
無観客でライブハウスからインターネットを通じて皆様に音楽をお届けした。

俺はそのライブ中に腰をやってしまい
終わった後に立ち上がることができなかったほどだった。

二回目は「血潮」という俺たちのワンマンライブだった。
このライブは西武新宿駅から徒歩3分くらいにあるライブハウス(ライブバーだとかな

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第十七回「ラブストーリーインザ出前館」

第十七回「ラブストーリーインザ出前館」

3時間という長時間。
俺は自宅でひたすら待った。待ち続けた。
出前館。

19時過ぎに俺はインターネットで飯を頼んだ。
サイトの名前は出前館。
一時期UberEatsとやらが登場して来て浮気をしてしまったのだけれど
そのイーツは俺を速攻で裏切りやがった・・・。

待てど暮らせど来ない俺の餌。
「さて今夜私がいただくのは」ができない。
孝之。一体どういうことなんだ。

そして、注文はキャンセルされ泣

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第十六回「32歳になる」

第十六回「32歳になる」

遂に俺は32歳になった。
1989年8月18日生まれ。獅子座。A型。

どうやら最近のキッズ達は自分の血液型を知らないらしい。
なんでなのかはよく分からないけれど。

誕生日というのはいつも照れ臭く感じる。
自分が歳をとってこれほどまでに人に祝われるなんて
めっちゃ照れる。けど、嬉しい。

こんな時どうしたらいいのか分からなくなる。
けど、嬉しい。

なんならついさっきまで俺は自分の誕生日に未だ浸

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第十五回「陽炎が立ったあとに」

第十五回「陽炎が立ったあとに」

2021年7月31日 23:55
この日、俺たちの新しい曲が世の中に公開された。
世の中と言ってもほんの小さい世界の話なのかもしれないが
確かに俺たちは世の中に放り投げたのだ。

曲名を「陽炎が立つ」という。
その馬鹿みたいに暑い夏の日々をこうして数分にまで圧縮し送らせてもらった。

決してこのウイルスに塗れてしまった世の中を忘れないように。
この曲が発表された年はコロナウイルスの年だったと
全て

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第十四回「読者お便りコーナーR」

第十四回「読者お便りコーナーR」

ということで今週もやってまいりました。
シャレオツなメンズレディースのためのコラム「今日もすみませんでした。」のお時間です。

イカした皆さんのマスト。トレンド。
これを読んでない人類は全員流行に乗り遅れた古代の人。
そんなファイティングポーズガッチガチに挑みます。

1月から始まったこのコラムももう半年を超え
まだしっかり十字架を背負いながらここまで来たわけですが

いよいよネタがなくなってきま

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第十二回「名古屋と友達の誕生日とバンド」前編

第十二回「名古屋と友達の誕生日とバンド」前編

6月19日
1年ぶりの名古屋に向かう為にドラムの大塚の家に集合。
彼が所有する車に乗りコンビニでカツサンドを買う。

思えば1年前 アルマが死んだをはじめて2回目のライブが名古屋だった。
その時の車内はギターもベースもイラストレーターも居て何やら賑やかな
車内だったなとたった二人の車内で思っていた。

カツサンドを食べながら湘南乃風を爆音で流し、途中大雨に打たれながらも
車は確実に名古屋に向かって

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第十回「バンドなんてするもんじゃねぇな」

第十回「バンドなんてするもんじゃねぇな」

生まれて初めてロックンロールに触れたのは確か19歳だった。
気がする。
上京して1年が過ぎて神奈川県川崎市高津区に住んでいた頃。
歩いて溝の口まで行って 漫画喫茶でインターネットサーフィンをしていた。

毛皮のマリーズというバンドの”LOVE DOGS”という曲を
YouTubeで知って再生ボタンを押す。
前髪で顔が見えないボーカルのシャウトが俺の鼓膜を震わせた。

あまりの出来事に俺は一度ヘッド

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