藤浦 彰広 Akihiro Fujiura

ショート小説 / エッセイ / 読書感想文 / 映画感想文

藤浦 彰広 Akihiro Fujiura

ショート小説 / エッセイ / 読書感想文 / 映画感想文

マガジン

  • 人生模索

    「豊かな人生」を送るために模索していくことを書き連ねていきます。【ショート小説 / 読書・映画感想文 / 旅行エッセイ / 模索したこと】などなど。

  • 短編小説(ショートショート)

  • #映画感想文

    映画の感想

  • #読書感想文

    本を読んで、思ったこと、感じたことを書いていきます。

  • 旅行記

    旅行ブログ「旅々PHOTO」では書ききれない、旅行で感じたこと、考えたこと、なんでも書いていきます。

ウィジェット

  • 【旅々PHOTO #1】鳥の小塚公園 - 熊本県…
  • 【旅々PHOTO #2】黄牛の滝 - 大分県竹田市
  • 【旅々PHOTO #3】草場川の桜並木 - 福岡…
  • 【旅々PHOTO #4】浜野浦の棚田 - 佐賀県…

最近の記事

  • 固定された記事

私の人生には登場しなかった「読書」という言葉が突然あらわれた。

「読書」。 私の人生にはほとんど登場しなかった言葉だ。 生まれてから30数年間、ほとんど読書をしてこなかった私が、この歳になって本を読み始めた。ここ1ヶ月ほどの話だ。 きっかけが何だったのか覚えてはいないが、突然「読書」に目覚めた。 いや。 突然と言うと少し語弊があるのかもしれない。 社会人としての知識や教養を身につけたいという気持ちはあった。気持ちだけは。 大学受験まで「勉強」をしていたはずなのに、大学、社会人と、大人になるにつれて「勉強」をしなくなり、ニュース

    • ショート小説『夢のマイホーム』※1473文字

      「マイホーム?」 俺は、一口飲んだビールを置きながら、幼馴染の話に思わず聞き返した。 「いい土地が見つかってさ。街からは離れるけどな」 「どの辺なんだ?」 ねぎまを手に取りながら聞く。 「S町だよ。あの県の外れの」 「遠いな。まあ、でも、おめでとう」 「なんだ、でも、って。心がこもってないな」 「そんなことないよ」 「嘘つくなよ。何年の付き合いだと思ってんだ」 こいつの観察力は子供のころからの変わらないな、と思いつつ答える。

      ¥100〜
      • 2024年6月に読んだ本まとめ。読書記録は、今の興味が可視化されて楽しい。

        2024年6月に読んだ本は全部で6冊。1冊毎に、ちょっとずつ紹介していきます。 1. 2035年の人間の条件(暦本純一/落合陽一,マガジンハウス新書)難しい。難しい。が、対談なので読むことはできる。理解はできない。 AIが生まれ、常人には理解できないスピードでITが進んでいるのだとわかる。ITの進化は早いことは知っていたが、そのスピードは想像以上。 考えるのを、行動するのを止めてしまうと、あっという間に取り残されるのかも、と感じた。 哲学や宗教は、どの分野にも通ずるの

        • ショート小説『1時間で終わらせてって言ったよね?』※1985文字

          「1時間で終わらせてって言ったよね?」 システムの保守チームに配属されて、部長から何度この言葉を聞いただろうか。 その言葉を聞くたびに、私の心を守っている壁のようなものに亀裂が入っていく。 この保守チームのリーダーは、システム部の部長が兼任している。 一般的に部長は現場作業をしない。が、今回のこの保守チームは、トラブルが重なって、部長自ら指揮を取ることになったのだ。 トラブル続きのチームに呼ばれたのは、私の能力が評価されたのか、たまたま前のプロジェクトが終わっただけ

          ¥100〜
        • 固定された記事

        私の人生には登場しなかった「読書」という言葉が突然あらわれた。

        マガジン

        • 人生模索
          初月無料 ¥500 / 月
        • 短編小説(ショートショート)
          9本
        • #映画感想文
          5本
        • #読書感想文
          7本
        • 旅行記
          28本

        記事

          ショート小説『毎日、同じことの繰り返し。』※1852文字

          毎日、同じことの繰り返し。 大手のIT企業に就職して、気づけば10年目となった。1年目に抱いていた希望は、どこに忘れてきてしまったのか、今では立派に目の死んだサラリーマンだ。 朝7時、スマホから不快な音が鳴る。自分で設定しているのだが、壊してしまいたいほどに憎くなる。 また1日が始まる。

