見出し画像

介護保険外事業、起業時〜現在までの誤算

こんにちは、アルゴです。

約1年半前に介護保険外サービスを個人事業として立ち上げる決意をし、その後数ヶ月で開業〜現在に至っています。

老人ホームを退職してから独立するまでの経緯については、このnoteや著書で書かせていただいております。

上記著書やnoteでもさんざん述べていますが、私の行っている事、発信している情報が全て正解というわけではありません。

とくに著書については、皆様から大切なお金をいただいているわけですから、語弊のないようにしっかり言っておかなければなりません。
『マニュアル』ではなく、『ガイド』という名前をつけたのも、『決まりごと』ではなく、あくまで私が辿った『道標』である…という意味もこめられています。

正解は、経営する人の数だけあって良いのです。その人の持つ個性やスキル・経営資金・目標金額・地域性・・・などなどの要件で大きく変わってきます。

noteや著書では一度書いたことも修正はできます。著書は電子書籍のため、カンタンに修正ができてしまうのです。(修正後、購入者にも連絡がいく便利なしくみ)

ですが、なるべくそれはしたくないのです。noteにしても著書にしても、
●その時の感じている思い
●その時考えている経営戦略
・・・というものを大切にしています。

私の根幹となっている介護の精神は普遍的なもので、変化しようがありませんが、その他…経営を続けていく中で、変わってくることも中にはあります。
全てが計画通り順風満帆に進行していくことなど、ありえないのです。

しかしながら、noteではそういった部分もしっかり発信していきます。それが、noteを見てくれている方や著書を購入してくださった方への敬意であります。


そんなわけで今日は、介護保険外サービスを計画・起業〜現在にいたるまで、
「思っていたことと違ったなぁ」
・・・という誤算を少し書いていこうと思います。

誤算といっても、プラス面にとらえられることも、マイナス面にとらえられることもあります。


誤算① 介護保険外サービスを必要としていそうなお宅

最初、事業を立ち上げたばかりの頃は、とにかく名も知らぬ事業所を認知していただくために営業やポスティングをすることになります。

ポスティングは現在も時々行っており、市内でどれだけの数をポスティングをしたかもわからなくなっていますが、実際、ほとんどがケアマネジャーや地域包括支援センターからの紹介で仕事を頂いており、個人宅に投函したパンフレットを見て契約につながったケースはほとんどないです。

ポスティングをする際、誰もかれもテキトーに・・・というわけでなく、なんとなく介護保険外サービスを使いそうだな…と思うお宅に投函してきました。

そうでなければ、パンフレットは他の広告にまじって、ゴミ箱に捨てられることになるからです。
(パンフレットにもコストがかかってます)

「サービスを使いそうだな」というお宅はというと、

(1)車がおいてない(通院介助等で車を要する)
(2)ボロアパート(お年寄りが住んでいそう)
(3)エレベーターのない団地の高層階(ゴミ出しに苦労する)

こういうお宅ですね。

しかし実際、ケアマネジャーや地域包括からどのような依頼があり契約した方が多いかというと、意外にも上記に当てはまらない方も多くいました。

(1)車がおいていない

については、別にご家族が車を運転できる場合でも、外出同行が必要になるケースがあります。
中には、ご家族が「運転は私がするから」と、運転し、お客様本人と私がその車に同乗し、目的地で付添の介護をする場合もあります。

なんとなくキレイな家の外観だけを見て、小さいお子さんのいる家族を想像していても、実際は高齢の方が独居で住んでいるというケースもたくさんあります。

(2)ボロアパート(…失礼)

ボロアパートという言い方は大変失礼ですが、私自身も小さい頃や数年前にはボロアパートに住んでいたから良いのです(キリッ)

ボロアパートとは、屋根も柱も錆びついていたりと築年数が40〜50年と思われるアパートを言っています。

なんとなく、高齢者の方が住んでいそう・・・というイメージでしたが、現在、契約しているお客様には、そうしたアパートの方はいません。

お金がない人が住んでいるケースが多いのは間違いないと思いますが、こういう方が料金の高い介護保険外サービスを使うことは、ほぼないです。

料金についてはこの記事の後半で述べます。

(3)エレベーターのない団地の高層階

私のサービスは朝のゴミ出しを行っています。介護保険訪問介護はゴミ出しだけを頼んでいても断られてしまうケースが多く、かなりニーズがあります。

人間が生きている上でゴミを出さないというのは不可能ですし、高齢者の方も増え続けるので、今後このニーズがなくなる事は決してないでしょう。

エレベーターのない団地の高層階(3〜5階)となると、ゴミ出しも大変です。そうしたニーズを狙ってポスティングをしていましたが、高層階からの依頼は思いの他多くないです。ちゃんとエレベーターがあるマンションの14階の方、普通の一軒家からのニーズが多いです。

