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『サハラのカフェのマリカ』

真っ平らな砂漠と密度のない砂漠、それは空。 映画の中では青空はなかった。空は常に砂色。 風は絶えず吹き続け、前の道をトラック、バン、車、バイクが制限なしのスピードで通り過ぎていく。 サハラ砂漠の中のここはアルジェリアだそうだ。 会話の中にどこの国の人、とか何族とか多くの民族が行き交っている様子だ。(日本にいれば二つ以上は多民族に思える。) 主役のマリカはかなりでっぷりとした体型で、お腹の辺りの肉はお腹なのか、胸なのか?どのように砂漠の中のカフェを経営しているのか?などは映画

    • 6月のある朝

      その日、朝の瞑想を終えyoutube法話をみようとした時スマホの通知が目に入る。ワカナさんだ。 夫・・亡・・葬・・という文字が見えてどきっとする。 ワカナさんの夫が亡くなったのだ、あとで連絡しよう。なんと言おう? だがその通知画面からメッセージに移動して固まる。亡くなったのはワカナさん本人で、夫からメッセージが送られてきたのだった。 このメールは、本人ではなく夫が発信しております 実は今月10日に亡くなり15日に家族葬を済ませました それだけの文章だったが、意味がなか

      • 『ペトルーニャに祝福を』

        テオナ・ストゥルガル・ミテフスカという女性監督の映画『ペトルーニャに祝福を』を岩波ホールで観た。 映画の感想の前に映画館のこと。 本当に久しぶりの岩波ホールだった。 劇場の中にある小さめのスクリーン、音響もガンガン響かず、更に観客も年配の人が多くて落ち着くクラシックな映画館。 若い頃結構来たな。昔は名画や一般ウケはしないようなものを観ることも多かったから、私の定番の映画館だった。 いつからか映画を映画館で見ることがめっきり減ってしまったが、そのうちシネコンがポコポコ出始め再び

        • 肌断食のこと。

          私が「肌断食」をはじめに知ったのは、今は亡き佐伯チズ先生の2005年発行の『美肌塾』の中であったから、結構前からあったのです。もしかするとそれ以前にもあったのかもしれません。 で、時はふっ飛んで2020年。昨年からのコロナ禍で多くの人が外出の機会、他人と会う機会が減ったことに加えて、私などはついでに会社も辞めてしまって輪をかけて人と対面することが極端に減りました。 そうなると(これは!お化粧しなくてよくない?)となりました。 この場合のお化粧とはファンデーション以降の色もの乗

        『サハラのカフェのマリカ』

          避難所

          今日は天気予報で春の嵐、と言われていたが、夕方4時、その通りになっている。 南側の窓には激しく雨が叩きつけられていて、景色も白っぽくけむっている。 電線は時折激しく揺れて一羽の鳥も止まっていない。 朝にはうるさいくらいに鳴いていたあの鳥たちはどこに避難しているのだろう。羽に当たる雨粒は、鳥たちとってはどれほどのダメージを与えるのだろう。 今日の夜、鳥たちはどこでねむるのだろう。。 自分はといえばヨガマットを敷いて、炭酸水にレモンを絞ったものを飲みながらストレッチしている。仰

          映画『ミッドナイト・スワン』を観て

          見逃していた草彅剛主演のこの映画、日本アカデミー賞を取ったとかで再上映されていて、しかも観るのにちょうど良い時間。席を予約して(ほとんど満席!)早速出向く。 草彅さんは『黄泉がえり』を観て、すごく自然な演技をする人だなぁと、俳優としてファンになった。あと『任侠ヘルパー』っていうTVドラマでも良かった。 今回の映画ではトランスジェンダーというだけで選択肢が悲しいほど奪われて、ただ生きるということだけでもままならない「凪沙」という名の人物を演じていた。やっぱり自然だった。自然でリ