          ¥100〜

          ショート小説『毎日、同じことの繰り返し。』※1852文字

          ¥100〜

          ショート小説『AIと共に生きる』※1665文字

          「確かに、その偏差値ならY大学を受けるのが妥当です。現代文の勉強時間を32%減らし、数学の勉強時間を10%、生物の勉強時間を23%増やしてください。そうすれば78%の確率で合格できます。」 耳に掛けたAIが、直接僕の脳に語り掛けてくる。 AIに聞けば答えはわかる。なのに、なぜ勉強が必要なのだろうか、と考えながら現代文の教科書を置き、数学の問題集を手に取る。 「それは、受験のルールが時代に追いついていないからです。AIが急速に発達したことにより、法改正が追い付かず、前時代

          ショート小説『AIと共に生きる』※1665文字

          ショート小説『あいつに憧れて。』※3024文字

          「さあ、盛り上がってまいりました!日本一を決める最終戦!1点差で迎えた9回裏フルカウント!」 俺はテレビの中のマウンドに立つ”あいつ”を見ていた。 あいつとは、中学の3年から高校3年まで同じチームだった。 中学時代、俺のいたチームは、県内でも敵なしの強さを誇っていて、春の大会、夏の大会、どちらも優勝し、九州大会へと駒を進めた。 自慢する訳ではないが、俺がエースとしてチームを引っ張った。 ピッチャーとして4試合完投。20奪三振を奪い失点はわずか3点。バッターとしては4

          ショート小説『あいつに憧れて。』※3024文字

          「竹地区の棚田」に映る入道雲が夏を知らせてくれた。【東峰村】

          ずっと気になっていた「小石原」。 読み方もままならない小石原(”こいしわら”と読むらしい)に、小石原焼きを目的に訪れた。 道の駅、カフェ、小石原焼伝統産業会館と堪能した後、同じ東峰村にある「竹地区の棚田」を観に行くことにした。 小石原の道の駅から約20分。 棚田と聞くと、小さく細い山道を行かなければならないイメージがあったが、この「竹地区の棚田」の場合、その心配は取り越し苦労だった。 中央線のある道を進んで行き、棚田の直前になると、中央線こそ無くなったが、新しく造ら

          「竹地区の棚田」に映る入道雲が夏を知らせてくれた。【東峰村】

          子供の頃の大人のイメージと、実際に大人になった自分。映画「違国日記」を観て思ったこと【ネタバレなし】

          先週、いつものように仕事終わりに映画を観に行った。 「違国日記」。 あらすじはこちら。 2時間20分の上映時間にも関わらず、あっという間に終わった。「ずっと観ていたい」という気持ちでいっぱいになるほど、あたたかい映画。気持ちが穏やかになった。 子供の頃の「大人」のイメージ主人公である中学生の「朝」は、家族や学校以外の「大人」と接することで、「大人」というものを初めて理解しようとしていたように思う。 私もそうだが、子どもの頃に感じていた「大人」は、まじめでしっかりして

          子供の頃の大人のイメージと、実際に大人になった自分。映画「違国日記」を観て思ったこと【ネタバレなし】

          案山子のいる光景に惹かれた。「オーデュボンの祈り」を読んで【ネタバレあり】

          伊坂幸太郎作品を初めて読んだのは「ゴールデンスランバー」だった。見えない悪と闘う逃走劇で、続きが気になり一気に読み進めたのを覚えている。 話の設定や、軽快な台詞のやりとりに惹かれ、他の本も読んでみたいと、 「魔王」 「モダンタイムス」 「火星に住むつもりかい?」 「PK」 「シーソーモンスター」 と、読み進めた。 そして、ふと思った。 「あれ?デビュー作ってどれなんだっけ?」と。 調べてみると「オーデュボンの祈り」というタイトルらしい。また話が想像できないタイトルだ。

          ¥500

          案山子のいる光景に惹かれた。「オーデュボンの祈り」を読んで【ネタバレあり】

          ¥500

          新海誠作品2作目「雲のむこう、約束の場所」のリバイバル上映の感想。SFでありながら懐かしさも感じる作品。

          映画「雲のむこう、約束の場所」のリバイバル上映のニュースが飛び込んできたとき、ライブ会場かと言わんばかりのガッツポーズが出るくらいに嬉しかった。 この映画を最初に観たのは、たぶん十数年前の大学生の頃。深夜、家の小さなテレビで観たのを覚えている。 同じ新海誠作品の「秒速5センチメートル」を知ったのをきっかけに、新海誠作品を全て観たときだ。 映画にあまり馴染みが無い頃で、初めて見たときには、話がよくわからない部分が多かった。 「なんだ?塔って?」「並行宇宙?」って感じ。

