忘れられないあの快感
僕には忘れられない快感がある。
人生で1番と言ってもいいかもしれない。
高3の夏。僕の学校では3年生が文化祭で劇をすることになっている。1クラス30分くらいのちゃんとしたやつ。脚本から小道具、時間設定など1から生徒だけで作り上げる。
僕のクラスは学校ものだった気がする。
「気がする」というのは、自分の出番の場面しか覚えておらず、他の場面や全体の流れすら忘れてしまったから。
僕の出番は最後の最後、1番おいしいところを持っていくという役柄。だから、ほぼ自分ソロの最終場面しか覚えていない。さらに、自分がどんな場面でセリフを言ったのかも覚えていない。セリフはハッキリ覚えているのに。
肝心の役柄は、「喋る木」の役である。
劇全体は真面目な劇。そんな真面目な劇の中で、僕演じる喋る木が最終場面に登場して笑いを取りにいく。姿、セリフで笑わせないといけない。だからこそ、衣装も色々こだわった。
どうしたら面白く見せられるのか。考えなくてもパッと見で笑えるのか。色々なことを考えた末に出たのが上の写真。
もちろん、この写真だけを見て「全然面白くねえよ」と言う意見はナシで(笑)。劇場の暗闇の中、真面目な劇の中、突如としてこの衣装を着て登場するから面白いのであって、写真だけを見て判断するのはナンセンス。
そして本番。
僕のクラスは全8クラス中8番目の登場、つまり学校全体の最後の劇の中の、最後の最後で僕が登場したことになる。大トリ。
序盤は呑気に舞台袖からみんなの様子を見ていた。徐々に近付く僕の出番。
次の暗転のタイミングで舞台にスタンバイ。
衣装も着てスタンバイ完了。
クスクス。クスクス。
まだ暗転なのに、少しずつ笑い声が聞こえる。暗転している中、ハッキリとは見えないが、僕の姿をかすかに見つけたお客さんが笑い始める。
「ウケてるぞ!いけるんちゃうか!」
スタンバイしながらニヤニヤする僕。
暗転が明けたらさらに笑いが起こる。
他の人がセリフを言い、しばらくの静寂。
シーンとした中、タイミングを見て僕は勢いよく言う。
「こんにちは~。僕は~木です」
振り向きざまにこのセリフを言ったらお客さんが大爆笑。すぐに次のセリフに行かなければいけなかったが、あまりの笑いの大きさに、場が落ち着くのを待っていたくらい。
最高に快感だった。
コンサートが開かれるような大規模な会場。最終公演のクライマックスで注目が集まる中、僕は爆笑をかっさらっていった。
5年前の出来事なのに、今でも鮮明に覚えている。
お笑い芸人が「舞台で大ウケした時は最高に気持ち良いです」と言っていたことがやっと分かった。めちゃくちゃ気持ち良い。
スポットライトが僕に当たって、みんなの視線が一気に集中したあの瞬間。文章に書き起こすだけでも興奮してきた。
人を笑わせられるって、こんなに最高な気分になるんだな
と改めて思った。劇全体のことはほとんど覚えていないのに、あの一瞬のことだけは鮮明に覚えている。
人を笑顔にする、笑いを生み出す。僕は自分が心地よくなる瞬間を知ってしまった。文化祭の時のように何百人を一気に笑わせることは難しいかもしれない。だけど、目の前の人を笑わせることはできるはず。
一緒にいると自然に笑顔がこぼれてしまうような人でありたい。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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