          映画『ミッドナイト・スワン』を観て

          私も、しらふで生きる。ほぼ。

          町田康の『しらふで生きる』を本屋で見つけた時はショックだった。 裏切られた、にも近い感じがした。というのはこちらの勝手だけど。 次に感じたのは、これまでは呑んでいる町田康の作品。これは呑んでない町田康の作品か〜という感慨。 断酒宣言を世間に向けて、出版という形でするとは作家ならではだな。自分で呑むに呑めないように追い込んでんでしょ、と読む前は思ってた。読んだ後、やっぱそうだ、と確認した。 しばらく本を眺めていると不思議なことに「私もやめよっかな」という発想がでてきた。 この

          私も、しらふで生きる。ほぼ。

          雑誌『HERS』のこと。

          自分の推しモノが消えてしまう事がよくある。 好きだったレストラン、よく買っていた油揚げ、気に入っていたリップクリーム、見ていたTV番組、行きつけの自然食の専門店などなど。 最近(といっても去年のことだけど)ショックだったのは光文社の女性誌『HERS』の休刊。今は食をテーマにした不定期刊行になっているそうだが。 ふつう雑誌の表紙って文字のスタイルや色、写真の配置もこの雑誌はこう、ていう定型があるものだけど、『HERS』は毎月ガラッと変えてきていた。 スッキリして他の雑誌よりお

          雑誌『HERS』のこと。

          映画『あの子は貴族』

          「この家は私たちより上の階層の人たちだね」 と貴族階級のバイオリニスト逸子はさらっと言った。 階層っていうのか、日本のカーストでは。 この映画では都心在住の上層の人たちと、それ以外の人(この映画では地方から東京に出てきた人)の歴然とした生き方の違いと、そこを超越した共感、が描かれていた。 階層がはっきりあるのはどうも上層の人たちのようだ。階層、というものは現代でも意外に、目に見えるくらいの感じであったりする国もあると聞く。職業とか、結婚相手を選ぶ時支障が出たりするような。 で

          映画『あの子は貴族』

          『勝間式ネオ・ライフハック100』の効果

          去年の終わり頃、勝間和代さんの『ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)を読んだ。 その頃の私は活力が低めに安定していた頃だったので、真逆そうなこの人の書いたものでも読んでみるか、と思ったのだった。 どこから読んでも良さそうだったで、つまみ食いのように美味しそうなところから読んでみた。 キャリアなどとは無縁な私が勝間さんの著書を読むような日が来るとは・・これもコロナの影響もあると思う。 コロナで引きこもる → 経済も停滞している → 日本にこれから成長なんてあるのか、と

          『勝間式ネオ・ライフハック100』の効果

          塩林檎

          先日のおやつにリンゴを1個食べた。 部屋の外の寒いところでしばらくほったらかしにしてしまっていたリンゴ。 目にするたびに(あ、あとで食べよう)(早く食べなくちゃ)(まだ大丈夫かな)と気にはしていたが食べていなかったリンゴ。 お昼過ぎ部屋で一人で本を読んでいた時、今がリンゴのチャンス!と気がつき、怪しくなったリンゴをキッチンに持ってくる。 最近おいしいリンゴの見分け方を発見したと思っている私。 それは軸の部分。 それまでは太くてしっかりした軸のものを選んでいたのだが、ふとりんご

          今想う

          今日は暖かいけれどものすごい風が吹いていて、先ほどからはそこに雨さえ混じってきた。雲は厚みを増し、空は急激に暗くなってくる。予報では夕方からは風の方向が変わって真冬の寒さに戻るという。 でも今、私は自分の部屋にいて窓ガラスに風が当たる音を聞きながら本を読んでいる。部屋の真ん中にはストーブもあるし灯油もまだたっぷりある。寒くなったら点けるだけだ。 守られている感、がある。雨風をしのげる状況にいつも感謝の心を持つべきだが、実際にはこういう天候がその感覚をふと思い起こさせてくれる。