          ¥500

          新海誠作品2作目「雲のむこう、約束の場所」のリバイバル上映の感想。SFでありながら懐かしさも感じる作品。

          ¥500

          2024年5月に読んだ本まとめ。伊坂幸太郎作品ってやっぱり面白い。

          2024年5月に読んだ本は全部で4冊。1冊毎に、ちょっとずつ紹介していきます。 1. それをお金で買いますか(マイケル・サンデル,ハヤカワ文庫 NF)お金の見え方が変わる本。 お金でものを買うという当たり前すぎる行為を、こんなにも真剣に考えたことはなかった。 お金で買えるもの、買えないもの、買ってはいけないもの、色々と考えさせられた。 納得と戸惑いが繰り返される。 世の中に必要な商品・サービスなのか、見極めて使うことが大事なのだと思った。 2. 宇宙人と出会う前に

          2024年5月に読んだ本まとめ。伊坂幸太郎作品ってやっぱり面白い。

          このモヤモヤとした気持ちは何?映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の感想

          漫画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下「デデデデ」)」を知ったのはいつのことだったろうか? 覚えているのは、LINE漫画か何かで表紙とタイトルを見て「一体何なんだこの漫画は?」と気になったことだった。読んではいない。 そして、映画本編前の、あの楽しい予告編の時間に「デデデデ」が流れ「あ、あの漫画、映画になったんだ」と認識したのだと思う。 映画は2部作。前章と後章。 調べてみると原作漫画は、既に完結しているとわかり「これは、観に行ってみるしかない」と

          ¥500

          このモヤモヤとした気持ちは何?映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の感想

          ¥500

          キリスト教の聖地巡礼を題材にした映画「星の旅人たち」を観た感想。

          Amazonプライムを適当に漁っていると、一本の映画に興味を惹かれた。 「星の旅人たち」。 旅という言葉に弱い。 星という言葉にも弱い。 あらすじには、こう書かれてある。 このあらすじを見るまで、キリスト教に聖地巡礼があることを知らなかった。と言うより、「聖地巡礼」というと、アニメのロケ地を巡る言葉のほうが馴染み深い。 お遍路みたいなものなのかな?と考えながら映画を観た。 巡礼路を、ただただ歩く息子の果たせなかった巡礼を、主人公である父親が代わりに行う。 何が起

          ¥500

          キリスト教の聖地巡礼を題材にした映画「星の旅人たち」を観た感想。

          ¥500

          仕事終わりに映画館へ行くことの良さに気づいた、ここ2ヶ月の話。

          「映画」に興味を持ったのは、昨年の12月頃。自宅で映画を観るのが当たり前だった私が、生まれてから35年、ついに映画館で映画を観ることの良さに気づいた。 ただ、ひとつ問題が発生した。 「いつ映画を観に行くのか?」 一般的に考えると、休日。 私の場合は、土日祝日。 ただ、土日のどちらかで映画を観に行くほどに、映画に人生を捧げているわけではない。本も読みたいし、遊びにも行きたい。 そして、映画を観に行くようになって知ったのだが、映画の公開期間は思いのほか短い。 早いもの

          仕事終わりに映画館へ行くことの良さに気づいた、ここ2ヶ月の話。

          自宅でも気軽に映画を楽しめるようになったこの世の中で、映画館で映画を観ることの良さに気付いた。

          映画に興味を持ったのは半年ほど前。 きっかけは、↓の記事に書いているように「本を読みだした」から。 本を読んでいると「映画は観たほうが良い」という言葉にたまに出会うことをきっかけに、映画に興味を持ちだした。 もともと映画は好きな方だと思う。家のHDDに100本ほど撮りためているほどには。 ただ映画館に行った回数は、思い出せるほどに少ない。 それから4ヶ月ほどで12度も映画館を訪れた。少しでも興味を持った映画は観てみようと思った。 映画館で観る「没入感」の良さ映画館

          自宅でも気軽に映画を楽しめるようになったこの世の中で、映画館で映画を観ることの良さに気付いた。