ゴミ出し自体は私のサービスでも、通院同行と並ぶニーズなのですが、昔ながらの団地でゴミ出しは一度も行っていません。

たぶんポスティングをしたのは、こうした場所が一番多かったと思います。

誤算② 料金設定、支払ってくれるお客様層

介護保険外サービスというのは国からの援助がないので料金が高いのが普通です。

1時間で4000〜5000円だったり、高い月額・年間会費を払ったりするケースもあります。

それだけに保険ではできない事もできるのがウリだったりするのですが、それにしてもなかなか手がでませんよね。

そんな中、私は個人事業で行っているので、自宅を事業所にしたりとコストを大幅に下げることができました。コストがかからないので、料金も低く設定できます。

これによって、今までサービスを使えなかった方も使えれば良いというふうに考えているわけです。その考えは今でも変わりません。

しかし・・・

それでも実際にサービスを使うのは、やっぱりお金に余裕がある人なんですよね。まぁ、料金が安いといっても介護保険よりは高くなってしまうわけですし、ということは生活保護の方なんておそらく使おうとしないはずです。

お金がなくても比較的気軽に使えるサービスを目指しているのですが、実際には・・・
お金にある程度余裕があって、かつ保険では絶対できないようなニーズをかかえているお客様
・・・が一番多いのです。

(↓↓ 以前も関連した記事を書いてますのでどうぞ ↓↓)

そうしたお客様といろいろ話すわけですが、ケアマネさんなどを通してでも私のサービスを選んでくれた要因は、『安い』からではなく『自由度が高い』からなのだそうです。

これは誤算でした。まぁ、サービスを使って料金を支払ってくれるわけですから結果オーライなんですけど。

先程、介護保険外サービスは保険ではできない事もできる・・・と書きましたが、それでもどの事業所もけっこう制約があったりするみたいですね。

たとえば通院付添の後にお買い物に行くとか、保険外とはいえ銀行へ代行するのがだめだったりとか、一般の保険外サービスは料金が高いだけでなく、自由度が意外ときかないのです。

さらに自費ヘルパーとしては、身体介助や生活援助で料金が変わったり、同じ事業所の介護保険訪問介護を使っている方限定だったりと、利用する権利すらもない場合があります。

そんな中、私のサービスはそうした面倒なことをほとんど撤廃し、出張交通費と時間料金+(諸経費程度)にしているので、いろんな事ができます。

お客様からは

A様
「アルゴさんには本当に感謝しています。私は通院以外に外に出る機会がないし、デイサービスみたいなところにも行きたくない。だからアルゴさんと月に数回でも一日、買い物やいろんなところに行けるというのはありがたいのです」

・・・と、そういった声がきかれています。

では、何が誤算だったかというと・・・・

「料金、もうちょっと高くても良かったんじゃね・・・??」(笑

多くのお客様は自由度が高いという点で選んでくれており、料金はあまり気にしていないのかもしれません。

現に買い物同行の際には、3万、4万と普通に食料品や衣料、生活用品などを買っています。

「私の一ヶ月の付添料金より高いじゃん・・・」
・・・と思いながら付添をしています。

まぁ、どんな業種でも、値上げというのは行いますし、安定的に収入を得られている今ではいずれ私も値上げをしても良いかな・・・と感じています。そうすれば、少しお客様が減ったとしても、余裕がありますしね。

改善しながら進んでいく

今後も、営業のようにやってみてうまくいかなかった事、あるいは料金設定のようにもっと自分の収益を増やせるような事も変えていこうと思います。

トライアンドエラーですね。

私はこういう事が大好きなのですね。失敗した時は、なんで失敗したんだろう・・・?成功するためにはどうすればいいのだろう・・・?と試行錯誤することが面白いです。

去年まで老人ホームで介護職として働いていましたが、会社員ではそうもいきません。個人レベルで改善することはできても、どうしてもチーム全体での改善には限界がありました。

そういった意味では、本当に今は楽しく仕事ができています。

いいなと思ったら応援しよう!

アルゴ@介護福祉士(フリー)
サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。