避難所

今日は天気予報で春の嵐、と言われていたが、夕方4時、その通りになっている。
南側の窓には激しく雨が叩きつけられていて、景色も白っぽくけむっている。
電線は時折激しく揺れて一羽の鳥も止まっていない。
朝にはうるさいくらいに鳴いていたあの鳥たちはどこに避難しているのだろう。羽に当たる雨粒は、鳥たちとってはどれほどのダメージを与えるのだろう。
今日の夜、鳥たちはどこでねむるのだろう。。

自分はといえばヨガマットを敷いて、炭酸水にレモンを絞ったものを飲みながらストレッチしている。仰向けになれば雨の雫だらけの窓を通して薄暗くなった空が見える。
ここは私の避難所、自宅。
10年前の震災の時、思いがけず出先のZ市の市役所のホールで多くの人たちと一夜を過ごしたのも避難所であるが、こんな天候の日は自分の部屋もまたそうであることを強く意識する。
この部屋から一歩も出ることなく何日も過ごすことになったら。とイメージしてみる。あるいはある日前触れもなくどこかのホールに知らない人たちと何日もいることになったら、とも。
東日本大震災の時は半年ぐらいしてから親戚、知り合いを訪ねて回った。
知り合いの家族は鳴子温泉の旅館を避難所としていた。
大船渡の知り合いの漁師さん一家は仮設住宅に移っていた。
気仙沼の住宅兼店舗を流されてしまった親戚は、それまでよりだいぶ街なかの知人のアパートを借りて住っていた。近所にそれまでの食堂よりだいぶ小さい店舗を建てている最中で、それまでの中華も日本蕎麦も丼ものもあり、というメニューからラーメンのみに絞って再起するということになっていた。(今、繁盛してる!)
いずれにせよ突然の避難所暮らし、である。
自分ならどうする。
イメージトレーニングのつもりで思いつくことを挙げてみる。
避難所では不特定多数の人たちと床を分け合って過ごすことになる。
ということはあんまりだらしない格好でいたくはない。
・おしゃれでなくとも身だしなみには気をつける。
・着る物は外用と家用の区別がほとんどなくなる。。
・食事は手に入るもので満足しなくてはならない。
・持ち物は最小限に、トランクひとつにまとまるくらいかな。
・無駄なおしゃべりは控えなくては。それどころか音を出すこと自体周りに気を遣わなくてはならない。
・エコノミー症候群にならないよう、散歩や小さな面積でできる運動を心がけること。
・お手伝いできることがないか周りに気を配る。
・誰とでも目が合ったら微笑んで会釈する。
…などなどいろいろ思いつく。

そして、そのイメージした日常にだんだん寄せていく・・


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